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消える?残る?地名表示の厳格化とご当地(おみやげ)ワイン

2018-08-12 16:24:08 | 附属酒類経済研究所
                           
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昨日話題にした、箱根のご当地ワイン。

製造・販売はサッポロワインで、中身は「サッポロ・ポレール」。

輸入ワイン・果汁使用(とラベルに書いてある)のレギュラー品のワインです。

こういうご当地ワイン、どうなるのかな?と気になるのが、ワインの地名表示の厳格化。

ニュースなどでもやってますね。



この地名表示の厳格化、日本で醸造していなくても日本のワイン、その場所のブドウを使っていなくても、あたかもそこのブドウで造っていると誤認されそうなイメージで売られている、という現状から、ルール化されたもの。

ざっくりいうと、地名を表示できるケースとして、
・日本ワイン(国産ぶどうのみを原料とし、日本国内で製造された果実酒)であること
・地名が示す範囲で収穫されたぶどうを85%以上使用していること
というもの。

特に後者のルール化は色々影響を受けているようで、例えば大阪で古くから「河内ワイン」「柏原ワイン」などを醸造しているワイナリーなどでは、実はこれら地元のブドウの使用は20~30%なので、使えなくなる、らしい。
他にも山形でも「タケダワイナリー」のロングセラーのワイン「蔵王スター」も、同様の理由で名称が使えなくなるので「タケダワイナリー・ブラン/ルージュ」となるそうです。



確かにワインの場合は日本酒と異なり、ワイナリーとブドウは同じ場所、というイメージがありますので、それを誤認させるようなラベルの規制というのはまっとうな方向性です。

ただ、これって、どこまで厳密に考えるのか、運用が難しそうですね。

例えば、前述した箱根のご当地ワインなどは、堂々と「輸入ワイン利用」となっているので箱根のわけないし、それでも難癖をつけるなら、「このワインのブドウの産地は箱根ではありません」とか書いておけば済む気もします。

また、このワインには「サッポロワイン」と製造者が書いてありますが、これも難癖をつければ「札幌のブドウを使っていると誤認される」のでしょうか。


難癖シリーズで言うと、ウチも扱ったことがある「ベルサイユのばら」ワインも、ベルサイユ産のブドウを使ったと誤認されるのでしょうか。

あるいは「地獄」というワインというのがあったとすると、地獄のブドウで造られたと誤認するのでしょうか。

どうも、「地名表示」と「銘柄」が混同されている気がする。

確かに、これもニュースで見たのですが、同じ山形の「朝日町ワイン」という名前のワイナリーなどでは、白ワインに町外の県産ブドウを使っているので、上記のルールからは朝日町は使えないとはいえ、「地元の朝日町の」というのを大事にするため、ラベルに有限会社を示す「(有)」を加え、商品名ではなく社名を表示することで国税庁の許可を得たそうです。

これで良いなら、色々とできそう。。。

この地名ルールの厳格化、どんな線で落ち着くのでしょうか。



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