Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 21(染付幾可文様輪花六寸皿)

2019-10-25 23:41:28 | 古伊万里
 古伊万里には時々、焼成されたと思われる年代の様式とは違った特徴を持つ品があります
今回の品は明らかに江戸後期(業者さん曰く文化~文政期)の品でですが、あまり見かけないタイプの品です


正直なところ、表だけ見ると200年近く前の古伊万里には見えず、今出来のプリントの品のような印象です
しかも染付の発色がなまじ綺麗なことも、「これが古伊万里~?」という疑念が浮かぶ原因となっています。
見たところ、型紙摺りと手描きを組み合せた絵付けのようで、元禄~享保あたりの品に見られる技法が使われているようです
十文字に描かれた紗綾形文様の部分は、染付のムラから見て間違いなく型紙摺りで、それ以外の文様は手描きのように思えますが
同時代の品としては薄手に成形されており、上手の品として作られた可能性もあるでしょうか。


落款は江戸後期を代表する「乾」、落款だけを見て判断することは出来ませんが
土の感じや成形、そして絵付けといった点を総合的に見ると、素人判断ではあるものの
「江戸後期の変った古伊万里」と思っています。

皆様はどう思われますか?。