龍の声

龍の声は、天の声

「歴史の痛みを自己の痛みとす」

2015-04-06 08:52:21 | 日本

菅家一比古さんから「言霊の華」第三一八号が届いた。
以下、要約し記す。



八才になる息子が歴史に嵌(はま)っている。「坂の上の雲」がBSで再放送されており、録画したものを何度も見ている。残酷な戦闘シーンなどあまり見せたくはないのだが、いずれ「歴史の痛み」が判るときが来るであろうと見守っている。

戦場に散っていった兵士たちの悲惨な姿と共に、それを指揮遂行し、試練の真只中に立たされたリーダーたち、為政者たちの苦悩はいかばかりか。乃木希典大将の第三軍は旅順攻略に手間取り、負傷者四万人と一万五千人の将兵を死なせてしまった。それどころではなく、ご子息二人も戦死した。

もうこのとき乃木将軍は現世に対し、または「生」に対し一切の執着を無くしたと言ってもよい。明治天皇が崩御されたあと、静子夫人と共に自刃し殉死された。当時衝撃的事件だったが、その覚悟と諦念(ていねん)は日露戦争時に既に決定していたのである。

「歴史の痛み」を知らないで戦争を批判する人は多勢いる。その人々はただ戦争の悲惨さだけを取り上げ過去を断罪する。歴史とはそんな単純なものではない。いまNHKで「花燃ゆ」が放映されている。松下村塾の塾生三十数名が日本史の記録に残っているが、その半数が非業の死を遂げている。

久坂玄瑞も入江九一も吉田稔麿も高杉晋作も前原一誠(萩の乱)も、多くの優秀で有望な人財が死んで逝った。死屍累々の上に日本が存在し今日がある。多くの犠牲の上に成り立って来た日本。

私は「歴史の痛み」を自己の痛みにして、先人たちにただただ感謝と申し訳なさで涙に暮れる。歴史の痛み、悲しみを己の痛み悲しみにしてこそ、美しい日本の再建をハッキリと意識でき、平和を論ずることができるのである。










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