龍の声

龍の声は、天の声

自立ある国創りにむけて

2010-11-29 10:19:20 | 日本
自立ある国創りにむけて


戦後六十五年が過ぎたわが国は、今まさに戦後の呪縛から解き放たれようとしています。世の中は、今までのイデオロギー的対立軸から「自立ある国創り!」にむけ、新たな方向をめざし、急激に大きく動きだしつつあります。変化に対応できるものが生き残る!これが自然界の法則であります。わが国の再生への動きもまた、頭で考えてみても計算してみても、なかなかわかるものではありません。それは感じるものであり、感じて行動を起こすときに、自己の生命と日本国の生命とが一体となり、天地正大の気の発露として形に顕われてくるのだと思われます。
さて、箱根駅伝には往復路があります。戦後の日本が走ってきた道が往路であるとするならば、只今は復路を走るための調整期間とも言えます。まもなく潮の流れが変わり、復路の走者が出発します。そこで重要なことは、往路を走ってきた走者がそのまま復路を走るのではない!と言うことです。復路の走者は、既に現れているはずです。明治維新後の走者は一体誰だったか? 吉田松蔭でも坂本龍馬でも高杉晋作でもなかった。そのほとんどの者が、今までの世の中では夢にも思えなかった下層階級の出身者たちでありました。初代内閣総理大臣・伊藤博文しかり、近代軍隊の創設者・大村益次郎しかり、各界各層の重大な役割を担っていったのが下層階級の出身者たちでありました。すなわち往路の延長線上に復路の世界を描いても、そこからは何も見えてこない。重要なことは、往路の走者から復路の走者へ襷(たすき)を託す「志の継承」と「価値観の転換」が必要だと言うことです。
ではこれからの日本がめざすべき国家の理想像とは一体何なのか?その答えは、外に求めるのではなく内に求めることにより明らかとなります。内に求めるとは、即ちわが国の建国の理想が一体何を示しているのかであります。日本への回帰!これが維新であり、貴重な伝統文化であります。わが国は、常にそのようにして幾多の国難を乗り越えてきました。日本人の真の力の源泉は、やはり長い歴史の蓄積の中にあります。今こそ国家の理想がどこにあるのかを深く学び、現代にわかりやすい言葉に置き換え、一人一人が自らの心の中に、その設計図を持ち、自らにあった形で具体的に指し示していく必要があります。これからは夢を語る運動、日本人の一人一人のこころに自立という灯火を灯してあるく運動を創っていくことが大切だと言えます。物質的豊かさを上回る新しき国家像を、誰もが誇りを持って胸を張り生きていく道を、私たち一人一人が創造していく動きこそが、その総体として自立ある国を創っていくことになるのだと思われます。 
そのためには各分野に存する志ある青年の大結集が必要です。そして往路の走者であった諸先輩は、そうした若者を全力で支えていくことが何よりも大切なことであります。