Runrun日記

最近読んだ本ークレオパトラ

ラムセス二世の時代から1000年、エジプトも国力を弱め、アッシリアやペルシャ支配の時代を経て、ギリシャのアレキサンダー大王の重臣・プトレマイオス一世がつくった王朝の時代になっていました。BC55年、プトレマイオス十二世の第三王女クレオパトラ7世が14歳の時から、この物語は始まります。

宮尾登美子 著作 「クレオパトラ(上/下)」 新潮文庫

プトレマイオス王朝も、この時期、身内による権力闘争を繰り返していました。
プトレマイオス十二世の第二王女ベレニケは、父王と対立し、父王はローマに亡命していました。ベレニケは、姉の第一王女を毒殺。それを予見したクレオパトラはテーベに逃れ難を避けます。そして、父王はローマの副官アントニーの力を借りて戦い、ベレニケを破り処刑します。父王が復帰するも、政権は、宰相らに、握られています。
やがて父王は病死。父王の遺言により、クレオパトラは、弟の第一王子プトレマイオス十三世と形式的な結婚をし、共同統治者となります。しかし、宰相ら三悪人は、邪魔になるクレオパトラを除こうとします。クレオパトラはシリアに逃れ、傭兵を募り戦おうとしますが、そこでシーザー登場。

クレオパトラは、王宮に復帰しますが、シーザーの妾になってしまいます。クレオパトラは弱いのだよね。彼女を助ける知恵と勇気のある仲間がいなかったの? シーザーは、クレオパトラの美貌の虜。シーザーは、ローマに妻がいるし、クレオパトラもプトレマイオス十三世の王妃の立場だし、不倫じゃないか
シーザーの力を借りて、クレオパトラに敵対するエジプト内の勢力は排除されていきます。自分の弟や妹を倒し殺していくのだ(悲)

この小説、読み進んで行くと、腹が立ってきます!

ローマは共和制から帝国制に変わって行く少し前? こちらも権力闘争で内輪もめをしています。シーザーは暗殺されてしまいます。シーザー死後のローマは、オクタヴィアヌスとアントニーが覇権を争います。

クレオパトラは、アントニーと結びます。アントニーって、好色で酒飲みのオタンコナスじゃないのかい? シーザーに弄ばれて涙したクレオパトラは、アントニーにも弄ばれる。アントニーと結婚するが、アントニーは重婚なんだ!
東方に勢力を伸ばそうとしたりして、オクタヴィアヌスと険悪になります。そして戦争!!!

クレオパトラとアントニーの連合軍は、オクタヴィアヌスのローマ軍に敗れてしまいます。アントニーは自殺。そしてクレオパトラも、アスプに身体を噛ませて自殺する。・・おなじみの物語・・・・!

クレオパトラの、恋と愛の物語? 
シーザーとアントニーに翻弄されるが、次第に不甲斐ないアントニーを自らコントロールするようになっていく。
変な口出しが、オクタヴィアヌスとの戦いに負けた原因じゃないのかい?

さすが、宮尾登美子さんの小説、女性の弱さ、強さ、心の可笑しさが描かれている?
負けた側の家族が、すべて殺されてしまう。この時代の戦争が哀れ。
人は、生まれた境遇、時代に押し流されて生きていくしか無い!

この小説のお気に入り度:★★★☆☆

ランキングに参加中、クリックして応援願います。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

最近の「本と雑誌」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事