大化改新から壬申の乱の直前までの物語。
中大兄皇子(天智天皇)にまつわる事柄を、七人の人々の立場からみて描かれている。この時期を書いた小説を読むのは初めてだったので、日本の歴史はこんなのだったのかと、感心してしまった。
中大兄皇子と中臣鎌足は、蘇我入鹿をだまし討ちで斃してしまう。中大兄皇子にたてられて王位につく孝徳天皇だが、難波の地に見捨てられるようなかたちで亡くなる。孝徳天皇の子、有間皇子もだまし討ちのようなかたちで討ちとらてしまう。
皇族・貴族たちの政権争い、そして中央集権・律令制度が成り立ってきたのだろう。
作者は、あとがきで”私は、天智帝という人はあまり好きではありません”と書いている。たしかにこの小説を読んでいくと、天智帝とかその母親の斉明帝が、なんだか嫌いになる!大海人皇子の恋妻・額田女王が、なんとなく好きになる。
いま、テレビで朝鮮の歴史ドラマをみる事が出来るが、この時代の日本と朝鮮の係わりがリンクして面白い。新羅の春秋王子は、やっぱりこんな人だったのだ。
壬申の乱を起こす大海人皇子(天武天皇)に、なんとなく好感をもった。
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