井上靖 著 「額田女王(ぬかたのおおきみ)」 新潮文庫 中大兄皇子と大海人皇子の愛に翻弄される、額田女王。 大化改新から壬申の乱への時代を、額田女王の立場から見て書いてある。杉本苑子著の「天智帝をめぐる七人」を最近読んだので、歴史的な出来事は判っていたが、作者の見方が変わると、これまた面白い。「天智帝をめぐる七人」を読むと、中大兄皇子は政権奪取の為には手段を選ばない悪い人のような気がしてくるが、「額田女王」では、よりよい政治を行うにはやむおえなかった事。 遣唐使や、朝鮮半島の事件が興味深い。大海人皇子(天武天皇)の方が、私には好ましくおもえる。 この時代の歴史は面白い。 私のお気に入り度:★★★★☆