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映画評と映画与太話

英国ロイヤル・バレエ「シルヴィア」

2008-07-07 | 舞台
英国ロイヤル・バレエの「シルヴィア」を見てきた。(2008年7月5日 東京文化会館)
なんか、プリンシパルに怪我人続出やらなにやらでキャストが大幅変更。ま、rukkiaはキャスト狙いじゃなかったから別にいいけど、狙ってた人はがっかりしただろうな。

今回の「シルヴィア」はフレデリック・アシュトン振付(元は1800年代の古典バレエ)、初めて見る演目だが、例によってお話はしょーもないものである。
羊飼いの青年アミンタ(デヴィッド・マッカテリ)はニンフのシルヴィア(ローレン・カスバートソン)に惚れちゃうが、狩りと純潔の女神ディアナに仕えるシルヴィアは言い寄るなんてもってのほかと怒って彼を射殺してしまう。
愛の神エロス(ジョシュア・トゥイファ)はシルヴィアを返り討ちにする。が、その矢の魔力(?)でシルヴィアはだんだんアミンタを焦がれるようになる…。
同じようにシルヴィアに惚れちゃった狩人オリオン(ギャリー・エイヴィス)は実力行使にでる。シルヴィアをさらって、金品でそそろうとするが、彼女は全く靡かず。逆にシルヴィアに酒を飲まされすぎてへべれけになって逃げられる。

一方、アミンタはエロスによって生き返る。そしてさらわれたというシルヴィアを追って…。
アミンタを殺しちゃって後悔しまくるシルヴィア、エロスに祈ると、生き返った姿を垣間見せられ、嬉々としてアミンタの元へ。
ディアナの神殿前で再びあいまみえる二人、大喜び。

あの、その女、あんたを殺した下手人なんですが(^^;

ま、そんな話です。

で、ヒロインのシルヴィアを演じるのはまだソリストのローレン・カスバートソン。ソリストといってもプリンシパルへの昇進が確定しているそうだ。
さすがロイヤルで主役をとるだけあって、ジャンプや回転の迫力はバツグン。一瞬バランスを崩したかというところもあったが、何食わぬ顔。気に入るまではいかなかったが、特に不満なし。

アミンタのデヴィッド・マッカテリは…、ええと、彼が悪いわけじゃないと思うのだが、恋する若者はキモイです。
もともと古典バレエの王子ってそんなもんだが(^^;
まあ、エロスの矢で呪い(?)でもかけられなかったら普通、惚れないだろうなぁ、あんなナヨ男には。> 容姿は問題ないのだが…

何気に妙ちきりんだったのがエロス。最初は石像のふり(?)、アミンタを生き返らせるところではマントをかぶって奇妙なステップ、シルヴィアのお願いを聞くところでは天使の羽根付。
彼はこのお話を影で糸引きまくる役なわけだが…、どういうキャラなのかちょっと理解に苦しむ。ま、おもしろいからいいんだけど。

そして何気に見せ場なのが悪役オリオン。ギャリー・エイヴィスという人はキャラクター・ダンサーだそうだが、いかにも過ぎるわかりやすい悪辣振り。さらにカーテンコールでは主役を奪う勢い(^^;
あー、アミンタよりオリオンのが全然かっこいいと思うんだけどなぁ。 > 性格は悪いけど…

もちろんアシュトン作品なので音楽と踊りの調和はばっちり。英国ロイヤルなので衣装のセンスもグー。
そんなこんなで、いろいろ邪に楽しめた演目でした。
欲を言えば、ディアナに撃たれちゃうオリオンの今わの際をもうちょっと派手に… > それこそ主役そっちのけ(^^;