いとゆうの読書日記

本の感想を中心に、日々の雑感、その他をつづります。

逆検定中国歴史教科書 井沢元彦・金文学著

2008年04月04日 | その他
 題名にちょっと過激なイメージを感じて読んでみました。すべて本当なら確かに中国とは自信過剰な強かな国だなと思いますが、もう半世紀も生きてきた私はあまり驚きませんでした。何度か中国へ行って中国の人々と話をして、歴史観について日本人との意識のずれはある程度感じていましたから。だからと言って個人的に付き合うのにほとんど障害は感じませんでしたが・・・。
 歴史観のずれに関しては他の国でも同じなのですが、中国は大きな国です。日本ばかりでなく世界への影響力もまだまだ大きくなりつつあります。この本で紹介されているのはあくまで日本に関することが中心ですが、10億を超える人々が共産党の創作による歴史感に洗脳されて行くのかと考えると何だか不気味です。

 戦前はしっかり日本も軍国主義の洗脳教育を行って皇国少年少女を作っていました。以前にこのブログの記事に書きましたが、城山三郎氏も土井たか子氏もそのことを言っています。戦後はそれを180度転換したわけですが・・・。最近になってアメリカの言うなりになっていたとかなんとかいろいろ言われるようになってきました。

 ところで、現在の日本の中高生の歴史の教科書は大丈夫なのでしょうか。センター試験に代表される丸暗記向きの高校の歴史教科書はおかしくないのでしょうか。
 まあ、そんなこと言ったら現場の先生や教科書を作る人々から大目玉を食らいそうですが・・。

 肝心の教科書が間違っていても純真無垢の子供たちはたちまち洗脳されてしまいます。特に社会科は暗記科目という根強い思い込みが現場の先生や子供たちの間に浸透しています。私たちの時代からずっと我が子や甥の歴史の教科書までどう見ても国家に事実と認定された記録が並べられた事柄のダイジェスト版です。言い換えればこれは覚えるべき事柄の量の多さで考えながら学ぶ時間を作れないようにコントロールされてるのではないでしょうか。


 話を元に戻します。この本を読むと今中国で教えられている歴史はどうやら事実を捏造したり、都合の悪いことは隠したりで、日本人にとって迷惑で厄介な問題につながるような話があまりに多いことを感じます。靖国神社の問題だって然りです。中途半端な知識で他所の国のやり方を批判しないで欲しいものです。

「和を以って貴しとなす」という考え方が浸透している日本ですが、これは中国だけでなく他国に対してもなかなか難しいものです。金氏は日本人の基本は「和」、中国人の基本は「闘」と位置づけています。
 
 所詮、教科書とは国家の都合のいいように書かれるもの。どの国の人間であっても本当はそれに洗脳されずに自分の力で真偽を確かめることができるようになりたいものです。でもそれを実行できる国はまだ少ないかもしれません。
 


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