先日、アマゾンのサイトで大学紛争のころのある本を検索している時、偶然この本の案内を画面の中で見つけました。団塊の世代の人々に青春のバイブルと言われた小説です。
高校時代、この本を読み、大学の自由な雰囲気に憧れました。大学受験の勉強のエネルギーの糧にもなっていたかもしれないような1冊でした。大学に入学してからも読み返したことがあるように思いますが、もう今となっては、内容はすっかり忘れていました。でも、本の案内を見た途端、急に懐かしさがこみ上げてきて購入しました。
私が大学へ入学した時は大学紛争もすっかり下火になって、多くの大学で平穏さを取り戻していましたが、これは、当時も尚、時代の寵児のような青春小説として大きな書店には必ずあるような本でした。
小説の時代背景は昭和30年代、大学紛争が激化するより少し前です。いかにも東大の学生らしいちょっと理屈っぽい哲学的な語り口が先進的なイメージを醸し出していました。・・・・・と今回読み返すまでずっとそう思っていました。
長い歳月を経て再び読み返すと、「えっ?こんなのだったの?」という感じで、ちょっとびっくり!かなり古典的にさえ思えました。
今読んでも主人公の大橋やその友人や先輩たちの話や手紙はかなり理屈っぽくて難解です。「なんか若いなあ!もっとすっきり考えたら?」とでもいいたくなるような・・・。
恋愛や結婚も男性優位の社会基盤や考え方が小説の中の男性たちの発言にところどころ感じられて今となっては「ああ、昔はこうだったのかな・・・。」という想いが広がります。
ただ人間として生きようと模索する大橋の婚約者節子の迷い方や最後の選択については団塊の世代やそれに続く世代の女性の共感者は案外多いかもしれません。今の若い人にとっては、じれったいかもしれませんが・・・。
自分の気持ちに忠実でありたい、より純粋な心を持っていたい・・・。進学も恋愛も、仕事も結婚も、親が決めるのでななく、自分の意志で決めたいという思い・・・。今なら当たり前だと言われそうなことなのですが、私たちの青春時代は、それがやっといわゆる普通の女の子たちに定着しようとしている時代だったのです。
それで、結果はどうだったかって???
団塊の世代の人々は第二の人生を歩み始めたばかりですから、そしてそれに続く私たちも先輩たちを手本にあるいは反面教師にしながらこれからの人生を生きようとしているところですから・・。きっとまだ模索中でしょう。
話が横道にそれてしまいましたが、はっきり言って、若い時から持っていたこの本のイメージはずいぶん壊れてしまいました。今読み返すのはあまり正解ではなかった小説だったかもしれません。あと20年位経って、人生丸ごと振り返ろうとした時ならどんな気持ちになるのかな?って思いますが・・・。
高校時代、この本を読み、大学の自由な雰囲気に憧れました。大学受験の勉強のエネルギーの糧にもなっていたかもしれないような1冊でした。大学に入学してからも読み返したことがあるように思いますが、もう今となっては、内容はすっかり忘れていました。でも、本の案内を見た途端、急に懐かしさがこみ上げてきて購入しました。
私が大学へ入学した時は大学紛争もすっかり下火になって、多くの大学で平穏さを取り戻していましたが、これは、当時も尚、時代の寵児のような青春小説として大きな書店には必ずあるような本でした。
小説の時代背景は昭和30年代、大学紛争が激化するより少し前です。いかにも東大の学生らしいちょっと理屈っぽい哲学的な語り口が先進的なイメージを醸し出していました。・・・・・と今回読み返すまでずっとそう思っていました。
長い歳月を経て再び読み返すと、「えっ?こんなのだったの?」という感じで、ちょっとびっくり!かなり古典的にさえ思えました。
今読んでも主人公の大橋やその友人や先輩たちの話や手紙はかなり理屈っぽくて難解です。「なんか若いなあ!もっとすっきり考えたら?」とでもいいたくなるような・・・。
恋愛や結婚も男性優位の社会基盤や考え方が小説の中の男性たちの発言にところどころ感じられて今となっては「ああ、昔はこうだったのかな・・・。」という想いが広がります。
ただ人間として生きようと模索する大橋の婚約者節子の迷い方や最後の選択については団塊の世代やそれに続く世代の女性の共感者は案外多いかもしれません。今の若い人にとっては、じれったいかもしれませんが・・・。
自分の気持ちに忠実でありたい、より純粋な心を持っていたい・・・。進学も恋愛も、仕事も結婚も、親が決めるのでななく、自分の意志で決めたいという思い・・・。今なら当たり前だと言われそうなことなのですが、私たちの青春時代は、それがやっといわゆる普通の女の子たちに定着しようとしている時代だったのです。
それで、結果はどうだったかって???
団塊の世代の人々は第二の人生を歩み始めたばかりですから、そしてそれに続く私たちも先輩たちを手本にあるいは反面教師にしながらこれからの人生を生きようとしているところですから・・。きっとまだ模索中でしょう。
話が横道にそれてしまいましたが、はっきり言って、若い時から持っていたこの本のイメージはずいぶん壊れてしまいました。今読み返すのはあまり正解ではなかった小説だったかもしれません。あと20年位経って、人生丸ごと振り返ろうとした時ならどんな気持ちになるのかな?って思いますが・・・。