いとゆうの読書日記

本の感想を中心に、日々の雑感、その他をつづります。

1食100円「病気にならない」食事  幕内秀夫 著

2014年05月07日 | その他
緑の美しいさわやかな季節です。でも、連休後半の首都圏は季節が逆戻り、若葉寒でした。

さて、今回は幕内秀夫氏の「1日100円 病気にならない 食事」です。「粗食のすすめ」で、有名な幕内先生の本はもう10年くらい前から何冊か読んだり、料理のレシピ集として手許においたりしながら我が家の食生活の参考にさせていただいていました。夫も幕内先生の考え方には大いに賛同していて、我が家では「幕内ワールド」と言ってしばしば話題になります。

健康な人(特に胃腸が丈夫な人)は、もし毎日の食生活に問題があったとしても、少しでも調子を崩すまで、その問題に気づくことはほとんどありません。人間の体が内部から発信する何らかの苦痛は、体が異常のメッセージを送っているのだと気づいた時、初めて、どうすればよいか考えるようになるのではないでしょうか。

この本は、日本の高度成長期を経て、少しずつ変化していった日本人の食生活を振り返りながら、人間特有の「快楽の食事」に対する反省と「美食の追及」の狭間で、「現代の日本人が生きるために必要な最低限の食事とは何か」を改めて考えるためのメッセージのような気がします。


「快楽の食事」は体を疲れさせる・・・この言葉に納得できる中年以上の人は多いと思います。質素な和食こそ私たちの健康維持には大切なことなのです。

でも、実生活では、ジャンクフードを我が家からすべて追放するのは至難の業です。いわゆる精製された砂糖・塩・油脂・うま味調味料の4つの「マイルドドラッグ」は市販のスナック菓子やチョコレートにも、ケーキやジュース、缶コーヒー、乳飲料にも含まれているからです。増加する糖尿病や肥満はほとんどの場合、質の悪いジャンクフードの食べ過ぎが原因のようです。

ごはんとみそ汁と漬物と小さなおかず・・・今年4月からの消費増税を考慮しても計画的に調理をすれば確かに一人1食100円に近い食事も可能かもしれません。(米やみそや醤油などの調味料などすべてをスーパーで販売している製品の中で一番安いものを使った場合ですが・・味噌や醤油や素材の質にこだわれば当然コストが上がります。)もっとも多くの家庭の主婦の場合はまず先に家の買い置きの食品を無駄なく工夫して使いきることの方から始めればしばらくは工夫次第で100円以下でも十分できるかもしれません。質素な食事を楽しく作ることができればよいわけです。その家の経済状態にもよりますが、あとは「快楽の食事」の誘惑とどう戦うかです。

難しいことはほとんど書かれていません。21世紀初頭の日本のスーパーやコンビニを利用することが可能な土地に暮らす人なら誰もが、工夫次第で実に経済的で健康的な食事が出来るということです。

遺伝的には糖尿病の因子をもっているかもしれない私ですが、今のところはまだ肥満や糖尿病とは縁はなさそうです。調味料など料理の素材にもう少しこだわれば見かけは質素でも1食あたりのコストは上がります。基本的にはマイルドドラッグを避けた材料で、幕内ワールドの食事を参考にしながら料理をしています。でも1か月に1~2回は、ちょっとぜいたくな肉料理も作り、ケーキも食べ、外食もする、スーパーやデパ地下のお惣菜も買うという快楽の食事も完全に断ち切るのではなく・・・時にはちょっとだけ・・・つまりストレスは溜めない健康的な食生活を目指すことが今の私にとっては理想のような気がします。

これは同世代よりむしろ若い人たちに是非薦めたい本だと思いました。


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