庭の雪もかなり融けて、黒土が姿を現し始めました。
嬉しい瞬間です。
冷たい雪の中から、ピンク色の花の蕾が顔を出し、バラの枝にも赤い芽が生きている証をアピールしています。
庭に立つと、例年になく厳しかった冬を乗り越えた庭の命たちが芽吹く音が聞こえてきそうです。
今朝は、なごり雪なのか、はらはらと雪が舞っています。
昨年の今日もこんななごり雪が降っていたでしょうか? 思い出せません。
大きな揺れと突然の停電。
ロイと過ごしたあの夜のとてつもない恐怖と不安・・
自分を落ち着かせてくれた、あの日のロイのぬくもりだけが今でもはっきり思い出せます。
地震の被災地からは離れてはいるけれど・・・
自身に起きたとてつもない悲しみと寂しさが癒えぬ間もなく、2カ月後に襲ってきた大震災。
あの日から、「被災地の方がもっと大変なんだ」と自分に言い聞かせては自身の悲しみと寂しさを押し殺して過ごした日々。
ロイにだけ見せてきた本当の自分。苦しかった心の内。
ロイが傍にいてくれて救われた自分。
ある日突然に起きてしまったどうすることもできない現実に、心を取り乱し、枯れるほど涙を流しそれでも涙は止まらず、現実逃避して過ごしてきたこの一年が過ぎて行こうとしています。
光さえも遮りあんなにガチガチに冷え込んでしまった心に、今はやっと光が素直に浸透してきます。
芽吹きの春さえも寂しく泣いてばかりいた一年前とは確かにちがう春を迎えようとしています。
後戻りすることはあるけれど、前に行こうとする気持ちに力が入るようになりました。
大切な大切な家族を亡くした悲しみが癒える日は来ないかもしれないし、まだまだ遠いかもしれないけど・・・
でも、生きていかなければいけない!!
あの日の前のように、心から笑える日がきっと来てくれると信じて。