robihei日記(将棋とか、GOLFとか、徒然に)

将棋ファン暦30余年、10年程前のNスペ「対決」を観て将棋ファン熱が更に高じ、以来ずっと棋界ウォッチャーに

奨励会三段リーグ最終日:地獄の門が開く日

2006-09-09 18:54:25 | 将棋な私
robiheiの将棋コメントでも過去何度か触れたことがあるかと思いますが、今日は年に二度(期間半年のリーグ戦サイクル)の三段リーグ最終日でした。

半年にわたって奨励会の三段棋士30名前後が全18局のリーグ戦を行い、勝ち星(同星の場合は前期順位)による上位2名の枠入りを目指すというもの。

題にややワザとらしく書きましたが、将棋界は囲碁界と違って、四段からプロ=将棋を指して対局料がもらえる立場、当然タイトル戦に登場してタイトル棋士になることも可能、一方で6級から三段までは「修行中の身」ということで「新進棋士奨励会」という修行の場に属する棋士の卵なのです。

統計的に言われているのが、天才将棋少年と近郷近在で呼ばれた子供たちが集まる奨励会入会者の中で、最終的に棋士になれるのが2割程度(年間4名ペースに対して、奨励会入会者が20名程度で計算)と言われる。robiheiが過去10数年見ている範囲で、三段リーグに属した人間で最終的に四段になれるのが約半分弱という感じである。

比喩を重ねれば「(地獄/天国を隔てる)板子一枚を突き破るための戦い」であり、繰返し行われる三段リーグに出場し続ける棋士の卵たちは、いつ果てるともわからないその繰返しに向き合って、しかも勝ち抜かなければ棋士になれない。

なので今日はその地獄の三段リーグの出口の門が開く年二日のうちの一日であった。しかも嘗て無いほどのハイレベルの戦いで、結果はこの通りとなった。

将棋連盟HPにある昇段規定の「初段~三段までの昇段点は、8連勝、12勝4敗、14勝5敗・・・」とあるハードルよりも高い14勝4敗という成績を挙げながら、四段昇段はおろか2回取ると裏昇段(フリークラス四段となれる)のルールがある「次点」すら取れない厳しさ。以前のリーグでは混戦の中11-7で昇段できた果報者がいるというのに・・・

結果的に昇段者は戸辺誠、佐藤天彦の2名。

戸辺くん、「酷評三羽烏」と言われる渡邉-村山-戸辺ラインの末弟。人気者のキャラクターでもあり、将棋世界などで名前が挙がることもしばしば。

佐藤くん、なんと以前の34/35期三段リーグで連続次点=裏昇段の権利を獲得したにも関わらずそれを放棄した漢(おとこ)。その心は今日この日の来るのを信じていたから。
普通の人間なら、いや普通でない奨励会三段の人間だからこそ、「まずフリークラス四段となって、好成績で順位戦編入を目指す」という選択肢が当然の(それも十分立派な)結論であると考えるところで、愚直に正規昇段(上位2名での昇段)を目指し、2年4期を経て今39期めでたく昇段。その間に瀬川アマのプロ編入試験官を勤める(プロサイド2勝のうちの1名)など、業界内の評判も既に圧倒的に高い。

2人とも、おめでとー\(^o^)/~~~ 共に棋界の最大メディアともいうべき「渡邉竜王ブログ」のレギュラーメンバーということもあり、「よく知っている人の昇段」みたいな気分でとてもうれしい。

早く天彦くんの登場するタイトル戦が見たい。相手が羽生善治でも天彦を応援します。