一僧侶の日常の思いを語る
沙門の法話
福ネコ
高校時代にパニック障害をわずらい、それで自殺願望と拒食症、不眠症。もう人生終わったと思いました。
何故なら17歳の私にはそれを治す方法もしらなければ逃げる場所もない。どこにいても苦しいだけの日々だったからです。
最初は調子が悪いくらいでなんとかなると思っていました。しかしそれがだんだんとなんとかなるどころかもう手遅れではないかという恐怖感になり、相談する人もいないし突然にこの世からいなくなるということしか考えられませんでした。
藁をもつかむ思いで飛び込んだところが私をのちに導いてくれる方がいた占い喫茶でした。
会った瞬間に涙があふれてきました。意味がわかりません。大丈夫と声をかけられただけなのにもう感情があふれだして。
すごく温かいと感じました。なんだかようやく自分を救うことができる人に出会えたと。
それでこの前のネコ。とにかく私の顔を見て泣くのです。その泣く姿にどうしても見捨てることができなくて。
先生も同じだったのか。子供のように涙をながす私をどうしても放っておけなかったのだと思います。
その後の私の成長ぶりは目覚ましかったです。あっという間にお経を暗記して仏教系の大学に進学。僧侶にまでなり先生のように人を導く立場になりました。
あのネコは今は自分の居場所をみつけてだいぶ我がままになってきたと同僚が言っています。
多分福ネコだと嫁はいうのですが私もどこか普通のネコとは違うように思えました。
先生も私を助けて福を授かったのか、勝手に思いめぐらして懐かしんでいます。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )