2020@TOKYO

音楽、文学、映画、演劇、絵画、写真…、さまざまなアートシーンを駆けめぐるブログ。

20世紀を語る音楽

2010-12-14 | ■芸術(音楽、美術、映画、演劇)
  ぜったいに有るはずがないと思いながら、昨日たまプラーザの有隣堂に行ったら、その本が棚に並んでいた!1,2巻あわせて8千円はちょっと高いと思いつつ、迷わず買ってしまった。

  その本の書評が朝日新聞に載ったのは一昨日の日曜日、タイトルは「時代の熱と鼓動伝える壮大な物語」である。書評の書き出しはこんな感じだ。

  『いわゆる西洋クラシック音楽の世界で「現代音楽」というと、調性から脱した新ウィーン楽派以降の音楽をなんとなくそう呼んできたわけだが、しかし、それは百年も前の話なのであって、いくらなんでも「現代」ではないだろう。一方で新ウィーン楽派と同時代ないしそれ以降も調性のある音楽は書かれ続け、では、それらは「現代音楽」ではないのかといわれると、違うともいいにくい。こうした曖昧(あいまい)さの原因は、二十世紀音楽の概念が全く明確でなかったからである。その意味で、西欧の二十世紀音楽の姿を、トータルな形で、明瞭な輪郭とともに描き出した本書は、まずは画期的といってよいだろう。』

  この本のタイトルは「20世紀を語る音楽」、著者はアレックス・ロスでみすず書房から出版されている。まだ読み始めたばかりなのだが、上下2巻に分けられた大部の書き出しはじつにかっこいい。書評子の言葉を借りると、それはこんな風である。

  『大量の資料を駆使して編まれた「物語」――一九〇六年五月一六日、リヒャルト・シュトラウスの指揮する《サロメ》を聴くべく、マーラー夫妻、ベルクら六人の弟子を引き連れたシェーンベルク、アドルフ・ヒトラー、そしてトーマス・マンの小説『ファウスト博士』の主人公、アードリアン・レーヴァーキューンといった人々が、グラーツの街で一堂に会する場面からはじまる壮大な「物語」は、二十世紀という時代の熱と鼓動をいきいきと伝えて魅力的だ。』

 

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