1980年代の日本映画を語る上で、一際異彩を放っているのが、
1983年という年です。この年はカンヌ映画祭で、タルコフスキーの「ノスタルジア」や
ゴダールの「カラビニエ」、アンゲロプロスの「旅芸人の記録」などの伝説的巨匠たちの名作を抑えて
大島渚の「戦場のメリークリスマス」と今村昌平の「楢山節考」がデットヒートを演じて
結局「楢山節考」がグランプリを得たという奇跡的な年でした。
しかし、私は今でも声を大にして言いたいです!「戦メリの方がグランプリにふさわしい映画だ!」と。
この映画は「絞死刑」などで世界に知られ、「愛のコリーダ」で世界を震撼させ、「愛の亡霊」で
カンヌの監督賞を得た大島渚が満を持して放った傑作でした。日本映画には珍しくデビット・ボーイや
イギリスの性格俳優トム・コンティが出演し、そこにビートたけし・坂本龍一・内田裕也などが絡んだ
豪華な役者陣が出演したことや、坂本龍一の伝説的な映画音楽が有名ですが、私が推したいのは、
デビッド・ボーイが死に直面した独房で、自分の子供時代の話を回想するのですが、そのシーンの美しさです。
彼は歌がうまいが、せむしのおとうとがいて、彼を愛し守っていたのだが、寄宿舎の高校の通過儀礼で
服を脱がされるという新人歓迎会があり、そのときにせむしなので激しく抵抗した弟を助けなかったという負い目があるという
シーンが出てくるのです。そのエピソードは暗いものなのですが、魔法のように美しく撮影されているために、
かえって妖しい光を放つ不思議なシーンでした。
こんな才能が結局カンヌのグランプリに届かなかったのは惜しくてしかたありません。
1983年 監督 大島渚 主演 デビッド・ボウイ 坂本龍一 ビートたけし トム・コンティ
撮影 成島東一郎 音楽 坂本龍一
1983年という年です。この年はカンヌ映画祭で、タルコフスキーの「ノスタルジア」や
ゴダールの「カラビニエ」、アンゲロプロスの「旅芸人の記録」などの伝説的巨匠たちの名作を抑えて
大島渚の「戦場のメリークリスマス」と今村昌平の「楢山節考」がデットヒートを演じて
結局「楢山節考」がグランプリを得たという奇跡的な年でした。
しかし、私は今でも声を大にして言いたいです!「戦メリの方がグランプリにふさわしい映画だ!」と。
この映画は「絞死刑」などで世界に知られ、「愛のコリーダ」で世界を震撼させ、「愛の亡霊」で
カンヌの監督賞を得た大島渚が満を持して放った傑作でした。日本映画には珍しくデビット・ボーイや
イギリスの性格俳優トム・コンティが出演し、そこにビートたけし・坂本龍一・内田裕也などが絡んだ
豪華な役者陣が出演したことや、坂本龍一の伝説的な映画音楽が有名ですが、私が推したいのは、
デビッド・ボーイが死に直面した独房で、自分の子供時代の話を回想するのですが、そのシーンの美しさです。
彼は歌がうまいが、せむしのおとうとがいて、彼を愛し守っていたのだが、寄宿舎の高校の通過儀礼で
服を脱がされるという新人歓迎会があり、そのときにせむしなので激しく抵抗した弟を助けなかったという負い目があるという
シーンが出てくるのです。そのエピソードは暗いものなのですが、魔法のように美しく撮影されているために、
かえって妖しい光を放つ不思議なシーンでした。
こんな才能が結局カンヌのグランプリに届かなかったのは惜しくてしかたありません。
1983年 監督 大島渚 主演 デビッド・ボウイ 坂本龍一 ビートたけし トム・コンティ
撮影 成島東一郎 音楽 坂本龍一