林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

グーグル日本語入力

2010年09月30日 | Weblog
ATOK がうまくいかなくなり、仕方ないので緊急的にその他の日本語入力も試してみている。Baiduというのもやってみた。必ずしも悪くはないような気もしたが、中国人に日本語のソフトができるわけないという気もするので、これをメインの変換ソフトにする事はしない。日本人の精神構造が中国人によって形成されるとしたら、非常に気持ちが悪い気はないか。日本は中国の植民地ではありえないのだ。

マイクロソフトのIMEというのも、常識的な選択だ。しかし、これもどうやら最近は中国人が作っているらしい。そして、変換がかなりひどくなっているというブログ記事も見付かる。

そういうわけで、グーグルの日本語入力ソフトを使ってみている。ある人の報告によれば、よく使いこまれたATOKよりも落ちるが、マイクロソフトのIME よりは良いらしい。もちろんこれは無料である。

なお、ATOK 2010のお試しソフトを試してみたが、残念ながらうまくいか無かった。パソコンに何か問題があるのだろう。

ただし、今回のブログはAmiVoiceの直接入力に頼っている。グーグルの日本語入力ソフトはほとんど使っていない。

パソコンそれ自体を何とかしないと、ちょっと困った事になりそうである。

ATOK ダウン

2010年09月30日 | Weblog


WindowsXP のパソコンに新しいアンチウイルスソフトを入れたら、それが原因かどうか判らないが、 ATOK 15が使えなくなってしまった。とは言っても、登録した単語などは他のパソコンに入っていたり、インターネット上に登録されているはずなので安心していたのだが、それもうまくインプットできなくなっている。新しい ATOK 2010を購入しようかとも思ったが、電話で問い合わせてみるとうまくいく保証はないという。

このブログを書くことは出来るのは、実は AmiVoice のおかげである。 AmiVoice には数は多くないが登録単語が入っているからである。とは言っても、簡単な記入作業は基本的にはキーボードと ATOK に通っているわけだから、ちょっと困ってしまった。

日本の国勢調査がNYTにCMを出している

2010年09月30日 | 教養英語
New York Timesの教育関係の記事をプリントアウトするためにPCで開いてみた。すると驚いたことに、2010年の10月1日に実施される日本の国勢調査のCMがあるではないか。もちろん英語で書かれている。

クリックすると、日本でもおなじみのCM写真がでてくる。ただし英語の表記である。



NYTを読む在日外国人宛のメッセージなのだろう。おそらく韓国語や中国語の新聞にも掲載されているのだろう。時代が変わったのだなあ、ちょっと驚いた。

hot cakeと和製英語

2010年09月29日 | 英語学習
以前紹介した『英語長文難関攻略30戦』だが、ちょっと奇妙な言葉の問題に出くわした。

「和製英語について」(同志社高校)というもので、Sue(アメリカ人?)が日本人の和製英語に文句を言っているところである。

Imagine that you go into an American restaurant and ask for a "hot cake" or a "mix sandwich". What happens? All you'll get is a blank stare. A car doesn't have a handle, it has a steering wheel. And in sports, what is a "nighter"? In English it's a night game---why can't we just call it that?

しかし、ここに出されている和製英語がすべて全然通じないものだろうか。私は不思議に思った。

たしかに"ミックスサンド”では通じないだろう。「ストロングコーヒーください」とコーヒー屋に注文しても通じないのと同様である。そのお店によって、「ミックスサンド」や「ストロング珈琲」の中身が異なってくるからだ。あるいは、そもそもメニューに載っていないかもしれない。だが、"mix sandwich"でアメリカで全くの意味不明ということはないはずだ。なにしろsandwichと言っているのだから。

もっと不思議に思ったのは、"hot cake"である。これが全くの和製英語なのだろうか? そこで辞書で調べてみることにした。まずはもちろん最近いつもお世話になっているAmerican Heritageである。



おもしろいことに、ちゃんとhotcakeが載っていた! もっともpancakeという表現の方がより普通なのかもしれないが。

Americanを出したならば、今度はイギリスのOxford Dictionary of English  である。(もちろん、これもipod touchにインストールしたソフトをつかっている)。残念ながら、hotcake は載っていない。仕方ないので、外部レフェレンスを活用してみると、Wikipedia英語版に載っていることが判明した。見出しはpancakeだが、hotcakeとも言うのだそうだ。北アメリカの表現のようだ。



では、hotcakeが和製英語であるという説はないのか?と調べたら、ありました。和製英語辞典のようなものがネットにあったのです。

ホットケーキ -hot cake-
正しい英語は…pancake,griddle cake,flapjack

解説:
日本人の言う「ホットケーキ」は
英語では普通pancake,griddle cake,flapjackと言います。
焼きたてを温かいうちに食べるので,
hot cake とは絶対に言わないこともないが,通じがよくありません。


とのことです。なるほど、と言う感じですね。他にも解釈がありました。読売新聞の発言小町によると、アメリカでも地方によって呼び名が変わる、あるいは、アメリカ南部ではhot cakeと呼ぶのだそうです。

あと考えられるのは、日本人の英語が逆輸入されたのではないのか、ということです。しかしいずれにせよ、高校の入試問題に和製英語の典型例としてhotcakeを出すのはちょっとまずかったかもしれないですね。

なお和製英語が逆輸入の例としては2010年9月17日放送の大杉正明のCross-Cultural Seminar「海外のマンガ通の間で」でとりあげられたものですが、cosplay(コスプレ)あとanime(アニメ)がそうだそうです。まだcosplayはAmerican Heritageには載っていませんが、animeは載っています。

学歴ロンダリング(その2)

2010年09月27日 | 受験
前回は、いわゆる底辺校からでも大学へ進めば、学歴ロンダリングできるぞという話をちょっと書いた。だが、こういう書き方だけはちょっと皮相すぎる。ぜひとも、付け加えておきたいことがある。

学歴ロンダリング以前に大事なことは、高校を卒業することだからである。やはり高校は卒業してもらいたいではないか。となると、高校選びが大事だ。というのは、退学率が高い高校と、そうではない高校とでは大いに差があるからである。

名前は敢えて挙げる必要もないだろうが、県立の底辺校の普通科はかなりの退学率である。もう統廃合されてしまったが、ある学校では高校3年生の人数は高校1年の3分の1くらいしかいなかったりしたのである。3分の2が退学するのかどうかわからないが、それでも半分以上は退学するのは確かなのだろう。ところが、偏差値や内申基準が低くても、一部の職業科は事情が全く異なる。たとえば、毎年優秀者が新聞で発表されている、県立中央農業高校などは退学者はほとんどいないようだ。

実は私立高校も退学率が低い高校が多い。成績の悪い子が通う私立というと、県立に受からなかったんだ、というイメージがある。だが、たとえば立花高校などは、退学者が非常に少ないのに気づく。実は前述のMくんは、この高校に進学したのだ。彼は最初は学校についてちょっと文句も言っていたのだが、最終的にはかなり満足のいく高校生活を送ったようである。私は内部事情に通じているわけではないが、なにかがはっきりと違うようだ。まんざら多額の授業料をもらっているだけではなく、良い意味での経営努力をしているようなのである。もちろん、Mくんは無事に3年間で卒業して、今は大学生となっている。

もし金銭的に余裕があるのであるのであれば、退学率の低い私立高校に行かせることを、親御さんには検討していただきたい。

学歴ロンダリング? 実はトンでもない話じゃないか。

2010年09月26日 | 受験
学歴ロンダリングという言葉がある。マネーロンダリング(資金洗浄)という言葉に由来して作られたもので、芳しくない学歴を大学院入学などの学歴でわからなくさせてしまう意味のようだ。○○商業高校卒業とすべきところを、米国◎◎大学卒業とかコロンビア大学で勉学といった具合に表示してしまうのである。

さて、学歴ロンダリングというのは、通常は大学院や留学などの手法がもちいられるのであろう。しかし、もっと身近な現実である。たとえば、県内でちょっと格好悪い高校を卒業するのであれば、大学へ入学してしまえばよいのである

たとえばM君は、中学時代あまりにも成績が悪かった。そこで人には知られたくないかもしれないような、小田急線沿線の某仏教系の高校に入学した。高校ではとくに勉強するわけでもなく、ふつーうにバイト生活に明け暮れていたのであるが、大学には推薦で入学することができたのである。いわゆる有名大学ではないが、国際ビジネスの分野で強そうな感じのする大学である。

今の時代、ちゃんと高校を卒業し、大学の学資さえ蓄えておけば、どこかの大学に入れてしまうのだ。つまり学歴ロンダリングできるというわけだ。ある意味ではすばらしいことではないか。

しかし、進学高校の生徒にとっては、これは全然すばらしくない。逆に恐ろしい現実を示唆しているのだ。 

中学時代にオール2未満でも大学に進学できてしまうというのはどういうことなのか、よく考えてもらいたい。別の視点から見れば、かつては「出来る生徒」だと公立中学では認められて県立・私立の中堅進学校に進んだ生徒が、大学では中学レベルで落ちこぼれてしまった生徒と同級生になってしまうかもしれないということではないか。

ここでは中堅進学校という言葉を使った。具体的に言えば、相模原高校、麻溝台高校、大和高校、座間高校、日大三高、桜美林高校、桐蔭高校、桐光高校あたりを念頭に置いている。これらの中堅高の生徒は、いざ大学進学となると、日大(日東駒専)・神大レベル以上に合格できるのは、半分前後ではないのだろうか。(本当は、日大以上に行けるのは20-30%ではないかと思うのだが、ここでは多めに書いておきました・・・)。中堅進学校の残りの半分前後くらいは、日大・神大未満の大学に通うことになるのだろう。つまり、ほとんど競争がなく、やや誇張して言えば、お金さえ積めば入学できる大学に通うことになるわけだ。

景気が良い時代ならば、「下手な大学に進学するくらいならば、高卒で就職するほうが学歴を汚さなくて良いよ」と、私は強く言う。底辺高の生徒にとっては大学進学は学歴ロンダリングになるかもしれないが、進学校の生徒にとってはある種の大学進学は学歴劣化になってしまうからだ。そういった大学では、中学生レベル未満の知力で、日本語の語彙が不足し漢字が読めない生徒であふれているのだ。中国語も覚束ない中国人留学生だっているだろう。

進学校に在学している生徒は、プライドをかけて勉強し、是非ともまともな大学に進学してもらいたい。

『英語長文30選』は中学生にも、大学受験生にも良い教材だ

2010年09月24日 | 英語学習
英語長文難関攻略30選―全国最難関校・英語長文厳選 (高校入試特訓シリーズ)
クリエーター情報なし
東京学参


この9月から、東京学参の『高校入試特訓シリーズ:英語長文難関攻略30選』(生470円+税金)という教材を使っています。これはたくさんの人に高い評価を受けているようですが、確かに大変面白い教材です。

まず、取り上げられている英文が様々な面白い分野にわたっているというのが特筆すべき点でしょう。興味深い話題があります。これらの話題をさらに広げ、別の英文をも読ませたくなってくるのです。(そういう意味で英語の出展の明示がないのは残念)。ただし、教師の負担は重くなってきますがね

ついで、比較的やさしいものから難しいものへと難易度別に分れているところもあり、使いやすいものになっているのも良いですね。最初はStep1やStep2だけをやっていけばよいでしょう。

もちろん、解説は非常に詳しいです。残念な点を述べば、 CD が付録していないことでしょうか。

難易度的に言えば、日大等の中堅大学の受験生にも使えるし、もちろん、超一流高校狙う生徒にもぴったり内容になっています。この問題集をしっかりこなし、さらには『河合の長文300』とか『安河内のハイパー英文2』をこなせば、超一流高校も日大も怖くないのではないのでしょうか。

ちょっと驚かされたのは、私立上位校の中学2年生も案外読めるしとけてしまうこと、しかし、日大以上の大学を狙っている高校3年生にとっては多少むつかしいということです。英語力の違いというのは、このくらい差が開いているのだと実感できてしまったのです。

小田急江ノ島線東林間駅から徒歩3分(中央林間・相模大野から一駅)

私立中高一貫校生対象英語完全個別指導塾
プログレス・バードランド・ニュートレジャー対策
大学受験・筑駒/開成受験対策

東大式個別ゼミ

ATOK PAD (新ipod touchでお勉強)

2010年09月23日 | 文房具と読書
ipodtouchおよびiphone用の仮名漢字変換のソフト(Atok Pad)が発売された。

900円だがかなり評判がよい。さっそく購入してみた。現在使用中だが、すでに多くの記事が出ている。

ATOKパッドの価格は1200円。ただし、9月26日までの5日間は、発売記念価格の900円で販売されます

http://www.asahi.com/digital/digitre/TKY201009220310.html

ATOKパッドは、ATOKが使えるメモアプリ
作成できるメモのページ数や、ひとつのメモあたりの文字数に実用上の制限はありません。入力したメモは直接、メールやSMS(ショートメッセージ)、ツイッター、データ保存サービス「Evernote(エバーノート)」などに転送できるようになっています(画像2)。

パソコン用ATOKと違い、「その機械での日本語入力すべてをATOKに置き換える」ことはできないのです。

http://ascii.jp/elem/000/000/556/556871/

「ATOK Pad for iPhone」を起動すると、OS標準の「メモ」アプリと似た画面が表示される。画面左上にある[編集]アイコンをタップするとメモの削除や並び替えが、右上の[+]アイコンをタップすると新規メモ作成が行なえる。次いで画面下部のアイコンだが、左端のアイコンをタップすると画面の縦/横方向のロックが行なえるが、iOS側で回転をロックしている場合はiOSの設定が優先される。右下の[歯車]アイコンをタップすると、画面デザインやATOKに関する設定を行なうことが可能だ。

http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1009/22/news030.html

「なぜラテン語の訳がないのですか」ーーBBC World Book Clubを聞きながら思ったこと

2010年09月22日 | 教養英語
今日は涼しい天気でした。天気予報でも、残暑はもうすぐに終わりを告げるそうです。涼しいと、散歩ができます。私は散歩するときには必ず iPod を携帯し、 Podcast を聞きます。自宅で塾をやってると、かえって最新ニュースから遠ざかってしまいますから、散歩は貴重な情報タイムです。毎日散歩出来る日々が戻ってきて、うれしく思っています。

さて、今日はニュース番組などは選ばず、お気に入りの BBC World Book Club という1時間近くある長時間番組を聞くことにしました。著名な世界的大作家たちがゲストに呼ばれ、世界中の視聴者が様々な質問をするコーナーです。『薔薇の名前』で有名なイタリアの記号学者・作家エーコの番組を選びました。エーコは現在80才近いですが、話の中には「ダヴィンチコード」も出てきますので、それ程昔に録音されたモノではないでしょう。(オリジナルの放送は2007年12月)。

さてその中で非常に興味深く思ったことがありました。それはある読者の質問なのですが、なぜエーコは『薔薇の名前』の中で、ラテン語については翻訳を併記しないのかというものです。私はまだこの作品を読んでませんが、おそらく日本語ではラテン語の邦訳があるのでしょう。しかし、少なくとも原書のイタリア語にはラテン語の文章のイタリア語訳は併記されていないようです。(ただし、あるトルコ人女性の質問からわかったのだが、この小説のトルコ語訳にはラテン語の翻訳も併記されているそうです。確かドイツ語訳にもラテン語の翻訳が載っているようですが、英語版には翻訳が掲載されていたのかどうなのか、ちょっと覚えていません)。

この質問に対するエーコの答えは、読者が頭が悪いと思い込んでいるのは出版社くらいのものであり、本当は読書家というのは難しいものがあれば逆にやりがいが出てくるのだ、というのです。

そうきたか! ラテン語なんかちょっと苦労すれば読解できて当たり前だ想定しているのか。

私は学生時代、 Herbert Marcuseの『美的次元』という本を原書で読んだこと思い出しました。うろ覚えですが、その方にはフランス語が翻訳されず、そのままありました。確かドイツ語もあったと思います。 Marcuseの他の著作も、どうやらそんな感じで、英訳はない。ヨーロッパの知識人は、英・ドイツ語・フランス語などができるのは当然なのでしょう。イタリア人の高級読者家ならば、ラテン語も読めて当然なのでしょう。

考えてみれば、エーコはイタリア人で、 BBC の英語番組に出演し、自分の作品の英訳を朗読したり、質問に英語で答えているのです。ドイツのギュンター・グラスがこの番組に出演した会がありますが、もちろんこれも英語です。ヨーロッパ人やアフリカ人の知識人・作家ならば、英語は話せて話せて当然なのでしょう。その延長上の上に、ラテン語くらい読者は読めるという発言があるわけです。


ところがもし日本の作家がこの番組に出てくれと言われたら、おそらく誰も出演できないでしょう。海外でもっとも有名な現代日本の作家と言えば村上春樹でしょうが、おそらく絶対に出演を引き受けないでしょう。村上に公共放送で話をする程の英語力があると思えないですね。多和田葉子はドイツ語番組なら引き受けるかもしれませんが、英語番組では出ないでしょう。(では、水村美苗は?ーーたぶん、受けないでしょう。。。)  

ヨーロッパの知識人の間では、隣の国の言葉いやラテン語の用の古典語はできて当たり前。ましてや英語ならば、今ならば誰でも話せる。しかし、最高の言語的センスと学問・教養を身につけているはずの日本人作家にとっても、英語等のヨーロッパ言語で話すのは至難の技です。いや、壁だと言っても良いでしょう。

うーーん、日本人は大変だなあ、と思います。

静先生の英語教師論をめぐって

2010年09月21日 | 英語学習
静哲人という関西大学の教授で、ちょっと有名な英語の先生がいる。この先生の書く文章については、いろいろな反応がなされる。絶賛の声も多数ある。他方、批判する人も少ないわけではない。

たとえば、こんな文章も書いている。

英語教育は英語を教えてこそで、それができていなければ他の何ができても意味がない、という私の主張あたりを指しているのかもしれない。

しかし別に限定的じゃないでしょ。英語以外を「教えてはいかん」と言っている覚えはないから。

そうでなくて、「他の何かを教えるのは、英語をきちんと教えられている人間だけがやれ」と言っているだけ。

「生きる力」でも「国際理解」でも「人権教育」も「国際平和」でも「異文化理解」でも「言語というものに対する理解」でも何でもいいけど、そんなものはスキルとしての英語をきちんと学習して、その上で余力があったら場合にのみやってもいい、というレベルの話。」

「英語教師は英語を教えるのが仕事です。単純な話です。」


あるいは、こんな文章がある。

社会も理科も国語も体育も書道も英語も、それぞれ別の分野の「各論」をうけもつことによって、全体として人間の「知、徳、体」を高めようとしているのであって、それぞれの分野が「各論」をないがしろにして一足飛びに直接「総論」の達成を求め出してはおかしい。

だから、英語力アップのために必ずしもベストではない、もしかすると弊害もかなり大きい、とわかっているのに、「思考力」に資するだろうから、と抽象的な 英文を和訳だか翻訳だかさせて喜んでいるのもおかしい。

『心技体』にも書いたが、数学の先生が、定理の証明や微分積分をきちんと教えず、「人間としてのゆたかさ」云々を言い出すのはおかしい。物理の先生が力学 の法則を中途半端にして「生徒の人間形成」を語るのはおかしい。それとまったくおなじ。英語の先生が「英語」自体をきちんと教えず、「生きる力」「人格形 成」を論じるのは、自分の仕事をはき違えている。



なるほど、英語の先生としては正論なのかもしれないですね。でも今ひとつよくわからないので、家にあった先生の昔の本『英語授業の大技・小技 』を読んでみた。この本では、先生の英語教育の具体的な日々の工夫の日々を赤裸々に綴られているのです。大変貴重な本だといえます。抽象的な教育論を展開する人ではなく、非常に真面目な熱血教師であることがわかります。NHKの基礎英語1は、木村某ではなくて、静先生だったら良いのになと思います。

また、教師としての経歴も書かれています。大妻と大妻多摩と国立高専の英語の先生だったようです。なるほど! そういう経歴の先生なのだな、と私は了解しまた。


結論的には、進学校の英語の教官、あるいは予備校の教師としては、静哲人先生は理想的なタイプの一つでといえるでしょう。しかし、非進学校や公立中学の教師に対する発言として考えるならば、静先生の議論にはほとんど説得力がありません。教育関係者から反発があるのも当然です。かなり非現実的な前提があるわけですから。。。

また、進学校の生徒に対して、静先生のような方法論だけが最善かというと、ちょっと疑問に感じます。英文の形式的側面(教科書で教える)を重視するのも一つの方法ですが、思考・内容(教科書を教える)を重視するのも、有効なアプローチであると思うからです。(後者についてはたとえば古藤の参考書が参考になります。『英文読解の正体』というものです)。

志望大学を決めるにあたって

2010年09月20日 | 受験
首都圏の高校生は、なかなか志望校見つけられないというのが普通のようだ。地方では志望校同決定は比較的簡単だと思われるが、首都圏にはあまりも沢山の大学があるので困ってしまうのである。

私立の中高一貫校に通っている生徒であっても、一部の上位校の生徒をのぞけば、大学受験についての意識が高いとは限らない。親御さんの方で、 MARCH 以上の大学が良いとか、慶應に行ってもらいたいとか希望する場合もあるが、子供の方にそれが伝わっているとは限らない。

あるいは、生徒本人の方で国公立大学に行きたいという場合もある。おそらく親御さんを気遣って国公立志望というのであろう。しかし、そのためには、私立や県立の上位高に在籍しているか、中堅進学校のトップである必要がある。そうでなければ、ほとんど非現実的である。

早稲田を希望する学生も少なからず存在する。おそらく早稲田というのは有名校の代名詞的存在だからであろう。だが、これは普通の国公立大学以上に難しい。こちらとしては、上位校に在学している訳でもないのに、軽々しく早稲田の名前をを出してもらいたくない。ただし、早稲田志望者には徹底的に鍛えてあげる準備はある。

1人だけ、東大志望という生徒がいた。本当のことを書くと、中堅校の癖になんてホラ吹きなのだろうかと思っていた。しかし、古文漢文を除いて本当に成績が結構よかった。最終的には東京工業大学に入学した H 君であった。東大を志望するというのは、やはり、ある程度自信がある証拠なのだろう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
目標を見つけるのは大変かもしれないが、やはり高校3年生になるまでには、本当に入りたいと思う大学を決めてもらいたい。高校生が目指す大学を決めるために良い方法が幾つかある。

一番良いのは、本当のところ、お父様やお母様がある程度大学についての知識を得ている事である。そして、ちょっと古くさく聞こえるだろうが、お父様やお母様の出身大学を目指すのが一番分りやすい目標である。

もう一つは、上位校に進学したり、実績のある中堅進学校のトップクラスにいる事である。そうすると、自然と目標が見えてくる。自分の成績ならば、どの大学に受かるのか見当もついて来る。逆に言えば、中堅進学校の中位より下にいると、現実的な目標が定まってこない。だから、成績を上げることが、志望大学を決定するためのポイントとなる。

繰り返すことになるが、中堅進学校の中くらい以下にいるのであれば、猛勉強して基礎学力を向上してもらいたい。たいていのそのレベルの生徒は、英語でも数学でも基礎力が足りない。私どもの塾に在籍しているのであれば、猛ダッシュすれば今からでも受かるかもしれない大学についてのヒントを出すことは出来る。

なお、夢を持つことは大事だが、余りにも非現実的な夢を持つのは時間の無駄かもしれない。ある生徒は数学が全くできなかった。”a+b”が知らないうちに”ab”になってしまうのに、獣医志望だったのだ。文系志望にするように説得したが受け入れないので退塾の方向に持っていった。あるいは、英検2級レベルの英語力もないのに、ハワイ大学を志望していた。これも無謀である。ハワイ大学はそれほど名門大学ではないかもしれないが、そうは言っても求められる英語力は、東大や上智のレベルではあり得ない。(英検1級レベルの以上の英語力が望ましいが、英検準一級レベル有れば海外の大学でなんとかやっていける可能性がある)。以上のような勘違いは、やはり避けてもらいたいのだ。

日大・神大受験生の滑り止めはどこか?

2010年09月19日 | 受験
私どもの塾では、大学受験の最低ラインとして、基本的には日本大学と神奈川大学を想定している。それより下は、大学とは呼べないものではあると考えているからである。最近では、日大合格レベルに到達しえないと思われる場合には入塾をお断りすることが多い。

とはいえ、受験生が日大・神大レベル以下を受験してはいけないという意味ではない。むしろ、日大志望者ならばそれより易しい大学もぜひ受けておくべきだ。仮に日大・神大未満には進学するつもりがなく、浪人の覚悟がきっぱりとできているのだとしても、どこかの大学に合格しておくことは、本人のためになるはずだからである。

問題は、日大や神奈川大学よりも合格しやすく、かと言って余りにもレベルが低すぎるない大学はどこか、ということだ。この問いに答えるのはちょっと厄介だ。しかし、評判の良さそうなところを選べと言われたら、この近辺ではやはり玉川大学の経営学部などを推したい。玉川大学の看板学部は教育学部や文学部などで、工学部や経営学部となるとほとんど噂を聞かない。だからこそ、滑り止めになるのです。独特な校風があり、授業料が高いので、本人やご家庭に合う・合わないといった問題はあるのですが、考慮するに値するでしょう。

その次に思い浮かぶのが、東海大学、桜美林大学、国士舘大学である。他にも定評のある大学はあるかもしれないが、とりあえず、神奈川県、小田急線沿線の共学4年制となると、この四つの大学が良さそうな気がする。(他にはたとえば相模女子大学の管理栄養学科などは人気があるようだが、ここでは取り上げない)。

東海大学は日大と並ぶマンモス大学である。私の知人がここで教えているが、それなりに雰囲気も良さそうだ。学力的にもそれほど低くはなく、中には相当優秀な学生もいるそうだ。そういう優秀な学生は、かなり良いところにも就職しているらしい。

ところで、私はかつて神奈川県立高校の日本大学及び東海大学合格率を調べたことがある。すると、旧学区では一番高がどこでも日大合格率が高かった。相模原南部地区で言えば、相模大野高校の日大合格率が一番、大和地区でいえば大和高校であった。これに対し、東海大の場合は、2番手高あたりの合格率が高かった。そういうレベルに位置している大学だということなのだろう。

桜美林と国士舘はともに町田市にあって通いやすい。昔はどちらもあまり良いもイメージは持たれていなかったが、近頃は大分良くなった。

桜美林大学は雰囲気の良いキャンパスで、国際的志向のある大学だ。海外志向だったり、英語や語学の好きな生徒には勧めている。留学などにも熱心のようだ。(ただし英語・国語の二科目受験は結構きびしいので、オススメしない)。

国士舘大学は、大東亜帝国という名称でイメージを新たにしたことで知られている。ところで私の知り合いのおじさんは、子供が埼玉県の上武大学と国士舘大学に合格し、どちらに行かせようか迷っていた。上武大学は自宅から通えるのだが、国士舘大学は下宿代が必要になるからだ。最終的には子供の熱意に説得され、国士舘大学への進学を許したそうだが、結局それが良い結果を生んだ。というのは、警察官を志望し、東京都に採用されることが決まったからである。面接官に国士舘大学出身の先輩がいたということも幸した。国士舘大学には警察官になろうという伝統があり、学生にもそういう雰囲気があるらしい。もし仮に上武大学に進学していたならば、警察官になるのは難しかったかもしれない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私は玉川大学等の大学への進学を薦めているわけではない。成績が低迷する諸君は、これらの大学の受験も検討しておくようにと述べているにすぎない。

日大・神大を落ちたら、浪人するか、進学を断念するか、じっくり考えても良いともと言っておこう。

amazon中古の送料が値下げ中

2010年09月17日 | 教養英語
知らないうちにアマゾンの中古の送料が今大幅に安くなっていることに気がついた。今までは送料か340円だったが、今は250円になっているのだ。たった90円の違いと言えなくもないが、中古本をよく買う者にとってはかなり大事なことだ。

例えば、アマゾンには1円の中古本がよくられている。もちろん、1円で購入出来るという意味ではなく、送料込みで341円になる。となるとブックオフなどで100円で売られている本よりも大分高い感じがするではないか。しかし、送料込みで251円ならば、それ程高い感じはしない。

送料が安くなるのは、一応来年の2月いっぱいということになっている。大いに利用しようではないか。(売り上げがよければ、この価格は継続するだろう)。

(追加)インターネットで調べてみると、関連記事についてのブログが多かった。たとえば、せどり日記さん

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ところでamazonの中古品であるが、売り上げ実績のある古本屋さんで、評判も良いならば、悪い本を掴まされるということは滅多にない。もし、中に書き込みがあったりする場合は、迅速に抗議する必要がある。実績のある業者さんであれば、悪いようなことはしないだろう。

ただし、海外に拠点を持つ、評判の悪いいくつかの中古業者に関して言うと、トラブルの可能性は高い。とはいえ、お金をだまされるとかではなく、異なる商品が入っていたとか、商品自体が無かったとか、届けられるまで時間がかかったとか、そういう類の問題である。

ソフトで雑誌閲覧ーー「壊れる大学」特集 『ダイヤモンド』 (新iPod touchでお勉強)

2010年09月16日 | 教養英語
iPodtouch(とiphone)向けにビューンというソフトがあります。たとえば『サンデー毎日』ならば、次のようになります。

なお、体験ソフトということなので、気に入ったら有料ソフトを購入してねということらしい。


では、最新のダイヤモンドを見てみることにしましょう。写真の週刊朝日の左下がダイヤモンドですから、それをクリックすると出てきます。今回は「壊れる大学」特集号です。



 



このブログでは文章までは判別できないかもしれません。しかし、ipodtouch上からは読むことは可能なのです。



この中に掲載されている「壊れそうな大学」は、どちらかというと地方の大学が多そうです。首都圏の大学もありますが、ほとんど無名の大学ばかりです。しかし、神奈川県の大学も掲載されていした。付属高校は最近野球が強くなったY商大です。有名大学とはいえませんが、まったく無名の大学ではありません。現在の塾生には絶対に進学してはいけないと言い聞かせてはいる大学ではありますが。。。。

漫画というメディア:近代日本の女性の苦しみをイメージさせるには

2010年09月15日 | 文房具と読書
「二十四の瞳」には、近世及び近代日本の女や男の人生の定めとか、辛さが描かれている。男の子の生きる道も、女の子の生きる道も、厳しい運命の道が敷かれているようである。例えば男は兵隊にとられ、女は嫁として家畜のように働かせられる、という具合に。

しかし、映画「二十四の瞳」では、そういった悲惨さはあまり表現されていなかったようにも思われる。少なくとも、現代の10代の子供や若者にそういったことイメージとして理解してもらうのは難しいように思うのだが、教育関係者はどのようにお考えなのだろうか。


ところで、私どもがよく使っている安河内『ハイパー英文1』というテキストには、マザー・テレサのもとでインドでボランティア体験をした人の非常に深い話が書かれている。しかし、あの短い文章で、インドの貧困については全く想像がつかないだろう。ましてやそこでボランティアすることの意味についても、中高生はほとんど理解できないはずだ。インドの絶対的貧困というのは、現代日本人にはほとんど想像を絶する程の別世界なのだ。こういった世界について、どうやって理解させた良いのか。となると、やはりある種の漫画のようなメディアは、一つの重要な手法ではないかと思う。

そう考えるようになってから、私自身、古本屋でよく漫画を購入する。漫画は世界を広げイマジネーションを強化する役割をするのでないか、と考えるからだ。事実、私どもの塾に来る生徒について言えば、漫画を好きな生徒は国語の成績が良い。

さて、夏休みの旅行では駅の構内で漫画雑誌『ビッグコミックオリジナル』(9月創刊号)というのも購入してみた。その漫画雑誌の中に、異様な迫力の絵柄があった。作者は一体誰だろうと思ってみると、知る人ぞ知る、カルト的怪奇漫画家である花輪和一であった。「みずほ草紙」(日本人の心の古里を読み解く)というタイトルである。



花輪和一のような非常に個性的な漫画家を、たとえ高校生だろうと推薦してよいものなのか、私には判断がつかない。危険すぎるという人も多いであろう。(かつてジョージ秋山の「あしゅら」という漫画が、子供に悪影響を及ぼすとして大問題になったことを思い出す。もっとも私自身子供だったので、その漫画をほとんど見る機会がなかったが)。

しかし、花輪の「みずほ草紙」についていえば、近世-近代日本に生きる女の辛さと快楽が確かに明確なイメージを持って分りやすく強烈に描かれおり、ある種の資料として許されるのではないか。近世ー近代日本の負の局面を伝えるにあたって、「二十四の瞳」などよりも、有効な教育的方法論でもあるのではないか。そんなふうに考えるのである。