林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

学歴ロンダリング? 実はトンでもない話じゃないか。

2010年09月26日 | 受験
学歴ロンダリングという言葉がある。マネーロンダリング(資金洗浄)という言葉に由来して作られたもので、芳しくない学歴を大学院入学などの学歴でわからなくさせてしまう意味のようだ。○○商業高校卒業とすべきところを、米国◎◎大学卒業とかコロンビア大学で勉学といった具合に表示してしまうのである。

さて、学歴ロンダリングというのは、通常は大学院や留学などの手法がもちいられるのであろう。しかし、もっと身近な現実である。たとえば、県内でちょっと格好悪い高校を卒業するのであれば、大学へ入学してしまえばよいのである

たとえばM君は、中学時代あまりにも成績が悪かった。そこで人には知られたくないかもしれないような、小田急線沿線の某仏教系の高校に入学した。高校ではとくに勉強するわけでもなく、ふつーうにバイト生活に明け暮れていたのであるが、大学には推薦で入学することができたのである。いわゆる有名大学ではないが、国際ビジネスの分野で強そうな感じのする大学である。

今の時代、ちゃんと高校を卒業し、大学の学資さえ蓄えておけば、どこかの大学に入れてしまうのだ。つまり学歴ロンダリングできるというわけだ。ある意味ではすばらしいことではないか。

しかし、進学高校の生徒にとっては、これは全然すばらしくない。逆に恐ろしい現実を示唆しているのだ。 

中学時代にオール2未満でも大学に進学できてしまうというのはどういうことなのか、よく考えてもらいたい。別の視点から見れば、かつては「出来る生徒」だと公立中学では認められて県立・私立の中堅進学校に進んだ生徒が、大学では中学レベルで落ちこぼれてしまった生徒と同級生になってしまうかもしれないということではないか。

ここでは中堅進学校という言葉を使った。具体的に言えば、相模原高校、麻溝台高校、大和高校、座間高校、日大三高、桜美林高校、桐蔭高校、桐光高校あたりを念頭に置いている。これらの中堅高の生徒は、いざ大学進学となると、日大(日東駒専)・神大レベル以上に合格できるのは、半分前後ではないのだろうか。(本当は、日大以上に行けるのは20-30%ではないかと思うのだが、ここでは多めに書いておきました・・・)。中堅進学校の残りの半分前後くらいは、日大・神大未満の大学に通うことになるのだろう。つまり、ほとんど競争がなく、やや誇張して言えば、お金さえ積めば入学できる大学に通うことになるわけだ。

景気が良い時代ならば、「下手な大学に進学するくらいならば、高卒で就職するほうが学歴を汚さなくて良いよ」と、私は強く言う。底辺高の生徒にとっては大学進学は学歴ロンダリングになるかもしれないが、進学校の生徒にとってはある種の大学進学は学歴劣化になってしまうからだ。そういった大学では、中学生レベル未満の知力で、日本語の語彙が不足し漢字が読めない生徒であふれているのだ。中国語も覚束ない中国人留学生だっているだろう。

進学校に在学している生徒は、プライドをかけて勉強し、是非ともまともな大学に進学してもらいたい。