林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

チェルノブイリの健康被害(NatureNews)

2011年03月30日 | 教養英語
2011年3月28日付のNatureNews、Chernobyl's legacyはちょっと面白い記事でした。相変わらず、原発事故問題から離れることが出来ませんが、この記事について触れてみたいと思います。

あらかじめ申しておけば、この分野については様々な交差し、絶対に信用できる確実な情報などは存在しないということです。この情報はどちらかというと、チェルノブイリの事故の後遺症がすくなく見積もられていますが、一つの見解にすぎないと書いておきます。

チェルノブイリ事故についてはリンクをみてください。

さて、福島原発事故の報道を収集する限り、今後とも大量の死傷者が発生しそうな気配はありません。したがって我々が今気になっているのは、原発の放射能漏れが周囲の人口にどのような長期的問題をもたらすかということでしょう。今回の記事(「チェルノブイリの遺産」)は様々な内容を書かれていますが、そういう視点から一部のみですが紹介してみます。

Long-term effects

But what was the impact on the wider population? Various studies have tried to estimate how many deaths Chernobyl will eventually cause across the whole of Europe, but their answers range from a few thousand to hundreds of thousands3. Cancer causes about a quarter of all deaths in Europe, so teasing out Chernobyl's far-reaching influence would probably be impossible, say epidemiologists. Moreover, focusing on such intangible numbers can distract from the much broader social impact of the accident. In Ukraine and Belarus, hit hard by the break-up of the Soviet Union in 1991, lingering fears about radiation are thought to have contributed to a sense of hopelessness that is linked to high rates of alcoholism and smoking ? factors that have a much bigger health impact.

"There's tremendous uncertainty for these people," says Elisabeth Cardis, a radiation epidemiologist at the Centre for Research in Environmental Epidemiology in Barcelona, Spain. "Some think they are doomed because of their radiation exposure." Further research could provide convincing evidence that Chernobyl's radiation did not significantly harm the wider population, but "we won't know unless we look", says Dillwyn Williams, a cancer researcher at the Strangeways Research Laboratory in Cambridge, UK.

A handful of Chernobyl studies have found small increases in rates of breast cancer and cardiovascular disease, but they did not properly account for confounding factors, such as nutrition, alcohol consumption and smoking habits. And although some researchers have claimed to see an increase in genetic mutations in the children of parents irradiated after Chernobyl4, there has been no similar evidence of hereditary effects even in the children of Japanese atomic bomb survivors, who on average received much larger radiation doses.

This means that there is still a substantial gap in the overall understanding of Chernobyl's health effects, says Williams. The problem is exacerbated by the piecemeal nature of previous studies. "There has been a failure of European-level coordination on this," he says.

チェルノブイリの健康被害の見積もりについては、評価者によって相当なギャップがあるということです。資金不足からしっかりと調査がなされていないというのも非常に残念なことですね。

いずれにせよ、チェルノブイリが酷い健康被害を生んだという合意ができているわけではないようです。とすれば、福島原発事故の放射能漏れの健康被害の見積もりについても、原発推進派と原発反対派の見解が今後とも大きく食い違うだろうと予測されます。

また、ここでは引用しませんでしたが、チェルノブイリ事故時のソ連政府と比べると、今回の日本政府の対応がはるかに迅速かつ適切ということです。とすれば、健康被害という観点からいって、もしかするとあんがい原発推進派に有利な状況なのかもしれません。

And the uncertainty surrounding the health risks may exact a psychological toll that could surpass the physical harm from the radiation, adds Smith.

チェルノブイリのような大惨劇であっても、Nature編集者の Mark Peplow氏は上記のごとく発言しています。つまり、放射能の被曝それ自体の被害よりも、精神的心理的ダメージの方がより大きいかもしれないとのことです。露骨に言えば、心の問題にすぎないというのです。彼の見解、あるいはNature誌の見解は、放射能漏れ被害を低く見積もる政府ならびに原発推進派にとってて有利だといえます。

今回の記事は、今後も原発推進派が勢いを持つかもしれないと予測できる、たいへん興味深い文章でした。ただし、今後、福島に代わって原発を受け入れる土地と住民が東京周辺にまだあるのかどうか。そういう点から言えば、まだまだ新たな原子炉増設は厳しい状況でしょう。

ドイツ語情報に注目(その2-Wetter and Klima) [放射性物質の拡散予報]

2011年03月28日 | 教養英語
ドイツ語情報巡りのもう一つの成果は、ドイツ語のHP(Wetter and Klima おそらくは、Weather and Climate という意味でしょう)の発見です。非常にヴィヴィッドな放射性物質拡散予報図がでています。みなさん必見ですよ!

Wetterlage und Ausbreitungsbedingungen in Japanが重要です。とりあえず、2011年3月28日(今日だ!)と明日の3月29日の画像をアップしておきましょう。しかし、必ずリンク先をクリックしてください。

今日(2011年3月28日)は関東地方全体には、うっすらとですが放射性粒子が飛び散る予報です。マスクは絶対にした方がよいでしょうね。ただし29-30日になると収まります。(福島や宮城南部となりますと、29日には北に向かうので、より高濃度の放射性物質が出回ることになるようです。ただし、地図からははっきりと場所までは読み取れません)。


ドイツ語情報も読んでみよう(その1ーDer Spiegel) [原発関連報道]

2011年03月28日 | 教養英語
私のブログは本来は塾・教育関係のものなので、そろそろ原発問題についてはひとまず中止を検討しているところです。しかし、その前に幾つか書いておきたいことがあります。それは原発事故のような国家の一大事にも関わるような重大問題を考えるときに英語で情報収集する事は大変大事ではありますが、英語だけを過信してはならないということです。世界には、英語以外にも様々な言語があり、様々な文化や情報が存在し提供されているということ事です。英語を勉強する人は、ついつい米英中心に文化・情報インプットとしようという傾向がありますが、それ以外の英語圏だとか、英語以外の言語を軽んじてはまずいだろうと思うのです。

今回は、福島原発事故の影響で反原発運動がおきているドイツ からの情報を調べてみようという気になりました。二つの成果がありました。


私はフランス語は多少読めるのですが、ドイツ語はほとんど全くできません。だからいつもGoogle翻訳で英訳したものを少々ながめる程度にしか読んだことがなかったのです。しかし、高級週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)のHP をのぞいてみます。緑の党の勝利(Die grune Revolution)  が報じられていますが、そればかりではなく、無料のオンライン英語版 http://www.spiegel.de/international/があり、かなり情報満載なのです。私的にはとくに英語は難しいとは思いませんでした。(塾生に使えるかほど易しいかというと、ちょっと微妙な感じではありますが)。

たとえば、German Nuclear Plants Not Immune to Security Risks  とくに新しい視点は見当たりませんでしたが、ドイツ事情が分り面白かったです。ただし、日本には「英雄的な作業員」が存在していると想定しており、「ドイツには日本のような英雄が存在するのだろうか」と論じているあたりは、甘さを感じさせられました。

Helmut Kohl Weighs in on Reactor Debate  これはドイツの元首相コールの選挙前の原発継続論の紹介です。中身は、読まなくても見当つく議論ばかりでした。が、おそらく我が国でもこのような議論はすぐに出てくるでしょうから、軽く眺めておいても悪くはありません。(続く)

武田邦彦の動画「原子力保安院の大ウソ」

2011年03月26日 | 教養英語
日本のことを知るのに英語情報が役に立つといったことを書きましたが、実は関東のことを知るのには非関東メディアも良さそうです。今回は武田先生が保安院の大ウソを暴露しています。

原子力保安員の大ウソ



とても興味深い動画ですね。この中で特に印象深かった指摘は、(1)原発のような巨大技術は戦艦大和のようなものである、(2)国民や周囲住民の利益は全然考えておらず、自分(たち)と原発を守ることのみを模索している、(3)原子力保安院を含め国民の安全を真剣に考えている組織は存在しない。(4)技術それ自体の問題というよりは組織とその人間たちの問題であるといった議論でしょうか。

これを見ていて思い出したのが、山本七平の『一下級将校の見た帝国陸軍』という、日本帝国陸軍という組織のもつ病的文化を描き出した素晴らしい著作です。今読むとますます怖くなるかもしれませんが、官僚組織が発する偽の言葉を読み取るための参考文献ともなるでしょう。

英国ちゃんねる4で原発下請け労働者のドキュメンタリー

2011年03月25日 | 教養英語
ついに原発下請け労働者が相当な被曝をしてしまいましたね。

下請け会社に重くのしかかる過酷な“被ばく労働”
「被ばくした17人の作業員について、東京電力は「続けるかは本人の意志」と説明した。しかし、現場を知る元原発設計技師の田中三彦氏は「ひどい作業だと思うが下請け会社の社員の場合、今後の受注のことを考えて辞退はできないだろう」と指摘。復旧作業は過酷な“被ばく労働”に支えられているのが実情だ」

原発労働者については、イギリスの公共テレビ局「チャンネル4」で1995年に放映された『隠された被曝労働~日本の原発労働者~』というものがあるようです。やはり、こういう番組は海外番組頼りということなのですね。英語を学ぶというのは、海外のことを知るばかりでなく、日本のことを再認識する道具になるからだと再確認させられます。ただし、字幕がありますので、ご安心を。ネタニュース噂.netにリンクが張られています。

日本の原発労働者の実態に迫った、イギリスのドキュメンタリー番組(動画)

アメリカ人は日本にお金を寄付すべきか?

2011年03月24日 | 教養英語
Bloggingheads: Don't Give to Japan?Annie Lowrey, left, of Slate and Timothy Carney of The Washington Examiner discuss whether Americans should send aid money to Japan.

こういうのは初めて見ました。

比較的分かりやすい英語で(←ごめんなさい、私の塾生には難しすぎると思います)、アメリカ人が震災日本に金銭的援助をするかを論じています。


原発報道(その1) 広瀬隆/広河隆一 の2011年3月23日講演 

2011年03月24日 | Weblog
非常に興味深い講演会が昨日(2011年3月23日(水))催されました。

簡単な要約等は次回ということにして、まずはリンクを張っておきます。

緊急報告】広瀬隆/広河隆一 「福島原発で何が起こっているか?-現地報告と『原発震災』の真実」

日時:2011年3月23日(水)19:00~21:00(18:30開場)
会場:早稲田奉仕園 スコットホール(定員200名)


広瀬・広河氏の見解を信ずるのであれば、東電はもちろんことですがNHKを含む日本の大手メディアや政府はかなりバイアスを含んだ報道ばかりしているということになりますね。それは十分あり得ることだとは思います。詳しくは次回。

原発サムライ(その4) New York Times, Fukushima50

2011年03月24日 | 教養英語
ガーディアンの「原発サムライ」という言葉が何に由来するのかははっきりしない。しかし、主流メディアについていえば、NYTやBBCで取り上げられた”Fukushima 50”なのであろう。3月15日の記事 Last Defense at Troubled Reactors: 50 Japanese Workers  などがそれだ。

この記事を全部とりあげることができないが、ちょっと気になるのは次の部分だ。


Tokyo Electric Power, the plant’s operator, has said almost nothing at all about the workers, including how long a worker is expected to endure exposure.

The few details Tokyo Electric has made available paint a dire picture. Five workers have died since the quake and 22 more have been injured for various reasons, while two are missing. One worker was hospitalized after suddenly grasping his chest and finding himself unable to stand, and another needed treatment after receiving a blast of radiation near a damaged reactor. Eleven workers were injured in a hydrogen explosion at reactor No. 3.

Nuclear reactor operators say that their profession is typified by the same kind of esprit de corps found among firefighters and elite military units. Lunchroom conversations at reactors frequently turn to what operators would do in a severe emergency.

The consensus is always that they would warn their families to flee before staying at their posts to the end, said Michael Friedlander, a former senior operator at three American power plants for a total of 13 years.

“You’re certainly worried about the health and safety of your family, but you have an obligation to stay at the facility,” he said. “There is a sense of loyalty and camaraderie when you’ve trained with guys, you’ve done shifts with them for years.”

要約等はしないが、このあたりがイギリス・ガーディアン紙で「サムライ」と評されたのであろうと推察する。


英語原書の中級と上級? 日本出版貿易株式会社

2011年03月23日 | 教養英語
相模大野の本屋さんの洋書(英語のみ)コーナーに行ってみた。

本のカバーには「中級」とか「上級」といったラベルがとりつけられている。

しかし、英語の本を読む人ならば誰でもが同意してくれるだろうけれど、上級とか中級といったラベルがまったくもって恣意的なのである。アガサ・クリスティーや『ハリーポッター』が中級で、『思考が現実化する』や『人を動かす』が上級だというのはんまったくう理解できないではないか。むろんこれらの小説よりも、ハウツーものの人生読本のほうがずっと読みやすい。


日本出版貿易株式会社というところがラベルを作ったようである。

もう少しまともな分類が出来ないもであろうか? 社会人向きに洋書を売りたいのであれば、読みやすいビジネス本を売り出すなどの工夫ができないものであろうか。残念である。


ガーディアン「原発サムライ」(その3) (参考資料)

2011年03月23日 | 教養英語
ガーディアン記事の参考映像資料です。おそらく、ここで取材している日本ビジュアルジャーナリスト協会の人たちが英国ガーディアン紙記者の情報源ではないかと思われます。

覚悟はしています」取材:森住卓(JVJA)/山本宗補(JVJA)

3月11日の地震発生当時、福島第一原子力発電所の建屋の中で計器類のメンテナンス作業をしていたTさん(27歳)。第一原発のある大熊町(おおくままち)出身の彼は高校卒業以来、その原発の中で毎日働いてきた。地震発生後に一時待機命令が出て、彼は家族とともに避難所生活を送っている。地震発生当時、何が起きて何を思っていたか。そしていま何を考えているのかを聞いた。




ガーディアン「原発サムライの真実」(その2)

2011年03月23日 | 教養英語
ガーディアンの記事「原発サムライ」の続きです。いい加減な意訳を載せておきました。間違いがたくさんあるかも知れませんが、他意はありません。宜しければ間違い箇所を教えてください。全体的に言えば、「原発サムライ」という言葉がちょっと気になる点を除けば、読むべき内容の記事だと思います。


The truth about the Fukushima 'nuclear samurai'
Japan's 'nuclear samurai' are risking their lives to avert catastrophe, but many are manual labourers unequal to the task

福島の「原発サムライ」の真実ーー日本の「原発サムライ」は命をかけて大災害を防ごうとしているが、多くはそういった仕事にはふさわしくない肉体労働者である。


To a world that doesn't know him, Shingo Kanno is one of the "nuclear samurai" – a selfless hero trying to save his country from a holocaust; to his family, Kanno is a new father whose life is in peril just because he wanted to earn some money on the side doing menial labour at the Fukushima nuclear plant.

原発侍カンノ・シンゴの紹介。

カンノのことを知らない外部の人間から見たら、自らの命を危険にさらしながらも、ホロコーストから国を救おうとする勇敢な「原発サムライ」に見えるかも知れない。だが、彼の家族からしたら全然そういう者ではない。子どもが出来たので、お金がちょっと欲しかったという理由だけで、福島原発での奴隷的労働者に従事してしまった男にすぎなかったのだ。

A tobacco farmer, Kanno had no business being anywhere near a nuclear reactor – let alone in a situation as serious as the one that has unfolded after the 11 March earthquake and tsunami in Japan.

カンノはたばこ農民だった。原子炉なんかには無関係だったし、ましてや今日の原発事故には関係ない。

His great-uncle, Masao Kanno, said: "People are calling them nuclear samurai because people are sacrificing their lives to try to fix a leak. But people like Shingo are amateurs: they can't really help. It shouldn't be people like Shingo."

シンゴの大叔父のカンノ・マサオが言うには、「放射能漏れを防ごうと命をかけているので、世間は彼らを原発さむらいと呼ぶかもしれないが、本当は素人で本当に力になることは出来ないんだよ。シンゴみたいのがやるべきじゃないんだ」。

(←「原発サムライ」のような言葉はないはずだ。「原発ジプシー」という言葉はあるが)。

Masao Kanno is one of more than 500 people camped out on the hardwood floors of a sports centre in Yonezawa. The homes of most of them lie within 19 miles of the Fukushima plant. They worked at the plant, have family members who did, or passed it daily on the way to work or school.

カンノ・マサオは米沢(←福島県二本松市米沢のことだと思われる。場所的には原発とかなり近い)の体育館の床で仮住まいしている500人以上の避難者の一人だ。彼らの家の多くは福島原発30km以内にある。 (福島県二本松市米沢の地図)

彼らは原発で働いたり、家族の中に働く者がいたり、または通勤・通学の時に近くを通り過ぎる。

Before, they rarely thought about the down side to that proximity; now it rules their lives. Many of their homes are inside the evacuation zone, with radiation 17 times higher than background levels and tap water too contaminated to drink.

訳は省略

Those with a close personal connection to the crisis, like Masao Kanno, are moved and grateful for the personal courage of the 500 or so workers still at the plant. But where Japan's prime minister and others have conjured up cardboard heroes, he sees a flesh-and-blood relation.

カンノ・マサオのように原発に個人的に関わり合いのある者からすれば、500人もの労働者が今な原発で奮闘している姿は大いに感動的だ。しかし、総理たちヒーローをでっち上げようとしているにすぎない。

Shingo Kanno, who had been hired to do construction work, was released from his duties at Fukushima soon after the declaration of a nuclear emergency. As the crisis at the plant worsened, and the Japanese government widened the evacuation zone, he moved his wife and his infant daughter to his in-laws, where they would be safer.

カンノは原発事故後には原発から解放され、妻子たちを安全な場所に避難させた。

He also helped evacuate his extended family from their home town of Minamisoma, which is within the 30km exclusion zone, to the sports centre and other shelters. Then, his relatives say, Kanno got a call from the plant asking him to go back to work.

危険地域の南相馬からの避難がすんだと思ったら、原発側から仕事に戻ってくるように電話があったのだ。

His whole family took turns getting on the phone to tell him not to go. They reminded him that he was a farmer, not a nuclear engineer, that he did not have the skills for such a sophisticated crisis. They said he should think of his responsibilities to his parents and his baby daughter.

"I told him: 'You have a family now. You shouldn't be thinking about the company – you should be thinking about your own family,'" said Masao Kanno.

家族全員が「原発なんかに戻るんじゃない、お前はただの農民にすぎないじゃないか。自分の家族の責任を考えなさい」といった。

But on Friday Shingo Kanno went back anyway. The family have not heard from him since.
In the meantime, the cult of the nuclear samurai has only grown. Japanese television aired an interview with a plant worker on Monday offering a harrowing insider's account of the struggle for the reactors.

しかし、カンノシンゴは金曜日に戻ってしまい、それ以来消息を聞いていない。原発サムライ・カルト(←原発労働者を英雄視するメディア像のことか)が大きくなっただけだ。日本のテレビは、原発労働者のインタビューを放映した。

The worker, his face hidden from view, described sirens blaring, billowing smoke, explosions so powerful the earth rumbled, water sloshing in the pool of spent atomic fuel. Then he touched on his own complicated emotions before pulling out of the plant. "The people left behind – I feel really sorry for them," the worker said. "It was a hard decision to make, but I had a strong feeling that I wanted to get out."

労働者は匿名で、原発の中の凄まじい状況を語った。それから、彼が原発に残してきてしまった同僚に対する複雑な感情に触れた。「残してきた人には本当にすまないと思う。辛い決断だったけれども、どうしても出たかったんだ」。

Such scenes stir powerful emotions in this sports centre, where evacuees are re-examining their own relationship with the Fukushima plant.

"I think you could say those nuclear workers have been brainwashed," said Keiichi Yamomoto, who used to visit the plant regularly for business. "Japanese people are used to focusing their whole lives on their company, and their company takes priority over their own lives."
He said the power company had a policy of locating nuclear facilities in sparsely populated areas with little local industry. Local people got jobs; the power company was able to increase its supply of electricity for Tokyo.

「そういった原発労働者は洗脳されてしまったとも言えるんですよ。日本人は会社に人生をあずけちゃいますからね」と山本ケイイチは言った。電力会社は人口が少なくて産業のない土地に原発を建設し、そういう地元の人を雇うのだ。そして、電気は、東京を供給されるのだ。


The Japanese government assented to the Fukushima plant; the prefecture government assented to it; even local people assented to the plant, when they took jobs as inspectors there, Yamomoto said. "It was a trade-off."
Now they are experiencing the consequences of that assent.

日本政府、地方政府、地元民がトレードオフの合意をしたが、その帰結がこのとんでもない有様だった。

People who built their lives around the nuclear plant without ever fully acknowledging its presence are now signing up for text updates of radiation readings from their home town.
Some evacuees in the sports hall say they cannot rely on the power company to give them accurate information. They are going to wait for the Japanese government to issue an all-clear before they consider returning home.

よくわからないまま原発周辺を生活の拠点としてしまった人たちは困った状況にある。

Others are wondering whether they are also somehow culpable in the disaster. Yoshizo Endo moved to live near the plant in 1970, when he became one of the first workers at the then newly opened Fukushima.

He spent more than 20 years as an inspector, undergoing regular safety exercises: fire drills, earthquake evacuations. But, he said, they never contemplated the prospect of a nuclear disaster. "Looking back, it's easy to say now that we should have thought of that," he said.
His wife, Tori, said the crisis at the plant, and the struggle of the nuclear workers, had made her increasingly uncomfortable: her husband had made a good living for years at the plant, and they were living on his pension even now. "I feel guilty," she said.

自分たちにも非があるかもしれないと考える人もいる。遠藤・ヨシゾは1970年に原発付近に引っ越してきて最初の原発労働者になったのだ。

遠藤は20年以上働き安全訓練もしてきたが、核災害がおきるなんてことは考えたこともなかった。「振り返ってみれば、考えてみるべきだった」と遠藤。

妻のトリは、「原発のおかげで長年良い暮らしをし、今では年金があるなんて、罪深く思う」と述べる。

Had Endo been called, he would have gone too, albeit as part of a team, he said. But he added: "I can't really do anything in this kind of situation. The only thing I know how to do is hold a thermometer."

Did he think the nuclear samurai would succeed in taming the reactors? "What will be will be," said Endo.

もし遠藤に呼び出しがかかったら、たとえアルバイトだとしても、また出かけてしまっただろうと遠藤は言う。しかし、次の言葉も付け加えた。「こういった状況で何でもやりますというわけにはいかない。なにしろ温度計のチェックしか知らないんだからね」

その遠藤に、「原発サムライは原子炉を沈静化できると思うか」と訊いてみた。すると、「なるようにしかならないね」と答が返ってきた。

以上

英国ガーディアン「原発サムライ」(その1)ーー英語で視野を広げる

2011年03月22日 | 教養英語
ちょっと思いついてUK ガーディアン紙をみてみると、昨日(2011/03/21) の「下請け労働者」と共通するテーマである。ここでは、福島原発事故と闘う作業員が「原発サムライ」(nuclear-samurai) として紹介されている。The truth about the Fukushima 'nuclear samurai' 

「原発サムライ」なる日本語はたぶん存在しない。Googleで調べてみると、「サムライ」という表現しているのは韓国のメディア (「原発作業員たちに敬意「現代版サムライ」「真の愛国者」)しかなかったりする。いずれにせよ、『「原発サムライ」の実態は?』という問いかけ自体が、ちょっと奇異な印象を与えてしまう。

今回のガーディアン紙のような海外報道は、日本のタブーを明らかにしたものなのか、それともSuzanne Goldenbergなる外国人記者が多少大げさに話をでっち上げてしまったのか。そういえば、前回の下請け発労働者の現状を具体的に厳しく告発したる元記事も、実は日本のメディアではなかった。実はスペインの新聞報道を翻訳したものだった。

日本の主流メディアには同じような記事がきわめて少ない。そういった点も、この海外報道の信憑性を落としているのは否めない。しかし、原発運転には「奴隷的」労働者が必要なのは本当だろうし、クリーンエネルギーに暗部があることもほぼ確かなことだ。だから、こういう記事はぜひとも英語で読んでおきたい。いずれにせよ、我々が英語を学ぶ最大の理由のひとつは、日本語では流れてこない情報を知り、視野を広げるためなのだ。

とりあえずここまででアップロードしておく。(22時40分に修正版)

危険は下請け労働者に(原発事故から学べること )

2011年03月21日 | Weblog
今回の原発事故からは否が応でも学ばなくてはならなかったことがあったことを再確認させられます。ぼんやりと日本語の主流メディアを読むだけでは伝わってこない情報もたくさんあるということです。今回、東京電力の社員が命がけでがんばっているようにも見えますが、東京電力の原発事業の一番危険な部分を支えてきたのは、弱い立場の下請け労働者だったというわけです。よくわかる原子力
というHPでも、そういった情報を伝えています。

よくわかる原子力近代的コントロールルームの裏で

原発の見学会、学校に配布される教材、パンフレット、電力館等で見る原発は、近代的な中央制御室をはじめとして現代科学技術の最先端を行く表の部分だけです。これだけを見ていると原発はコンピューターだけで動いているスマートな施設のように見えます。しかし、そうではない部分が原発を支えていることは一般に知られていません。原発の裏では、たくさんの人が放射線を浴びながら危険な仕事に携わっています。どんなに機械が近代化されても、この裏方の仕事なしには原子力発電所は動きません。しかし、その仕事はそう簡単には外部の人間には見せてもらえませんし、ましてや教材には全く触れられていません。
定期点検という言葉は新聞などでも馴染みになりました。原発は一年に一度発電を止め、発電機を含めた周辺の機器の総点検を行わなければならないと決められています。このときその作業に従事する労働者はどのような環境下でどのような仕事をしているのでしょうか。


また、Twitterで流れていた情報ですが、ハローワークでは福島原発の下請け労働者の求人がまだネット上に残っています。今現在はまだネットにありますが、そのうち消えてしまうかもしれませんので、写真画像を貼っておきましょう。

写真またはネット情報を見れば分かりますが、被曝の危険性があるにもかかわらず一日あたりの基本給は1万円未満しかありません。もちろん正社員ではなくアルバイト労働です。危険な仕事であるという自覚をさせないまま、将来の補償もなしに仕事に就かせようということなのかもしれません。そして、ある情報によれば、そういう危険な仕事をした者は100%癌になって死ぬそうです。(←100%というのは誇張でしょうが、癌発生率が高いというのは事実でしょう)。


ところで、今日届いた『エコノミスト』(毎日新聞社)では、堤 未果『社会の真実の見つけかた』(岩波ジュニア新書)が紹介されていました。「情報を読み解く力」を身につける大切さを若い世代に向けて解説する書物のようです。中学生以上ならば読める内容らしいですから、私も注文することにしました。ナイーブに情報を受け取らない知的訓練は、ぜひとも身につけてもらいたいものです。

日本アニメ・ソングをフランス語で

2011年03月21日 | Weblog
Youtubeには楽しい動画も多いが、今回紹介するのはフランス語による日本のアニメソングである。

フランス人といえば、昔は日本文化のことについて全くもって無知で失礼な奴らということになっていた。作家の遠藤周作が、フランス人に日本の畳を説明しようとすると、「馬小屋みたいなところに住んでいるのね」とか反応してしまうのだそうだ。だが、今は全然違う。アニメ文化の聖地と思われているのだそうだし、日本アニメ文化祭りも大々的に行われているらしい。

ドラえもん (シャンソン)

踊るぽんぽこりん (ボサノバか?)

となりのトトロ (←これは英語でした)。

風の谷のナウシカ (←こんなナウシカの曲ありましたっけ? フランス語ですね)。

天才バカボン (「ボン」のところを鼻母音で発音していないですね)

ゲゲゲのきたろう (ギターと女性歌手のライブ。フランス語の発音が聞き取りやすい)

サザエサン (裸足でかけていくサザエさん♪のところなんか、le pieds nus (=裸足)とちゃんと翻訳し
るんだなあと思いました。なお、つづりは適当です。私はフランス語はほとんど出来ませんから信用しないでください)。

うるせいやつら(ラムのラブソング?) (原曲はあまり知りませんが、よく仕上がっています)。

千と千尋の神隠し (←英語です。これは日本語版とほとんど同じ曲ではないでしょうか)。

キキの宅急便(ルージュの伝言) (←英語です。これも日本語版と同じような感じに仕上がっています)。

ぽにょ (←フランス語とよくマッチしています。今回の歌の中で一番気に入りました)。