林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

hot cakeと和製英語

2010年09月29日 | 英語学習
以前紹介した『英語長文難関攻略30戦』だが、ちょっと奇妙な言葉の問題に出くわした。

「和製英語について」(同志社高校)というもので、Sue(アメリカ人?)が日本人の和製英語に文句を言っているところである。

Imagine that you go into an American restaurant and ask for a "hot cake" or a "mix sandwich". What happens? All you'll get is a blank stare. A car doesn't have a handle, it has a steering wheel. And in sports, what is a "nighter"? In English it's a night game---why can't we just call it that?

しかし、ここに出されている和製英語がすべて全然通じないものだろうか。私は不思議に思った。

たしかに"ミックスサンド”では通じないだろう。「ストロングコーヒーください」とコーヒー屋に注文しても通じないのと同様である。そのお店によって、「ミックスサンド」や「ストロング珈琲」の中身が異なってくるからだ。あるいは、そもそもメニューに載っていないかもしれない。だが、"mix sandwich"でアメリカで全くの意味不明ということはないはずだ。なにしろsandwichと言っているのだから。

もっと不思議に思ったのは、"hot cake"である。これが全くの和製英語なのだろうか? そこで辞書で調べてみることにした。まずはもちろん最近いつもお世話になっているAmerican Heritageである。



おもしろいことに、ちゃんとhotcakeが載っていた! もっともpancakeという表現の方がより普通なのかもしれないが。

Americanを出したならば、今度はイギリスのOxford Dictionary of English  である。(もちろん、これもipod touchにインストールしたソフトをつかっている)。残念ながら、hotcake は載っていない。仕方ないので、外部レフェレンスを活用してみると、Wikipedia英語版に載っていることが判明した。見出しはpancakeだが、hotcakeとも言うのだそうだ。北アメリカの表現のようだ。



では、hotcakeが和製英語であるという説はないのか?と調べたら、ありました。和製英語辞典のようなものがネットにあったのです。

ホットケーキ -hot cake-
正しい英語は…pancake,griddle cake,flapjack

解説:
日本人の言う「ホットケーキ」は
英語では普通pancake,griddle cake,flapjackと言います。
焼きたてを温かいうちに食べるので,
hot cake とは絶対に言わないこともないが,通じがよくありません。


とのことです。なるほど、と言う感じですね。他にも解釈がありました。読売新聞の発言小町によると、アメリカでも地方によって呼び名が変わる、あるいは、アメリカ南部ではhot cakeと呼ぶのだそうです。

あと考えられるのは、日本人の英語が逆輸入されたのではないのか、ということです。しかしいずれにせよ、高校の入試問題に和製英語の典型例としてhotcakeを出すのはちょっとまずかったかもしれないですね。

なお和製英語が逆輸入の例としては2010年9月17日放送の大杉正明のCross-Cultural Seminar「海外のマンガ通の間で」でとりあげられたものですが、cosplay(コスプレ)あとanime(アニメ)がそうだそうです。まだcosplayはAmerican Heritageには載っていませんが、animeは載っています。

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