林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

伊藤真『夢をかなえる勉強法』の全体俯瞰法

2010年03月26日 | 受験
夢をかなえる勉強法
伊藤 真
サンマーク出版

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この本も、相模大野のBookoff105円で購入した。司法試験受験者の間では有名なカリスマ教師の伊藤真の本である。

短時間で読めてしまえる本だが、感動的でさわやかだった。ノートにメモをとったくらいである。

伊藤が重視するのは、全体を俯瞰する視点である。結果、次のような指摘がでてくる。「スランプというのは、自分の周囲に世界の広がりが意識できない状態」(143頁)なのだそうだ。だからそういうときには、東京タワーに登って世の中を俯瞰したり、地球儀や世界地図を眺めろと伊藤はいう。

実に興味深いと私は思う。飛行機の中から見える広大な空に人が宇宙を感じ癒されたりするのは、もしかしたら、そういう理由があるのかも知れない。また、最近見た映画オーシャンの海の波のシーンを思い出した。大きな自然物をみて解放された気分になったのだ。

もちろんGoogle Earthなども有効なリラックス空間を提供してくれるかも知れない。

勉強法としては、マーカーの塗り方(81ページ-)が面白い。普通ならば重要度で色分けするところだろうが、伊藤のは全く違うのだ。まずは参考書の目次をよく見て、それをコピーに取って、いつでも参照できるようにする。そのうえで、章立てをピンクで塗る。章の中の項があれば、項を青で塗る。そのなかで重要な箇所に黄色でマーキングするのだそうだ。要するに、常に全体の構成を意識するために、マーキングを利用していくということなのだ。私も、この勉強法を取り入れていきたいと思う。

ただしマーキングを塾生(うちの塾の中高生)に教えるのは、そんなには簡単ではない。彼らは、重要な箇所に絞ってマーキングするという訓練が出来ていないからだ。つまり、「ここは重要だよ」と講師が説明すると、その箇所を全部塗りつぶしてしまったり、あるいはその反対に全然印も付けなかったりとなってしまう傾向があるからだ。復習するためにマーキングするのではなく、機械的に塗る作業をしてしまうといったらよいのだろうか。

なお、amazonのレビューの評価も読んでみるべきだ。ちょっと驚いたが、必ずしも評価は高くないのだ。(1)勉強法としては不親切だ、(2)新鮮みがない、あるいは価格が高い、といった批判があるようだ。なるほどと思う。私は初めて読んだから感動したが、伊藤の勉強本を買い集めたりするようなモノではないのでしょう。105円で伊藤本を初体験できたので私は大いに得しました。でも、定価で何冊も購入したり読んだりするにはちょっと物足りないのでしょうね。

What I Talk About When I Talk About Running:

2010年03月25日 | 受験
Haruki Murakami, What I Talk About When I Talk About Running: A Memoir

Blackstone Audiobooks

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これは村上春樹のラニングに関するエッセイ本の英語のCD本である。僕は中古で、かなり安い価格で入手したつもりだ。CDが4枚くらいついて、たしか2000円ちょっとくらいだったのである。もっとも今ネットで調べてみると、ダウンロード版がもっと安く入手可能できるようだ。Audible.comだと、なんと1000円未満ではないか。

お恥ずかしながら、まだCD1を全部とCD2の一部しか聴いていないのだが、英語で聞いても村上春樹なんだよね、と思わせるのが面白かった。(なお、原文の日本語版もその後入手した。古本屋で100円で売られていたのである)

村上の小説作品を楽しむ観点から言えば、これは周辺的なものにすぎないのかもしれない。しかし、紛れもなく村上の文章だから、聴いておいて良いと思う。

さて何故このCD本をとりあげたかというと、英語が大変分かりやすいからだ。リスニングが苦手な高校生に聴かせてみたが、かなり理解できたようでもある。すくなくともretoldの『赤毛のアン』だとか、「アメリカの中学生の教科書」のCD音声よりも分かりやすいみたいである。もちろんハリーポッターのCDなどよりも、ずっとずっと分かりやすいのは言うまでもない。

もっとも最近の高校生は村上春樹も知らないかも知れないので、必ずしも受け入れられるかどうかは分からないのだけれども・・・。だが、そんなことは、気にしない。我が塾の高校生あるいは中学生にはぜひとも聴かせたい作品なのである。



以上


P.S. 私は村上春樹ファンとういわけではない。ついついかなり多くの作品を読んでしまうが、ファンではないのです。

バイリンガル版『のだめカンタービレ』を読む

2010年03月24日 | 文房具と読書
バイリンガル版 のだめカンタービレ〈2〉 (講談社バイリンガル・コミックス)
二ノ宮 知子
講談社インターナショナル

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勝間などの本と同時に購入したのは、バイリンガル版の『のだめ』(講談社インターナショナル)の#2と#3である。定価1200円のところ、650円と少々高すぎたのだが、思い切って購入してしまった。せりふが英語でかかれてあるが、隅に日本語も書かれてあるものがバイリンガル版ということである(通常の日本語版漫画だと一冊400円台くらいだと思う)。

TV版「のだめ」は全部みてしまったのだが、漫画版はほとんど読んでいない。実は二度ほど漫画喫茶で読もうと決意したのだが、結局読めなかったのである。(麻生総理大臣が『のだめ』はちゃんと読んでいると自慢してたので、挑戦してみたのである)。ところが、今度は楽しめた!(現在で#2を、3分の2読んだところである)。勝因は遅読である。ゆっくり読まないと新しい世界にはいっていけないようだ。TVでストーリーを分かっているからと言って、速読してしまったら、この漫画は楽しめなかったのである。

ちょっとだけ感想を書くと、TVとはちょっと異なる笑いのセンスも、また良いということ。それに漫画のほうが、TVよりも若い大学生の青春を感じさせる。でも、どちらも、何かに打ち込んでいる若者の姿が心地よいですね。

それから誰かも指摘していたが、漫画ののだめと上野樹里とは別物だ。漫画版はそれほど3枚目的な役柄ではないし、もう少し美人風だ。イメージが合うのは峰龍太郎と奥山真澄かな。それからシュトレーゼマン(ミルク牛)はうまくTV的にアレンジしたのだと感心した。千明はまあまあ。

ところで英語の勉強としては、バイリンガル版はどう評価しよう? はっきりいって、そういう目的ではあまり薦めない。たまたま英語ー日本語版がBookOffにあったら購入してしまったのであるが、やっぱり高いしね、それに誤訳もあるそうだ。(たしかに時々あれ?ということはある。私は気にしないですが)。

日本ものを英語で楽しみたい人は、むしろ、村上春樹や宮崎駿が良いんじゃないでしょうか。(別の機会にHaruki MurakamiのCD版を紹介したい)。

勝間和代『効率10倍ーー新知的生産術』

2010年03月23日 | 文房具と読書
効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法
勝間 和代
ダイヤモンド社

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同じく大野のBookOFFで105円で購入した本である。定価1500円だが、800円になり、ついに105円にまで下がり、私が購入することになったというわけだ。2007年の12月に出た本なので、およそ2年前の本だからこの価格ということなのだろう。勝間の本は情報収集法をメインとする。したがって、この2年間の時代の変化は、この本にとってやや致命的かも知れない。たとえばiPhone(やiPod)を中心とする情報機器についてはほとんど全く触れられていないのである。

次の柳瀬先生(広島大学)のブログをみてもらうと、新情報装置の重要性が分かるだろう。

個人的に言えば、ICーレコーダーと音声認識について、触れないのがケシカランと思う。勝間は音声認識を利用しているはずなのだ。

とはいえ、価値が全然無くなってしまったわけではない。勝間さんがどのように本を読むのかとか、それなりに読めるし、今でも有効な箇所も多い。

90頁を開けると、「月100冊、15万円使う私の読書投資法」というのがある。要するに、「大量の良書候補に触れること」と本をじっくり読まないことがその方法論だったりする。本の価格ごとに分類しているのも、まあ面白い。

しかし、ここは基本的に教育・塾のブログなので、勝間さんの主張をそのまま受け入れるわけではない。むしろ塾講師の立場から批判的に評価しちゃいます。というのは、勝間流多読法というのには、いくつかの前提条件があって、その前提が成り立たない場合は、うまく機能しないはずだからです。

まず、この本は一流大学を卒業したビジネスパーソン向きの情報収集法だということ。つまり一流大学を出ていない多くの読者さんには、残念ながら、勝間流の情報収集法・多読法がほとんど役に立つとは到底思えないのである。前述の中谷先生が学長をしていたT大学の卒業生には無意味だということですね。こういうのは英語の勉強でも全く同じで、基礎基本と精読修行が出来ていない人が英語の多読をやっても、ほとんど身に付かないようなものです。

逆に言えば、勝間の本がちょっとタメになるくらいの一流大学に入ろうよということでもある。

もう一つは、根本的に新しいことを学ぶときには、勝間流の多読法ではダメだということですね。勝間さんは会計学を専攻したのだから良いが、なにもやったことのないひとが、刺激を受けて多読法的なスピード重視の方法論で頑張っても、結局何も残らなくなる恐れがある。このことはいくら強調しておいても良いのではないか。

中・高校生に対して基礎基本の重要性を説き、一冊の参考書を繰り返し読み返すように我々は指導する。要するにこの多読法的方法論とは正反対のの方法論に基づいているわけです。もちろん大学になってから学ぶ専攻科目の勉強もそうだし、シリアスな文学書を読むときにも、同様。要するに「遅読的」に学ぶ方法論になっている。スピード重視では、新しい世界にははいっていけないのだから、しょうがないですね。(正確に言えば、遅読+多読です)。

勝間さんの本がダメだというわけではないけれど、学習方法論としては、ちょっと偏ったモノであることを読者はよく注意しなくてはイケナイ。さて、勝間さんの読者の実態はどうだったのだろうか?


後書き

今、風呂に入りながら、ちょっと丁寧に読んでみました。そこで分かったのですが、基本的には勝間さんの情報処理方法を綴った本だということですね。決してシステマティックではない。しかし読みにくいわけでもない。(アマゾンレビューアーで読みにくいという人がいたが、理解できない)。ただし、残る本ではないし、すごくインフォーマティヴというほどでもないですね。月10万円以上も本代に費やせる人の話は参考になりませんからね。20万部売れちゃったのは、いわゆるカツマー人気に支えられたからでしょう。

結論 100円だったら買ってみて損はないが、1000円以上出した人は己の判断力の悪さをちょっと恥じてもよいんじゃないだろうか。

松島×町山未公開映画を見る

2010年03月22日 | 文房具と読書
昨日の深夜、偶然みたのが松島×町山未公開映画を見る というTV番組である。この番組を見たのはたぶんこれで3回目だったが、いずれも非常に面白かった。

昨日のは”Steal a Pencil for Me"というものだ。第二次世界大戦時のナチス・ユダヤ人収容所におけるユダヤ人男女の恋の物語である。

こういう番組こそ、大学なり高校の英語の授業でとりあげてもらいたいものである。というか、私の塾でこその英語の授業でとりあげたいな。すばらしいので、ぜひ、みなさんもどうぞ。

大推薦。

中谷巌の「プロになるなら」

2010年03月22日 | 受験
中谷巌の「プロになるならこれをやれ!」
中谷 巌
日本経済新聞社

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今日は相模大野のBookOFFに行き、本を沢山購入した。ほとんどがハウツー本や参考書といった軽い本ばかりなのだが、100円なので気軽に購入できる。(こういう本を読んでも読書とはいえませんが)。

そのうちの一冊が『中谷巌の「プロになるならこれをやれ!」』である。ぱらぱらっとめくってみた。本書のキーワードはプロなのだが、それを「1万時間の勉強」というふうに定義している。本格的な勉強の積み重ねが人生にとって非常に大事なものだと私たちは痛感するわけだが、それを1万時間と明快に定義してしまったということが面白い。

しかし、今回のブログの目的は、中谷本の紹介ではない。むしろ、その根本的批判である。

中谷は当時、某T大学の学長であった。本書でもT大学についてとりあげられ、英語のシャワーを学生浴びせるのだとも書いている。中谷が学長を辞めた後でも、この大学では英語重視の姿勢は変わっていないようだ。英語オンリーの授業をするとか、ユニークな宣伝もあったりしたのである。一見すると、興味深い大学のようである。だが、ここは事実上のFランク大学だ。つまり小学校の高学年レベルの学力の生徒がたくさん集まっている、大学とは言えない大学なのだ。となれば、英語のシャワーなどということも、まったく機能しているはずがないのである。もちろん将来のプロを養成する大学ではありえない。

中谷という人は、自分の大学の実態を隠蔽しながら、美辞麗句を並べたのだ。つまり、この先生の書いている文章は、信頼に価しないということになるわけである。

学長という立場で給料をもらっている以上、嘘八百を並べなければいけなかったかもしれない。それは同情に値することかもしれない。だが、良心に恥じることは無かったのであろうか。

私たちとしては、嘘に騙されないような用心深さを身につけるしかない。T大学に合格して将来プロになろうなんて甘い考えをしてはイケナイのはもちろんのことだ。

国公立か私立か?(その2)

2010年03月19日 | 受験
前にも書いたが、国公立大学を希望する生徒はかなり沢山いる。私どもとしても、成績が良いのであれば国公立大学を勧めてはいる。しかし国公立大学は首都圏ではかなり狭き門なのだ。そのことは十分承知してもらいたい。生徒さんや保護者さんは、本人の学力状況を客観的に判断し、そのうえで国公立を望んでもらいたい。いつも私はそう思っている。


入塾してきた何人かの生徒もやはり首都圏の国公立大学の志望で、大手または個人の予備校・学習塾で数学や物理などの科目を最近までとっていたようでした。なるほど、国公立には数学は必要でしょう。しかし、国公立大学を受験しないのであれば、その勉強は受験的には不要になります。


首都圏で1番易しい国公立大学は、横浜市立大学だとか埼玉大学・千葉大学あたりでしょうか。いずれも、それなりに難関です。(それよりも易しいのは神奈川や埼玉の県立大学ですが、看護・保健の専攻に限定されます)。つまり、私立や県立の中堅進学校の普通の生徒では、ちょっと難しすぎるわけです。


国立も志望していた入塾生も、近いうちに国公立大学を断念し私立文系を志望するようになるでしょう。そうなると、高校入学後の数学の勉強はなんだったのかということになるわけです。もちろん数学を勉強することはすごく良いことです。しかし、わざわざ塾・予備校まで通って勉強したのは、やっぱりあまり賢明ではなかったと言わざるをえないわけです。


文系志望者の場合、とりあえず、高校2年生の6月か10月の段階で、英検2級に合格していてもらいたい。そうすれば日大レベルならば確実に受かるだろう。そのレベルの英語力を確保したうえで、さらに国公立大学や上位の私立大学を目指してみてはどうだろうか。(早慶だと10月で英検2級ではやや辛いと思うが)

逆に言えば、高校2年生の半ばで英検2級がとれないようでは、国公立大学を断念すべきではないかと思っている。


何故こんなことを書くのかといえば、中堅進学校に在学している生徒は、自分の学力の客観的位置を勘違いしてしまいやすいからですね。中堅校の内申成績がよいと、国立大学なら行けるかなあと「ユメ」を抱いてしまいがちになるわけです。しかし、いくら内部の成績がトップレベルだとしても、国公立大学はほとんど無理かもしれないのである。

あるいは、有名県立高校に合格できたのだから、今は成績が悪くても最終的には横浜国大くらいは何とかなるかなあと思ってしまいがちになる。だが、繰り返しになりますが、首都圏の国公立大学はムツカシイ!

私立中堅校の生徒さんに対しては、よっぽど成績がよいのでないかぎり、国立文系はなかなか勧められません。横浜翠嵐や湘南でも、真ん中より下の生徒さんならば、私立が現実的でしょう。厳しい現実も知って欲しいと思います。

英語の小説・物語の音声ライブラリー

2010年03月16日 | 文房具と読書
南フロリダ大学のLit2Goというネット・ライブラリーを偶然知ったのだが、大変有益な英語の小説・物語の音声ライブラリーである。形式はmp3である。さっそく塾のHPのほうにもリンクを置いておいた。


Alice's Adventure in the Wonderland やKipling, O.Henry, Doyle(Holmes)のようなものはもちろんのこと、Momotaro(桃太郎)まである。

単語数や難易度まで示されていている。ぜひとも聴いてもらいたい。


柴田武『常識として知っておきたい日本語』

2010年03月16日 | 受験
常識として知っておきたい日本語
柴田 武
幻冬舎

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この本も先日ブックオフで購入したものだ。もちろん105円である。中身は、「しっぺ返し」「とうが立つ」といった様々な表現についての蘊蓄(うんちく)と講釈である。

アマゾンでは酷評されているが、病院や銀行の待合室などのちょっと暇つぶしに最適な本だと思う。ただし電車でちゃんと読むのには向いていないかもしれない。音声可してあるのならば、満員電車で聴くのに悪くはないのであるが・・・。

なお、「現代文」の勉強をしたいのであれば、この本は全然役に立たないので購入しないこと。

日本語力養成講座の必要性

2010年03月15日 | 文房具と読書
最近塾生に英文解釈を教えていて痛感するのは、日本語力の充実の必要性である。たとえば、『基礎英文解釈の技術100』をやっていると、「平和の名のもとでの軍備増強」という言葉がでてくる。しかし、どういう事態を意味するのか、よく分かりづらいようだ。

難関大学の入試英語では、そういった難しい言葉がよく出てくるのがふつうである。つまり、和訳を読んでも理解しにくい英文がでてくるのだ。もちろん、日本語で読んで理解できないものは、英語で読んでもわからないはずである。

当塾では、基本的には日本語(国語)の授業はしていなかった。だが、これからは、高校生対象に、1対1ないしは少人数形式で、なにか新しく授業を設けることを検討している。とりわけ当塾で重視したいのは、語彙力養成である。英語長文を読む前に、あらかじめ日本語力を育成しておくのである。いずれにせよ、言葉の表面的な意味が問題なのではなく、その言葉が前提にしている思想的宗教的背景だとかストーリー(物語)を学ぶ必要があるのである。

検討しているテキストとしては、たとえば、

河合塾『ことばはちからダ!現代文キーワード―入試現代文最重要キーワード20』
出口・横山『早わかり入試頻出評論用語』

本の紹介『落ちたって、いいじゃん! 』

2010年03月13日 | 受験
落ちたって、いいじゃん! 逆転発想にこそ難関中学合格のカギがある
金 廣志
角川書店(角川グループパブリッシング)

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近くのブックオフに行ってきた。今日は単行本が500円の日なのだ。そこでみつけたのが、金 廣志『落ちたって、いいじゃん! 』だ。昨年の秋に出たばかりの本である。この金先生は、若い頃に赤軍派として活動しており、しかも高校中退というかなり変わった経歴の中学受験予備校講師である。だがそれはこの本の魅力の一部でしかない。単なるノウハウ本でもないし、自伝的エッセイに終始するというのでもない。

まだちゃんと読んでいないので、これから言うことが変わるかも知れないが、あえていってしまえば。。。中学受験を契機に、人の人生を考える爽やかな好エッセイ・ノンフィクションなのだ。


角川書店、1500円


かなりお勧めである。←と書いたが、もう少しちゃんと読んでみると1500円は高いなあという感想でした。無理して買わなくても良いです。古本屋で400円ならOKです。

英語教科書『プログレス』の音読速度

2010年03月10日 | 英語学習
写真は『プログレス21』(Book1)の128頁である。某女子校の中学1年に音読させスピードを測ってみた。

最初は2分23秒かかった。10回読むと25分、30回だと1時間15分もかかってしまうということになる。あとで計算すると218字だったので、約90単語/分である。

その後、もっと速く読むようにと指導したところ、だいたい1分42~45秒となった。これだと10回読むのに17-8分、30回でも50分くらいに収まる。なお約125単語/分の速度である。

音読速度の目標は、いい加減に書いてしまうと、1分20ー30秒前後ではないだろうか、つまり、10回読むのに15分、30回では40ー50分だ。だが、120単語/分でも及第だろう。

プログレスの模範の英語がどのくらいの速度なのか、今度調べてみなくてはいけない。ちなみに私が早口で読んでみたら55秒であったが、これは模範ではない。


今回の測定で感じたことは、ある程度速く読む為には緊張感が必要だと言うことだ。毎回時間を自己測定させるのがよいかもしれない。いずれにせよ、90単語/分ののろのろ運転で読んでいてはいけないのだ。

他の生徒にも時間測定をしてみようと思う。

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余談 この冬にシチズンの腕時計を新調した。これは30分までのクロノスつきなのだ。とくに使用目的は考えていなかったが、英語の勉強に役に立つことになって、良かった!

アマゾン書評の読み方

2010年03月08日 | 文房具と読書
私が一番利用している本屋は、しゃくだけれども、やっぱりアマゾンである。bk1も出来るだけ利用するようにしているが、やはりアマゾンのほうが品揃えがよかったり、配達が速かったりと便利な場合が多いからである。

アマゾンのようなネット通販で本を買う場合の最大の問題点は、あたりまえのことだけれども実物を見ていないということにある。そうすると、どうしてもカスタマーレビューに頼ってしまいがちだ。だが、このカスタマーレビューというのが大いにクセモノなのだ。アマゾン側が恣意的な取捨選択をしていることがあってケシカランという話はさておくが、「カスタマー」が問題なのである。一つはカスタマーに読解力が欠如している場合だ。とくに文学関係の評価ではカスタマーは全く信用ならないのである。だが、受験関係や学習参考書となると、ちょっと全然事情が異なっている。というのは、売り上げ工作員が一般カスタマーのふりをして書き込みをするのである。

実は、昨日および今日bk1から届けられた本なのであるが、そのうちの一冊はヒドイ本だったのだ。そう、つまり、アマゾンの工作員の工作にまんまとひっかかってしまったのである。

松原一樹『9割受かる勉強法』という本です。

アマゾンのレビューではすごく高い評価ですよね。しかもダイヤモンド出版という大手の会社です。しかし、中身は典型的な水増しです。ちょっと気の利いた言葉もないわけではないので、最低最悪の本とは申しません。しかし、1500円支払う価値のある本では全然無いのです。せいぜい10分立ち読みすれば充分かなあという感じの内容です。皆さんもブックオフで105円だったら購入してみても良いでしょう。(←後でもう少し丁寧に読んでみましたら、やや酷評過ぎたかなと思います。古本屋で300円ならば別に損しません。とくに新しいことが書かれているわけではないですが)そんな感じです。ところが、複数の工作員の参入で、これまでにない素晴らしい本であるかもしれないなとも思わせてしまうわけです。

この本の中には、こんな見え透いた嘘の文章さえあります。

高校2年の終わりには、「東大A判定」でしたが、「人間科学」を専門的に学ぼうと決めた僕は、「早稲田大学の人間科学部」を志望。 (15ページ)

東大A判定の人が早稲田の人間科学部を志望するなどということは100%ありえないと断言できます。早稲田の文学部や政経学部を不合格になった人が進むのが、早稲田の人間科学部だからです。

まあ、そんなことは、宜しい。要するに私は無駄金を使ってしまったのです。


しかしアマゾンの書評が全く頼りにならないかといえば、必ずしもそういうわけではありません。今井康人『英語力が飛躍するレッスン―音読・暗写・多読のメソッド公開』は、書評通り良い本です。もっとも今井先生のこの本はうさんくささがまったくなく、の要素は全くありませんでした。ふつうに勧められる良書です。





余談ですが、工作員によって必要以上に低く評価されている本もあります。大々的なネット広告戦術で「目立っている」T田塾が反感を買い、バッシングにあっているのですね。私自身はT塾の本を購入する予定はないし、お金を支払ってまで読もうとは思いません。しかし、T塾への非難はやや行き過ぎたものであることは否めません。

ネット・リテラシーの育成は、これから大事な教育課題となっていくのでしょうね。

後期合格! ホッとしました。

2010年03月08日 | 受験
中一英語からはじめてMARCHに挑戦したS君から今日のお昼間電話が掛かってきました。MARCHは全滅してしまいましたが、後期の試験でなんとか滑り止め大学は合格したようです。A判定レベルの安全校なので本来ならば当たり前のことなのですが、ひとまずはホッとしました。

実は、前期試験において、GMARCHだけでなくB判定の大学も落ちてしまっていたのです。受験というのは、恐いものです。落ちてしまったのは1)試験慣れしていない、2)疲労がたまっていた、3)急速に実力をつけた無理がたたり、緊張感のなかで実力を発揮できなかった、ということなのでしょう。

志望校に合格できなかったのは残念ですが、中一英語からがんばったことを考えると、それでもやっぱり大きな成果でした。明日以降も良い知らせがあることを祈ります。