以前からも時々言及したりしましたが、「
松嶋×町山の未公開映画を観るTV」というのが東京MXテレビでやっていました。先月には放送が終わったのですが、なんと再放送が同じ時間帯にはじまっています。
時間は、TOKYO MXで毎週金曜日23:30 - 24:30。です。(今日は金曜日の夜、あるいは土曜日の朝なので、さっき番組が終わったばかりだということになります)。
当塾では、受験生や高校生に大いに視聴を勧めています。英語の勉強になる教養番組であるばかりでなく、英語・社会・国語・小論文対策としても大いに役に立つものとなっているからです。
どういう順番で再放送が放映されるか分かりませんが、とりあえず最初のほうから紹介しましょう。
第1回-2回
Wal-Mart: The High Cost of Low Price
『世界一の巨大スーパー・ウォルマート、その闇』
巨大スーパーである
ウォルマートが、地元の零細・中小の小売店を破壊し、従業員を安い賃金でこき使う話です。(再放送は終了)
第3回-第4回
The Yes Men
『グローバル化に逆らうお笑いテロリスト』(再放送は終了)
WTO(世界貿易機構)やグローバリゼーションによって開発途上国の人々への暴力や奴隷的搾取が強化されています。これに対してお笑いテロで立ち向かうTHE YES MENの記録です。続編もありますのでお楽しみを。
第5回第6回
Maxed Out
『貸しまくる人々~カード地獄USA~』 (再放送は終了)
クレジットカードでローン地獄に陥るアメリカ人の問題を突いた作品です。現代資本主義の病理を問題にしたものであります。また例の住宅ローンの焦げ付きから生じた金融危機の背景を明らかにしたモノです。(私は未見です)
第34回
Where in the World Is Osama Bin Laden?
『ビン・ラディンを探して中東アジアのテロ最前線に突撃!』
『ビン・ラディンを探せ! ~スパーロックがテロ最前線に突撃!~』
第34回ですが、2011/05/20-21放映されたのは、おそらく、これだったと思います。テーマ的にこちらを優先したのでしょう。映画が作られたときには、もちろんビン・ラデンは生きておりました。さて、ビン・ラデンを一ドキュメンタリー作家が探すというのはジョークのような話ですね。しかし、実は
リベラル派の政治的啓蒙映画としてよくまとまったノンフィクション作品です。つまり、アメリカ人がもっているイスラム教徒への偏見を揺さぶり、中近東など(エジプト人など)の人たちも本当は普通の人たちなんだよと訴えかけてきます。他方、アメリカと縁の深いサウジアラビアがかなり閉鎖的な国であったりとか、イスラエルのユダヤ人の偏狭さも浮き彫りにしています。
私などが観ているとちょっと図式主義的でおもしろみが足りないようにも思えないわけではありません。しかし、「リベラル」「原理主義」「イスラム教徒」といった、超基礎的概念に理解への一歩には、非常に素晴らしい教材だといえるでしょう。そういうわけなので、これもオススメです。、
第7回ー第8回
Jesus Camp
『アメリカを動かすキリスト教原理主義の実態』
『ジーザス・キャンプ~アメリカを動かすキリスト教原理主義~』 2009年5月17日
アメリカの南部諸州では今なおキリスト教原理主義勢力が根強いものとなっています。彼らを理解することはアメリカの草の根右翼を理解するためばかりでなく、キリスト教という宗教について認識を深めるのに重要なので、できるだけ多くの人が観てもらいものです。なお、
原理主義とは、聖書の文章を文字通りに信じている人たちのことです。アメリカの多くの州でダーウィンの進化論が危険思想とされ学校教育では禁じられているのも、ダーウィン思想が聖書と矛盾するからです。ちょっと日本人には理解にしにくいかもしれませんが、まあ、観てください。(なお私自身も留学中にキリスト教への入信を勧められましたが、彼らによると、キリスト教の正しさの根拠はトルコでは「ノアの方舟が見つかった」ことから証明されるのだそうです)。
今回はこれまで。