林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

『シリウス発展編』の例文暗唱で英語基礎が身につく

2012年12月24日 | 英語学習
今年の春に入塾したのは、中堅レベルの高校一年生だった。学校は栄光と同じくらいの猛スピードで難解教科書をどんどん進めていく。だが残念ながら、ペースが速すぎて親切な指導方針ではなさそうだ。

春からの個別指導は、英文法学習の徹底だった。もちろん『シリウス発展編』を用いる。この問題集は、いわゆる問題集として用いたりはしない。中にある例文を何度も音読してもらい、インプットしてもらうこと。そして、その和訳を聞いたら、すぐにその英訳が口について アウトプットできるようになるまで頑張ってもらうこと。もちろん、必要に応じては文法事項も説明できるようにすること。

彼はどんどん英語例文を覚え、こちらの質問にパッと英語で即答できる。こうして『プログレス発展編』が3冊すべて秋には終了した。英語の成績もそろそろ良くなっている頃だろうと聞いてみると、実力テストでは20番以内に入ったという。確かな文法力が身についたからであろう。

あと一歩で私立上位高の生徒にも追いつく。期末テストの成績がまだまだなのは、英単語力が不足しているからだ。しかし、英文法の基礎がおおよそ確立したので、これからの伸びには大いに期待できる。語彙を覚え、英語長文に取り組むだけで良いのだ。

高二の早い段階で英検2級に合格できる見込みが立ったといえる。あとは、英検2級(高二、春)→センター試験150点(高二、秋・冬まで)→私立難関・国立二次(高三)と進めていけばよいのである。


東大式個別ゼミ
東林間から徒歩4分
英語個別指導

落ちこぼれの生徒、ついに国立大学・射程圏に入る

2012年12月20日 | 英語学習
今年の春に入塾した生徒たちだが、秋以降、成績を大きく伸ばしている。

1人は、入塾当時は後から数えて20番だとか30番だとかになっていた。すでに中三なので、学校の補習をできる段階ではない。そこで当塾では基本を忠実にということで、『シリウス発展編』の例文暗唱だけをしっかりとやらせた。

まだまだ語彙は少なく、長文読解力は劣る。だが、『シリウス発展編』で鍛えたので、さすがに英文法=英作文力はあった。今回の駿台模試では英作文で素晴らしい得点を取り、英語の総合点でも校内順位で平均以上の位置まで大躍進してしまった。英数国総合だと、さらにずっと良い成績だ。彼は、成績アップに促され、国立大学を目指して頑張ること決めたようだ。

上位校の語彙力の秘密(その1)

2012年12月18日 | 受験
中堅進学校の生徒に英文解釈を教えていると、驚くほどある種の語彙力が少ないことに気づかされる。例えば、the WestとかWesternといった言葉を知らない。ほとんど全ての中堅校の受験生は、「西」とか「西では」と訳してしまう。WESTという単語から、「近代」とか「西洋文明」といった、普遍的な性格を持つ概念を読み取ることはできないのだ。つまり、東西南北の西というふうにしか理解できないのである。

センター試験までのやさしい英語では、これでも何とかなる。しかし、やや評論文はダメだ。

たとえば次の文章を見てもらいたい。「例をあげますと、明治以降、全ての分野において、日本は西洋を唯一の物差しとして考えてきた。これが絶対的思考でしょう。それが行き詰まると、今度は西洋と東洋という二つの物差しで物事考えるようになる。となれば、これは相対的な思想ですね」 ( 出口 汪『早わかり入試頻出評論用語 』より)

ある程度の語彙力を持っていれば、けっして難しい文章ではない。しかし、「西洋」及び「東洋」という言葉を全く理解できない読者を想定してみよう。かなり厳しいはずである。ましてや、もしこれが英文であれば、ほとんど全く理解できないはずである。

問題は、彼らがWESTの言葉の意味を知らない事ではなく、日本語の「西洋文明」の意味を知らないということである。日本語でもよく分からない文章は、英語で理解できるはずがない。つまり、日本語の語彙の力が決定的に欠如しているがために、英語力向上に限界が訪れててしまうのだ。

具体的にいえば、センター試験150~60点くらいまでならば、日本語の語彙力が少なくとも何とかなる。日東駒専も受かるだろう。しかし、国公立大や明治学院や成蹊大学の英語の問題は読めなくなる。

では、どうしたら日本語の語彙力を豊かにする事ができるのだろうか。今回、神奈川の御三家に通う高校一年生の生徒の定期試験を見てみると、そのヒントが見付かったような気がした。中堅校の生徒が習得できず、上位校の生徒が簡単に習得できてしまう語彙力。その秘密を探ってみたい。(続く)

ファーバーカステルのペンシル(グリップ2011)

2012年12月14日 | 文房具と読書

11月12月になってくると当塾のような個別指導塾は俄然忙しくなってくる。大学受験生の過去問演習が本格的に始まるからだ。私でも教える方も、ちょっと時間的余裕があればいつでも過去問を解いている、そんな感じになる。受験生1人ひとり受験する大学学部が異なるので、その分問題文をたくさん読まなければならない。

さて、私は普段万年筆ばかり使う万年筆党だが、この時ばかりはペンシル使う。三菱ハイユニの鉛筆(Bか3B)やカランダッシュの芯ホルダー、あるいはぺんてるのグラフ1000(製図用シャープペンシル)を使うことも多い。しかし一番使いやすと実感しているのは、ファーバーカステルのグリップ2011である。

太めの長い三角軸でとても軽い。長時間ペンシルを握っているときにはもっとも疲れない形だといえる。芯は0.7ミリで通常の0.5ミリよりも太いが、これも特筆すべき点だと思っている。そして、最大の特徴は、滑り止めのラバーがドットになっている事だ。グリップの部分が全面ラバーで覆われていると、滑りにくく握りやすいかもしれないが、べたついてちょっと気持ち悪いという気になったことはないだろうか。その問題を、このペンシルはうまくクリアーしている。滑りにくいが、べたつかないのだ。

問題は、いわゆる高級ペンシルというわけではないのに、定価2100円とちょっと高いことである。私は以前ネットで安いものを検索してみたのだが、送料込みで安いお店はなかなか見つからなかった。しかし、ようやく見つけることができた。エンオークさんのところでは何と送料込みで1280円なのだ。すでに我が家では日本購入し、今後さらにもう1本購入する予定だ。皆さんにもお薦めしたい。



AmiVoiceSP2にテキストを読み上げてみる

2012年12月06日 | 文房具と読書
昨夜に引き続き音声認識ソフト AmiVoice SP2の認識変換です。今日は、何冊かの本を読み、それがどのくらい正確に認識されるのか調べてみました。

認識率という時、修正を全くしないでどのくらい正確に認識し適切にかな漢字変換するのかという考え方もあるだろう。しかし今回は、本を読み上げてそれを認識する企画なので、やや音声認識ソフトに甘くしていく。キーボードを使わないで簡単に修正できるのであれば、合格という見方でいきたい。

例えば、「コセイブツガク」と発音して「小生物学」と認識されたとしよう。しかし、「小」の部分をクリックすれば簡単に「古」が出るのであれば、そのことについては明示しないでおく。

というのは、ユーザー(発話者)にとってあまり馴染みのない文章を読み上げるときには、どうしても簡単には正しい変換が出にくいからである。音声認識ソフトに対してあまりに過剰な期待をかけるわけにはいかない。

最初に選んだ本は、ウォード『恐竜はなぜ鳥に進化したのか。―絶滅も進化も酸素濃度が決めた』(文春文庫)

92ページ

動物の起源がこの物語の出発点である。動物の門が最初に多様化した時期、つまりいずれかの最初の祖先動物が数多くの種類の動物[+へと]分岐していった時期のことだ。その時期について非常にかしましい論争があり、二つのはっきり異なる系列の食[←証拠]は、全く異なった見方を示している。一つの系列は、各地層から出現する化石のパターンから出てくるものであり、もう一つの系列は、県政[←現世]動物の分首都圏[←分子時計]の研究に依頼[←由来]するものである。本書では、古生物学的なられる[←あらゆる]など[←謎]の中でも最大の謎の一つ、すなわちカンブ嫌気[←リア期]大爆発において動物の体制の急激な体様化[+を]引き起こしたもの[←は]何かという疑問を解く[+て]がかりとして、それらの証拠を検討してみることにする。

最高の音声認識結果だったとは言わないが、音声認識ソフトの認識能力はかなかなレベルだったと思う。うまく認識できていない箇所というのは、音声認識ソフトの責任というよりは、発話者(私)が正確に発音できなかったように見えるからだ。

次に取り上げるのは、村上春樹×小澤征爾『小澤征爾さんと、音楽について話をする』(新潮社)の318ページである。

そのようにして、受講する生徒だ[←た]ちは、みんな朝から晩までほとんど休みなく、みっちりと鍛えられる。文字どおり音楽漬けの日々だ。でもみんな何しろ20代の若い男女(女性の方がすこしばかりを言っ[←多い])だから、忙しい中でも何とか今[←暇]を見つけてせっせと斉唱[←青春を]楽しんでいる。食事もみんなでワイワイ騒ぎながらたべる。練習が終わってから町のバーに繰り出し、盛り上がったり、リラックスしたりする。当然のことながら、いか[←いくつか]のロマンスカー[←が]生まれたりもするみたいだ。


これは速くで読んだからだろうか、ちょっと誤認率が高いような気がする。そこで別のページを読んでみる。今度は小澤征爾と村上春樹の対談の部分、192ページである。


小沢「ドライバ[←クライバー]を[←は]よく勉強する人だったし、よく曲を知っていました。でもね、トラブルを起こす人で、ベルリンでベートーベンの4番を踏んだ[←振った]時でも、やるやらない、やるやらないで毎日の[+よう]にもめていました。僕は彼としたしかったんで、その時の次第を近くで見ていたんだけど、比べ[+クライバー]はね、何とかして自分が指揮するのやめる効率[←口実]を探してるみたいに、僕の目には見えた」

村上 「小沢さんは指揮をキャンセルした事ってあります?」
小沢「今回のように病気でキャンセルした事はある。でもすこしくらい熱があっても、だいたいは我慢してエッチ予報[←やっちゃう方]です」



小澤征爾の名前は一括変換でできたが、かつてのカリスマ指揮者クライバーの名前は出てきませんでした。これは止むを得ない。単語を登録させておけばこれから問題なくなるはずです。


今度は富士ゼロックスの無料雑誌『グラフィッケーション』(2009年、165号)から赤木昭夫「南北戦争の怨念」という歴史エッセイの一部を読み上げてみる。

南北戦争当時、すでに南北の工業力の差は明らかであり、短期戦はともかく長期戦になれば南軍[+に]勝[+ち]観[←目]は無かった。南北にどれほどの工業力の差があったかは、森の郊外に残る当時の製鉄炉[+を]見れば分かる。バージニアでは、近辺の山に小さな鉄鉱石の6等[←露頭]があり、石炭も石灰責務[←石]もたくさん取れたので、それらで血[←鉄]を作り、当時の南部の首都立地問答[←リッチモンド]に船で送って逮捕[←大砲を]つくっていた。しかし、北と南値方[←の大砲]の数の差は4対1くらいと、圧倒的に来た[←北]が勝っていた。


今度はちょっと認識率が低いんじゃないかなという気がした。大砲とリッチモンドが出ないのは仕方ないとは思うが。

本や雑誌の一部を読み、それをテキスト化するというのには、まだまだハードルが高いのかもしれません。もっとも、 iPhone で簡単にスキャナできる時代ですから、本をメモ書きするのに音声認識ソフトを利用する必要性はあまり高くはないのですが。

以上。

誰にでも勧めることのできる音声認識ソフトAmiVoice SP2の登場

2012年12月05日 | 文房具と読書
AmiVoice SP USBマイク付
クリエーター情報なし
エムシーツー


AmiVoice SP の新しいバージョン AmiVoice SP2がついに、2012年11月30日に発売されました。私は、このソフトのモニター(USB マイクロフォン附属タイプ)になることができましたので、早速実験してみました。もちろんこの文章も、 AmiVoice SP2を使って書いています。

一) ヘッドフォン・マイクが素晴らしい。

私は AmiVoice Es 、 AmiVoice SP とこの音声認識ソフトのシリーズを最初から使い続けています。うち、マイクロフォンつきを購入したのは初回の AmiVoice Es の時だけですが、この時のマイクはやや質の低いものでした。しかし、今回の SP2の USB マイクロフォンは、なかなか良い感じですね。(1)音声認識の際にとくに問題になるのは、口から5センチくらいまでの距離を保ち、かつ息が直接にかからないような位置にマイクロフォンが配置されることです。この点、このヘッドフォン・ USBマイクロフォンは安定感があります。(2)ヘッドフォンマイクロフォンの最大の問題は、頭が締めつけられる事です。しかし、このヘッドフォン・マイクロフォンについてには、不快感がほとんど感じられません。ささいなことのように思われるかもしれませんが、現在の音声認識にとってはきわめて重要なことです。(3)スカイプなどへの配慮も行き届いている。

二) 認識率が旧バージョンよりも格段に良くなっている。

AmiVoice Es から AmiVoice SP へのバージョンアップの時には、認識率の向上はさほど感じられませんでした。しかし、今回の SP から SP2へのバージョンアップは違います。びっくりする程の性能アップです。

従来の音声認識も大変便利なものではありました。しかし、私のような音声認識ファンでも、不愉快な気持ちなる時もありました。けれども今回の新製品は、音声認識が実に快適です。多くのパソコンユーザーに文句無しに薦められると宣言して良いでしょう。

三)やや旧式のパソコンや、安価なマイクロでも、十分実用的に使える。

ちょっと気になるのが、パワーの落ちるパソコンで使えるのか、あるいは、附属の USBマイクがどうしても必要なのか、と言うことです。そこで試しに4年くらい前に購入した Windows XP のパソコンにもインストールしてみました。結論的にいうと、十分に使えます。

500円未満の安いマイクではどうなのか。まずは、マイクジャックに差し込むスタイルで試しました。が、残念ながら誤認識が頻発で駄目でした。そこで、そのマイクをUSBオーディオ変換アダプタを通して音声認識してみると、今度は非常によく認識してくれました。

結論的に言えば、パソコンは多少パワー不足でも大丈夫、安価なマイクロフォンも USB 接続であれば問題なし、です。ただし、音声認識の初心者であれば、ヘッドフォン・マイクロフォンつきの AmiVoice SP2を購入する事を勧めます。

四)「を」「に」「は」といった助詞や”」”を簡単に入力できる。

音声認識ソフトのちょっと厄介な点は、「を」のような助詞が抜け落ち易いことです。しかし、 従来の製品では、「を」だけを音声認識で付け加えようとしても、なかなか認識してくれませんでした。また、"「"は認識してくれても、"」"はなかなか認識してくれませんでした。しかし、今回の新製品ではそれらの問題をすべてクリアーしているようです。

以上で初日の簡単なレポートを終えたいと思います。今後は音声認識の実験結果について、いくつか書き加えていきたいと思います。例えば、本を読んでそれを音読した時にどのくらいの精度で認識してくれるのか、あるいは、 IC レコーダーを使った音声ファイルについてどのぐらいの認識率があるのかといったテーマです。

追加
五)ICレコーダーによる音声ファイルもかなり使えそう。

待ちきれなくなって深夜実験してみた。以下は、旧式パソコンに旧式ICレコーダー(七年前発売のSony ICレコーダー)という組み合わせで音声ファイル(WAVファイル)の音声認識を試みたものです。修正は無しで、そのまま載せてみました。よどみなく文が出てくるときにはかなり便利だということがわかります。(言いよどんでいるときには、音声認識率は悪くなる)。


音声認識の二つの可能性としては、0[←不要]本を読んだときに
その本の内容をメモすることが可能になるということです。
つまり、
重要な箇所について本を朗読し、
その音読音声によっては、
文字化はテキスト化することはできるならば、
適当な
%えー%ほんのノートといったものができるはずだから。
もちろんその他にも、写真にとって
島とか[←しまうとか]、
いろんな人[←やり方]とあろうかと思いますが、音声認識も一つのやり方として
参考になるはずです。



以上


学校によって英語教育はかなり違う。

2012年12月03日 | 英語学習
うちの塾には様々な私立中高一貫校や、県立高校あるいは公立一貫校の生徒が通ってくる。学校での英語教育について聞いてみると、各学校の教育方針によって多様性があると思わないわけではない。しかし、教育方針のかなりの部分は、校風というよりはむしろ学校に通う生徒の学力水準によって規定されているという印象を受ける。

良い英語教育が実施されていると思われる学校というのは、いわゆる偏差値的に上位の中高である。つまり、英語教育の王道を歩むことができるのが上位校であり、それができないのが中堅校以下だという印象を受けるのだ。何だか当たり前で当たり前すぎて申しわけないような観察なのだが、率直に言ってそうなのである。


良い英語教育というのは、まずは基礎力を重視しているということだ。いたずらに先を急がない。やさしい英文を完全に身につけるようにゆっくり進む。もちろん、なるべく落ちこぼれが出ないように、生徒全体を引き上げようとする姿勢があることが望ましい。以前、中堅校をあるいはそれ未満なのに『プログレス』や『バードランド』あるいは『ニュートレジャー』などを採用している学校があると書いた事があるが、それらの中堅校はいずれも基礎学力を軽視し、落ちこぼれが幾らでても構わないと暗に示しているのだ。

だがそれ以上に興味深く思えたのは、個々の教師に学習者へのサービス精神があるか否かという問題だった。というのは、上位校の学校の先生方は、非常に親切な補助教材を作り、それを生徒に配布していることがわかったのからある。たとえば、麻布・栄光・浅野といった中学の先生方は、非常に丁寧なプリントを生徒に配布している。とくに有り難いと思えるのは、教科書に出てくる新出語彙について丁寧でわかりやすい語彙表を配ってくれる点である。だが、私立中堅進学校では、そういう配慮は全くない。逆にわからない単語の意味を辞書で調べてこい、といった因習的な宿題が出されてしまう。英和辞典で単語の意味調べをしている暇があったら、音読筆写・暗記暗唱をすべきだと思うのだが、そういう学習者の配慮はない。むしろ、意味不明の提出課題だとか宿題が増えてしまうだけなのである。

なぜ、上位校の英語教師はわかりやすい解説を配布し、中堅校の教師はそういうサービスをしない傾向にあるのか? その本当のところは部外者の私にはわからない。だが、それが現実だ。