林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

英語教科書『プログレス』どうする?

2014年03月27日 | 教養英語
今回も、inter-eduに掲載したブログの再掲ですが、どうぞよろしくお願いします。

そろそろ定期テストが終了した人、
真っ最中の人、これからの人、
いろいろいらっしゃると思います。
今日は、多くの私立校で採用されている
『プログレス』『ニュートレジャー』『バードランド』
などの英語教科書について少し書いておきたいと思います。

通っていらっしゃる学校が四谷の偏差値60未満の学校で、
上記のような難解教科書を使用している場合は
注意が必要です。

すでにご存知の方も多いと思いますが、
かなり高度で濃密な内容になっています。

それでも、厳しい受験を切り抜けてこられた
お子さん達には、しばらくの間は学力の「貯金」
があります。だから、初めのうちは、なんとなく
先生の言っていることは理解できるし、それなりに
問題も解けるし、表面上はあまり問題なく
時が過ぎていくことが多いかもしれません。

事の重大性に気づくのは、早い方で中2の今頃、
少しのんびりした方で中3の今頃でしょうか。
「あれ?なんかおかしい・・・」

1. 学校の英語の教科書がプログレス等難解教科書
2. 入り口での偏差値が60未満(四谷大塚模試)の学校に通っている
3.親がきちんと英語を教えてあげられない



以上の条件に該当し、かつ、将来は絶対に
MARCH以上の大学に合格したい(させたい)
という確固たる目標がある場合は、早めに
信頼できる先生に見てもらった方が無難です。
(決して営業トークで言っているのではありません。)

これらの教科書は本当に濃密ですから、
最初は気にならなかったほんの少しの取りこぼしが
あっという間に膨大な量になり、完全に消化不良を
起こしてしまうという事態になりやすいです。
放置期間が長くなればなるほど、事態は
深刻になります。

あんなに必死で勉強して高いお金を払って
学校に通っていても、結局は公立上位校の
生徒には追い越されてしまう、ということは
決して珍しい事象ではないでしょう。
もちろん、そうはならない方がいいに
決まっています。

そのためには、やはり、早期に
(出来れば中2くらいまでに)準備する
ことがコツです。

当塾の一例ですと、お母様ご自身が
中学生時代に『プログレス』で苦労なさった
ご経験をお持ちで、お子さんには中学合格直後の
2月から英語の勉強をスタートさせたという
ケースがあります。入学後、多少のアップダウンは
ありましたが、今は成績は安定し習熟度別で
最上位クラス(高校生)、河合の模試でも
偏差値70ほどあります。

では、どうすればそのように順調に伸びる
のでしょうか?その秘訣は、逆説的ですが・・・

「プログレスを攻略したければプログレスから離れなさい。」

英語に限りませんが、しっかりとした
実力を身につけるためのコツは
「基礎のマスター」。当たり前のことですね。
しかし、プログレスはどうでしょう?
基礎をマスターするには英文が難しすぎます。
一文一文に余計なお飾りが多いのです。
一例を挙げておきましょう。

Lifang : My grandmother arrived at the airport yesterday.
Mr.Black: From China?
Lifang : Yes. We arrived there an hour early,
but her plane landed an hour late.
Mr.Black: So you waited for two hours?
Lifang : Right. We watched the planes and enjoyed it.
(PROGRESS IN ENGLISH 21 BOOK 1 LESSON 10. Scene1より)

これは、中1の1学期あるいは2学期に学習する
「動詞の過去形」の章です。
一見簡単に見えるかもしれませんが、
1年生ですから案外苦戦します。
どこにひっかかるかおわかりでしょうか?

まず、下線部分 an hour early , an hour late,
という副詞句の部分です。

「1時間早く」「1時間遅く」と対応させて
副詞句を覚えましょうというメッセージは
素晴らしいと思いますが、非常にエリート主義的
ですね。

ここは動詞の過去形を覚えて過去の文章を
しっかりとマスターすることがポイント
の章ですので、文末におく副詞(句)は
もっとシンプルなものにしてくれた方が
習得しやすいはずです。

このようなややこしい表現が来ると、
普通のお子さんには、あるいは、
漠然とした指導を受けるだけでは
英文のポイントがぼやけてしまいます。
(例えば試験対策及び実力養成のために
本文暗唱をする際に、副詞句の方に
意識をとられ、結局核となる部分が
ぼやけてしまうのです。)

次に、So you waited for two hours?
という部分。

この段階では過去の動詞が
使用されたときの疑問文は未習ですが、
肯定文の形で「?」をつけることで
疑問文として読ませています。
会話表現としては普通かもしれませんが、
これも、普通の1年生にとっては
混乱を招きやすいでしょうから
避けてほしかったですね。。。
(もちろん、プログレスは語学的センスの
よいお子さんを前提にしていますから、
本当はこれでよいともいえるのですが、
学習者の全員が語学的センスに
長けているわけではありませんからね。)

学校の定期テストで点をとるためには、
(もちろん、英語の実力をつけるためにも)
教科書の本文を暗唱するというのは
非常に有効な学習方法です。だから、
上記のような英文もしっかりと
音読をして暗唱すれば点はとれるはずです。
しかし、何事にも段階があります。
とるべき段階をきちんとふまえずに、
やみくもに上記のようなややこしい英文を
暗唱しても労多くして功少なしという結果
になるだけです。(例えば、定期テスト
では点がとれるけれど実力テストでは
さっぱりダメ、とか。)

まずは、以前のブログ記事にご紹介したような、
シンプルだけれどしっかりと意図的に作られた
基本構文が即座に流暢に口から流れ出てくる、
その段階まで土台をしっかりと作ることこそが
プログレス等難解教科書攻略の「はじめの一歩」
であるということを強調したいと思います。
(プログレスのLOOKにある基本構文も
悪くないですが、あれでもまだやや難しいと
感じる生徒さんも多いようです。それから、
例文の数があまりにも少ない。)

「プログレスを攻略したければ
プログレスから離れなさい。」


当塾を訪れる生徒さんたちには
全員にこのことをまず初めに
お話します。そして、このことを
素直に受け入れるお子さんほど
成果が出やすいのです。

ある男の子ですが、完全に私たちの
アドバイスを受け入れ、さらには受け入れすぎて、
『プログレス』の補習は全くしなかったにも
関わらず、入塾10ヶ月ほどで定期テストで
平均点を20点超えたという例もあります。
(もちろん入塾当初は深海魚クンでした。)

「基礎のマスター」・・・当たり前のことです。
当たり前のこと、きちんとできていますか?

by isoroku

小田急江ノ島線東林間徒歩3分
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