林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

東大英語対策:基礎的単語の意外な意味(2)

2014年10月21日 | 教養英語
英文解釈や英語長文ではどういうところに注意したらよいのかというと、実は学習者によって大いに異なります。英文法に注意しなければならないタイプもいれば、文章全体の流れに注意しなければならないタイプもいる。あるいは、長文を読む読書体力が脆弱なタイプもいるというわけです。

当塾の何人かの生徒は、英単語を読み間違えてしまうという弱点を抱えています。英単語力そのものがないというよりは、単語を読み間違えるタイプです。たとえば、carve(彫る)をcurve(曲げる)と読み間違えてしまう。こういうタイプの学習者には、その弱点に相応しい参考書・問題集があります。たとえば、小川貴宏『ライジング英語長文読解』がその一つです。この長文問題集は、おそらく著者が英語辞書学の専攻だからなのでしょう、単語解説だけは非常に詳しい。(写真参照のこと)。ちょっとあまり見ないタイプですね。しかし、英単語の誤認をしがちな学習者には非常に有り難い参考書です。英文を読んだ後に英単語の解説をざっと見直せば、自分の英文読解に致命的な誤りがあるのか否か発見することができるからです。(あるいは、本文を読む前に英単語の解説を読んでも良いでしょう)辞書引きの手間が省けるし、和訳のような時間と労力のかかる作業は不要という訳です。解答に至るプロセスについての詳しい解説は乏しく、万人にはお勧めできる参考書という訳ではないですが、中古で安く買えますし一つの選択肢だと言えます。

さて、それでは、2014年の東大入試のように、”case”という単語を訳させて、「事例」でも「実情」でも正解にさせない、そんな問題を集めた参考書なり単語帳はないものでしょうか? 盲点となる意外な語義を集めているような参考書・問題集です。今年は東大受験生が当塾にいて、そんな本を探していたのでした。よく探してみると、実は昨年(2013年)購入した本の中に、ぴったりの参考書があったのです。小貝勝俊という先生が書いた本で、本のカバーには「趣味は英単語や英熟語の真の意味を探ること。意外な単語や熟語にプラスやマイナスの意味が存在していることを見つけるのが至福の時だという」と紹介されています。ぴったりの著者だと言えそうです。

本のタイトルは『奇跡の「東大の英語ーー中学生レベルの単語でできる英語上達法』。当初の購入理由は、amazonのレビューで好評だったでからです。そして、レビューアーによれば、「東大をめざす生徒諸君よりも、ある程度英語ができる社会人たちへ向けられたもの」ということです。実は私も、そういう本のつもりで購入していました。しかし、少しだけ丁寧に読んでみれば、一度通読して終わりにするのは、あまりにもったいない本であることがわかります。タイトル通りに「中学生レベルの単語」の隠れた意味について学び、繰り返し読んだり、単語ノートに書き込んだりするのにもぴったりなのですね。そして、こういう本はあまり見かけない。要するに、この小貝先生のムック本風東大本は、社会人向きというよりは、むしろ東大受験生にとってかなり重宝な本だとも言えるのです。

いくつか例をあげましょう。

almost never (=rarely, seldom)=hardly ever (35頁)  「めったにない」
She almost never misss class.

It takes O to do. (54) 「するのにOが必要だ」
She just doesn't have what it takes to be a good journalist.

Just は「ちょうど」か? (124) 「Just = onlyがしょっちゅうでてくる」

after all の意味(134) 
「(予想に反して)結局」 I thought he was going to pass the exam, but he failed after all
「(前文の理由などを示して)なにしろ、というのは~だからだ」接続詞のforに近い意味。 Don't scold John so severely. After all he is only a child.

at homeのこれだけの意味(166)
 「家で」「国内で」「(後ろにin, onlyを伴って)~に精通して」「くつろいで

believe の意外な意味(180)
 「正しいものだと確信している」 I really don't believe that futon iis any dirtier than beds.
正しいものだとは思うが、完全に確信持てるわけではない」 I believe it will rain soon.
 
いずれも中学生レベルの単語です。しかし、正しく理解している人はどれだけいるでしょうか。ほとんどの人は、適当に誤魔化しているのではないでしょうか。そして、こういう基礎的な単語の理解を欠いていると、たとえば、2007年の東大の和訳問題(Down the hallを訳せ、downを「下に」と訳したら×)を解けないのです。

小貝勝俊『奇跡の「東大の英語」』を学び覚え、さらに英単語についてじっくり慎重に学び調べていきたいものです。事実、この本で指摘されているような意外な英単語の意味は、様々なテキストに頻繁に使われているのです。驚いたことに、中学生向けの検定英語教科書にさえ、そういった単語や語句がでてくるのです。たとえば、after all が「なにしろ~だからだ」という意味で用いられています。次回は、そういう単語がどのように出てくるのか取り上げましょう。検討する題材は、公立中学3年生向け教科書を本文とする『ぜったい音読』です。


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個別指導で大学受験の過去問演習(英作文対策)に取り組む話。

2014年10月11日 | 教養英語
10月は過去問演習の季節ですね。高校3年生は最後の追い込みに、高校2年生では志望校を決定したり大学受験の心構えをするために、当塾では様々な大学の過去問演習(英語)をしています。

最近どのような大学・学部の過去問に取り組んでいるかチェックしてみました。

東京大学(全学部共通)、東大模試( Z 会、代々木ゼミ)、慶応大学(法、経、商、理工、薬)、早稲田大学(理工、文、教育)、上智大学(理工)、東京理科大学(理工、薬)、東京薬科大学(薬)、北里大学(薬)、立教大学(理)、学習院大学(理)、明治大学(文)、成蹊大学(理)

以上です。

また、これは大学入試の過去問ではないのですが、英検準1級と2級の過去問も実施しました。そんなわけで、ちょっと忙しい日々が続いています。



さて過去問演習なのですが、とくにチャレンジ校や実力相応校の問題を解くときには、やはり個別指導が効果的だとつくづく感じています。1人で過去問演習をしても、問題を解いて答え合わせをしたら、それで終わりになってしまうからです。赤本や青本を読んで丁寧に復習するというのは、理屈の上からは可能ですが、現実にはちょっと大変すぎるからです。そして、中でも英作文や大意要約の問題について言えば、個別指導をしてもらわなければ厳しいですね。

当塾でも、英作文が全然駄目だったというか、不可解というか、出題者に喧嘩をうっているというか、とにかくヘンテコな英文ばかりを書いてしまう生徒がいました。しかも、本人には自分の書いた文章のどこが悪いのか全然分らない。つまり、自分がおかしな英文を書いていると自覚すらないという状況です。そんなわけですから、一時期はお互いにかなり苦労しまいました。私はといえば、厳しく駄目出しをしました。ですから、個別指導の授業に出てこられないと言う時もありまし、辛くて泣きたくなった時期もあったはずです。しかし、今だからブログに書けるのですが、2-3ヶ月間くらいの厳しい時期を経て、今では簡潔で明瞭な英文を書けるようになりました。

実をいうと、明日が試験日なのです。英検準1級の一次試験です。英検の英作文は80%以上、いやおそらくは90%は得点できるでしょう。英検もきっと高得点で合格できるでしょう。今日の個別指導で英検対策の最終チェックをし、そう確信しました。当塾に通う、大学附属高校の3年生です。


大学の過去問対策にまつわる話については、次回以降に書きます。乞うご期待ください。

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多読英語:Calibre(ソフト)とKINDLE(デバイス)で英語のニュース記事を読もう

2014年07月06日 | 教養英語
(1)Calibreを使ってKINDLEをニュース用デバイスにしよう。

読書用の電子端末はいろいろあるが、目下のところamazon の Kindle Whiteが一番使い勝手がよい。バッテリー切れを心配しなくて良いこと、画面は小さすぎず、また重すぎもしない。そして、我々にとって最大の恩恵は、英語を読むときに辞書が不要で、ちょっと長押しするだけで英単語の意味が即座に分かることである。さらにWikipediaで簡単に調べられることも有り難いと書いておこう。

私も Kindle で何冊か英語のKINDLE本を読んでみて、これは便利だなと思った。しかし、今回はアマゾンで購入する Kindle英語書籍を勧めない。というのは、高校2,3年生で、いきなりKINDLEの英語本に挑戦すると、ちょっとハードな場合が多いからだ。つまり、挫折しやすいのである。

KINDLE英語読書の入門者には、ずばり、ニュース記事を勧めたい。ニュースで使われる時事英語は簡潔で、読み切りできるからである。

ただし、一つ問題がある。日本で発売されているKINDLE PaperWhiteでは、新聞や雑誌を購読できないのだ。(実は、Amazonアメリカから輸入で購入したKINDLEならば、購読は可能である。私の場合は、日本未発売時代にKINDLE TOUCHを輸入購入したが、そのKINDLEからDaily MainichとかNew York Review of Booksを購読したりした)。そこで是非とも活用したいのは、Calibreという電子書籍ソフトのフリーソフトである。このソフトの使い方はいろいろあるが、最大の魅力の一つは様々な新聞雑誌をkindleで(あるいはPCで)無料閲覧できることなのである。


まずは、Calibreを入手してPCにインストールしよう。とりあえずは、窓の社のサイトを紹介しておく。
Calibreの入手(窓の社)


なお、下のブログ記事等はとても参考になる。

Calibreを使うにあたって参考になるブログ記事

オープンソースの電子書籍管理ソフト「Calibre」を使いこなそう! 

Kindle paperwhiteを入手。最高の「新聞端末」にする



(2)Calibreでニュースを入手する。
CalibreをPCにインストールしたら、まずは「ニュースを取得」のボタンを押してみる。するとニュースのスケジュール表が出てくる。


時事英語の入門者は、やはり日本発のニュースから始めると良い。そこで日本の英字紙を調べてみると、The Japan TimesとThe Mainichiの二つが出てくる。本来であれば、The Mainichi(The Daily Mainich)のほうが英語が平易なのだが、残念ながら何度試してもダウンロード不可だったので、ここではThe Japan Timesをダウンロードしてみた。



特定の雑誌や新聞を読んでみようと思う場合は検索する。私のオススメは、かの有名な科学雑誌NatureのNature Newsである。 Nature自体については、竹内薫『「ネイチャー」を英語で読みこなす』を参照のこと。また、Nature Newsをipod touchやiPhoneで読むことが出来る件については、以前このブログ(新ipodでお勉強、Natureを読む)でも紹介した。要するに、Natureはちょっと大変かもしれないが、Nature Newsは平易な英語で科学の素人相手の英語なので、心配することはない。


さて、Calibreでニュースを入手すると、次のようになる。 


(3)CalibreからKINDLEへ
PCにKINDLEをつなぎ、「デバイスに送信」を押す。
写真ではデバイスのメモリーに移転されたことを確認できている。そうしたら、「デバイス取り出し」ボタンを取り出し、KINDLEをPCから取り出す。


KINDLEではどのように読めるのか。今回のNature Newsでは、例の小保方問題を取り扱う記事があったので、冒頭の部分をちょっと画像をアップしてみた。 無料で入手したテキストだが英和辞典やメモ等は問題なく使えるし、本文を全部読むことも可能だ。(ただし小保方問題の記事を学習者にとくに勧めているわけではありません。この記事はKINDLE上で20頁以上あって、高校生にはちょっと大変かもしれないからだ。なお、新聞や雑誌によっては全文読めないような場合もある)。

英検準一級前後以上くらいの高校上級者にとって、Calibreとキンドルの組み合わせが魅力的なガジェットになることが少しは伝わっただろうか。



英語教科書『プログレス』どうする?

2014年03月27日 | 教養英語
今回も、inter-eduに掲載したブログの再掲ですが、どうぞよろしくお願いします。

そろそろ定期テストが終了した人、
真っ最中の人、これからの人、
いろいろいらっしゃると思います。
今日は、多くの私立校で採用されている
『プログレス』『ニュートレジャー』『バードランド』
などの英語教科書について少し書いておきたいと思います。

通っていらっしゃる学校が四谷の偏差値60未満の学校で、
上記のような難解教科書を使用している場合は
注意が必要です。

すでにご存知の方も多いと思いますが、
かなり高度で濃密な内容になっています。

それでも、厳しい受験を切り抜けてこられた
お子さん達には、しばらくの間は学力の「貯金」
があります。だから、初めのうちは、なんとなく
先生の言っていることは理解できるし、それなりに
問題も解けるし、表面上はあまり問題なく
時が過ぎていくことが多いかもしれません。

事の重大性に気づくのは、早い方で中2の今頃、
少しのんびりした方で中3の今頃でしょうか。
「あれ?なんかおかしい・・・」

1. 学校の英語の教科書がプログレス等難解教科書
2. 入り口での偏差値が60未満(四谷大塚模試)の学校に通っている
3.親がきちんと英語を教えてあげられない



以上の条件に該当し、かつ、将来は絶対に
MARCH以上の大学に合格したい(させたい)
という確固たる目標がある場合は、早めに
信頼できる先生に見てもらった方が無難です。
(決して営業トークで言っているのではありません。)

これらの教科書は本当に濃密ですから、
最初は気にならなかったほんの少しの取りこぼしが
あっという間に膨大な量になり、完全に消化不良を
起こしてしまうという事態になりやすいです。
放置期間が長くなればなるほど、事態は
深刻になります。

あんなに必死で勉強して高いお金を払って
学校に通っていても、結局は公立上位校の
生徒には追い越されてしまう、ということは
決して珍しい事象ではないでしょう。
もちろん、そうはならない方がいいに
決まっています。

そのためには、やはり、早期に
(出来れば中2くらいまでに)準備する
ことがコツです。

当塾の一例ですと、お母様ご自身が
中学生時代に『プログレス』で苦労なさった
ご経験をお持ちで、お子さんには中学合格直後の
2月から英語の勉強をスタートさせたという
ケースがあります。入学後、多少のアップダウンは
ありましたが、今は成績は安定し習熟度別で
最上位クラス(高校生)、河合の模試でも
偏差値70ほどあります。

では、どうすればそのように順調に伸びる
のでしょうか?その秘訣は、逆説的ですが・・・

「プログレスを攻略したければプログレスから離れなさい。」

英語に限りませんが、しっかりとした
実力を身につけるためのコツは
「基礎のマスター」。当たり前のことですね。
しかし、プログレスはどうでしょう?
基礎をマスターするには英文が難しすぎます。
一文一文に余計なお飾りが多いのです。
一例を挙げておきましょう。

Lifang : My grandmother arrived at the airport yesterday.
Mr.Black: From China?
Lifang : Yes. We arrived there an hour early,
but her plane landed an hour late.
Mr.Black: So you waited for two hours?
Lifang : Right. We watched the planes and enjoyed it.
(PROGRESS IN ENGLISH 21 BOOK 1 LESSON 10. Scene1より)

これは、中1の1学期あるいは2学期に学習する
「動詞の過去形」の章です。
一見簡単に見えるかもしれませんが、
1年生ですから案外苦戦します。
どこにひっかかるかおわかりでしょうか?

まず、下線部分 an hour early , an hour late,
という副詞句の部分です。

「1時間早く」「1時間遅く」と対応させて
副詞句を覚えましょうというメッセージは
素晴らしいと思いますが、非常にエリート主義的
ですね。

ここは動詞の過去形を覚えて過去の文章を
しっかりとマスターすることがポイント
の章ですので、文末におく副詞(句)は
もっとシンプルなものにしてくれた方が
習得しやすいはずです。

このようなややこしい表現が来ると、
普通のお子さんには、あるいは、
漠然とした指導を受けるだけでは
英文のポイントがぼやけてしまいます。
(例えば試験対策及び実力養成のために
本文暗唱をする際に、副詞句の方に
意識をとられ、結局核となる部分が
ぼやけてしまうのです。)

次に、So you waited for two hours?
という部分。

この段階では過去の動詞が
使用されたときの疑問文は未習ですが、
肯定文の形で「?」をつけることで
疑問文として読ませています。
会話表現としては普通かもしれませんが、
これも、普通の1年生にとっては
混乱を招きやすいでしょうから
避けてほしかったですね。。。
(もちろん、プログレスは語学的センスの
よいお子さんを前提にしていますから、
本当はこれでよいともいえるのですが、
学習者の全員が語学的センスに
長けているわけではありませんからね。)

学校の定期テストで点をとるためには、
(もちろん、英語の実力をつけるためにも)
教科書の本文を暗唱するというのは
非常に有効な学習方法です。だから、
上記のような英文もしっかりと
音読をして暗唱すれば点はとれるはずです。
しかし、何事にも段階があります。
とるべき段階をきちんとふまえずに、
やみくもに上記のようなややこしい英文を
暗唱しても労多くして功少なしという結果
になるだけです。(例えば、定期テスト
では点がとれるけれど実力テストでは
さっぱりダメ、とか。)

まずは、以前のブログ記事にご紹介したような、
シンプルだけれどしっかりと意図的に作られた
基本構文が即座に流暢に口から流れ出てくる、
その段階まで土台をしっかりと作ることこそが
プログレス等難解教科書攻略の「はじめの一歩」
であるということを強調したいと思います。
(プログレスのLOOKにある基本構文も
悪くないですが、あれでもまだやや難しいと
感じる生徒さんも多いようです。それから、
例文の数があまりにも少ない。)

「プログレスを攻略したければ
プログレスから離れなさい。」


当塾を訪れる生徒さんたちには
全員にこのことをまず初めに
お話します。そして、このことを
素直に受け入れるお子さんほど
成果が出やすいのです。

ある男の子ですが、完全に私たちの
アドバイスを受け入れ、さらには受け入れすぎて、
『プログレス』の補習は全くしなかったにも
関わらず、入塾10ヶ月ほどで定期テストで
平均点を20点超えたという例もあります。
(もちろん入塾当初は深海魚クンでした。)

「基礎のマスター」・・・当たり前のことです。
当たり前のこと、きちんとできていますか?

by isoroku

小田急江ノ島線東林間徒歩3分
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大学受験,英検対策

シリウス英語個別塾 (新HPです。よろしく!)


『プログレス』と『トレジャー』、西『読&語彙』

2014年03月09日 | 教養英語
「東大式個別ゼミ」は塾名称を「シリウス英語個別塾」と改め、新しいHPを作成しました。できたてのほやほやなので、いくつも不備があり、現在、改訂作業をしているところです。


プログレスについての記事も文章をちょっとだけ書き換えています。HPの中では触れられていませんが、この何年かの間の経験から教科書や参考書の評価にも少々変化がでてきました。一言で言えば、『プログレス』を再評価する一方、『トレジャー』についてはやや評価を下げています。

何年か前までは、『プログレス』は文法面が整備されていないので使いにくいという印象を拭いきれませんでした。しかし、経験を重ねていくうちに、案外丁寧な教科書であると考えるようになったのです。また、それほど学習速度も速くない。他方、『バードランド』『トレジャー』のほうは文法が難しすぎる。そして、とくに『トレジャー』で感じられたのですが、英文の内容がちょっと耐えられないくらい退屈なものが多いということです。学習者の興味を惹きつけられない内容だということです。英文も不自然なものが多いような気がします。


このテーマについては機会を設けて、もっと詳しく書いておきたいところです。


あと、評価が揺れつつあるのは、当塾のメイン教材の一つだった西きょうじの『リーディング & ボキャブラリー』 でしょうか。暗唱したりするのに適度な長さであり、テーマ設定やら抽象度もぴったりのレベルです。また、一橋大学やら東京外国語大学を受験する高校生の英作文対策にも素晴らしいお手本ではあるのですが、文章展開の杜撰さがちょっと気になってきたのです。日本の大学の受験生は、仮に受験校が東大や一橋だとしても、そんなことを気にする必要はないのでしょうが。。。




英語の成績アップの秘訣(1)―問題演習は下ごしらえ

2013年05月05日 | 教養英語
東大式個別ゼミのブログです。inter-eduの塾ブログにアップしたものを再度このブログにもアップしました。

私たちは、いろいろと試行錯誤を繰り返しながら、ほんの数年前に現在のスタイル、つまり①マンツーマンオーラル(口頭演習)中心の指導法を確立しました。その指導法に変えてから生徒たちがメキメキと力をつけてきているので、この指導法の有効性を実感しています。(といって大したことではありません。当たり前のことを当たり前に実行するだけなのですが。)

さて、英語の成績をなんとか上げたい、と張り切っている皆さんは、一体どんな勉強をするのでしょうか? 私が知る限り、ほとんどの生徒さんが学校から配布された教科書(バードランドやトレジャー等)準拠の問題集を使い、ただひたすら、あるいは、ちょろちょろっと、「問題演習」をしているだけのようです。しかし、それでは英語の成績は上がりません。たとえ今は好調でもそのうち雲行きがあやしくなります。

例えば、以下のような問題があります。


I (   )a book every day.
I ( ) bananas very much.
You ( ) English and math very hard.


このような「問題のカッコの穴埋め」ができることに実はあまり意味はありません。なぜならこれは勉強の範疇に入らないもの、あくまでも勉強するための下準備にしか過ぎないからです。しかし、多くの生徒さんたちは、上記のような問題演習をして答え合わせをし、丸がついたら「やったあ!できた!」ではい終わり!になっているのではないでしょうか。

実は、「カッコの穴埋め」が完成した段階から本格的な勉強が始まるのです


まずはここまで。

by isoroku

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プログレス・バードランド・ニュートレジャー対策
東大式個別ゼミ

なお、この記事はinter-eduの塾ブログに掲載したものを再掲載したものです。

日本と中国が対照的な英語政策を採用する?

2013年03月27日 | 教養英語
TOEFLについてTwitterで調べてみると、ある人(マレーシア人かインドネシア人の女性)がニューヨーク・タイムズの面白い記事について言及していた。

”Opposite directions? Chinese unis drop English requirement from exams. While Japan considers greater use of TOEFL.” というのだ。


ニューヨーク・タイムズの方を見てみると、Chinese Universities Drop English Requirementというタイトルになっている。中国の一部の理系のトップ大学は、英語入学試験に不要にするというのである。その心は専門科目に優れた生徒を優遇するというものである。the English requirement had been removed to favor students who excelled in their specific fields of study, and to lighten students’ workloads.

他方、日本のほうは、 TOEFL を大学受験に活用するという見いだしになっている。Japan considers using Toefl to screen students.

MIKI TANIKAWAという日本人または日系人の記者によれば、それを推進しているのは読売新聞、産経新聞、自民党といわゆる保守勢力のようである。

我々はこの記事をどう見るべきなのか。一言で言ってしまえば、中国は離米大国化を目指し、日本は米国依存型のコバンザメ立国を指向しているようにも見える。
日本について言えば、韓国型のグローバル・エリート主義と言い換えることも出来るだろう。どんなに考えてみても、中国の大国化と日本の小国化を意味しているようにしか私には思えない。韓国のような小国を指向しなくても良いのにと思ってしまうのだが。

自民党のTOEFL重視の教育提案について

2013年03月25日 | 教養英語
政府自民党の教育再生実行本部では、アメリカの留学生対象の英語テストTOEFL の得点を、大学受験や卒業資格あるいは国家公務員の必要要件として採用する事を検討していると言う(下記参照)。

日本政府の方針としては、私はこの案は少々馬鹿げていると思う。 TOEFL の英語の試験は、日本人の多くの高校生大学生にはちょっと難しすぎるからだ。例えばある東大工学部4年生(大学院進学予定)によれば、 「TOEIC は800点以上取れたのに TOEFL ならば59点[120点満点]しか取れなかった」のだそうだ。ところが、自民党教育再生実行本部は「特に国際水準の研究を目指す大学を約三十校指定し、TOEFLで七割以上の高得点を卒業要件に要求」(東京新聞) という。

ちょっと英語のできるはずの、TOEIC800点以上の東大生が、たった5割しかできなかったTOEFLの試験を7割取れと言うのだ。自民党案はかなりメチャクチャな提案というべきものだろう。実際、twitterなどでも、まともな人は大いに批判している。

だが、個々の大学生の目的として考えるならば、大学卒業までにTOEFL7割というのは決して悪い考えではない。二つの表を見てもらいたい。TOEFLーTOEICー英検の換算表である。 

表の数字に多少の違いがあるが、この表を見る限り、英検準一級合格者がTOEFL7割を得点するのは、さほどむつかしいことではないことがわかる。

東大京大一橋生ならば、大学受験までには理論上英検準一級に合格できる実力をつけているはずである。そして、英検準一級の実力があるならば、TOEFL7割はあと二歩三歩努力するだけで可能なのだ。東大生ならば、努力してみる価値があるだろう。

TOEFLの成績アップの決めてはあるのか? 私見では存在する。

多くの日本人英語学習者にとって、語彙(ボキャブラリー)を習得すること、リスニング能力を身につけること、東京大学や一橋大学あるいは東京工業大学に合格確実になったからといって、あるいは合格したからといって英語の研鑽を止めないこと、これだけよいのだ。言い換えれば、(1)語彙増強、(2)英語のPODCAST多聴、(3)英語文献と英語ニュースの多読をしっかりやることである。やる気のあるひとは是非頑張ってもらいたい。




参考資料 毎日新聞
「自民党の教育再生実行本部(本部長・遠藤利明衆院議員)が取りまとめた教育改革の第1次提言案が23日判明した。国際社会で活躍する人材の育成を目指し、大学の受験と卒業に英語能力試験「TOEFL」で一定以上の成績を求めたのが特徴。文系も含め大学入試で理数科目を必須とすることも奨励している。近く本部会合で決定し、安倍晋三首相に提出する。夏の参院選公約に反映させる方針だ。

 教育再生の「三本の矢」として(1)英語教育の抜本改革(2)理数系教育の刷新(3)情報通信技術(ICT)教育?を挙げ、改革実現のため「グローバル人材育成推進法」策定を提唱。(共同)」

英作文対策(1)ーー日栄社の太田千義の『自習和文英訳演習基本編』

2012年11月11日 | 教養英語
自分で添削できる 自修 和文英訳演習 基本編
クリエーター情報なし
日栄社


東海大学医学部受験生がいるので今過去問演習を行っている。この大学の記号問題はかなり簡単なので確実に世界史95%以上正解する必要がある。受験生間で差がつくとしたら、おそらく英作文である。英作文の問題としては決して難しいわけではないが、受験生の多くは自信がないはずなので、決め手となるはずだ。幸いにして当塾に通っているに通っている受験生は、過去問の英作文が最初から不思議なほどよくできている。『シリウス発展編』の例文暗唱の成果であろう。

英作文というのは、新しい英語教育では最重要課題の一つになるべきものなのだと私は考えている。日本に居ながらにしてどうやって英語を書けるようになるのか、そういうことを英語教育界の人はもう少し考えてもらいたい。私達、東大式個別ゼミが『シリウス発展編』の例文の音読暗唱を重視するのも、将来英語を書ける人を育てたいからなのである。(余談だが、ほとんど音読暗唱と筆写を怠っていたと思われる難関大学受験生を秋口に体験授業をしてみた事がある。どうやら英作文が必要なようなのだが、非常に簡単な英作文すらもほとんど全くできず、私は途方に暮れてしまった。音読トレーニングはもう少し早めに準備しておかなければいけないのである。基礎トレーニングなしに英作文はありえないんだが、基礎トレーニングは時間がかかってしまうのである)。

そんな私だから、これを好機としてアマゾンで評判が良さそうな英作文の参考書をいくつか買い集めることにした。英文解釈の参考書とは違い、英作文の参考書は1人の著者がシリーズ化して何冊も書いている場合が多いようだ。それぞれ個性的であって面白い。

たとえばケリー伊藤のイングリッシュ・ライティングのシリーズ。残念ながらこれは大学受験生向けではない。しかし、英語教師にとっては必読書だろう。教えられるところが多い。(批判すべきところも、ないわけではない)。『入門』を見ると、主語、冠詞、形容詞.不定詞といった基礎的英文法が英作文(英語を書く立場)の観点から語られている。主体的に書く立場、発信する立場になってみて、初めて分かることがいろいろあると思い知らされる。このシリーズについては、またあとで詳しく書きたい。

生徒にはどんな教材を良いのか。大矢のものも定評があるし、宮崎のも悪くはなさそうだ。だがウチの生徒には、あまり有名ではないかもしれないが、太田のシリーズの中から『基本編』を選んでみた。大学入試よく出そうな和文が選ばれ、米人講師を含め三つの訳例が書かれている。学習者は自己採点がしやすいし、また好みに合った例文を音読暗唱すれば良いので、使いやすい。1冊600円あまりとお安いのも魅力的だし、薄く、簡潔な造りであるのも、好感を覚える。(東海大医学部対策として考えれば、このシリーズの「完成編」や「自由英作文編」は不要であろう)。ただし、この問題に出てくる簡単な和文をすぐに英訳できない学習者は、もっと根本的なテキストに戻るべきであろう。『基本編』と言っても、英作文の場合は学習者を選ぶのである。











代数よりも確率や統計学が役に立つ! TEDとNYT(Opinion)より

2012年07月31日 | 教養英語




Arthur Benjamin: Teach statistics before calculus!はTEDの番組
だが、英語のリスニングの練習として、E高の1年生に聴かせたプレゼン番組である。だが、英語のお勉強としてのみしておくにはあまりにももったいない内容なので、ちょっと紹介したい。

Arthur Benjaminは数学マジックというすごい計算を暗算で解いてしまうという数学者なのだが、その彼が現代の数学教育を批判する。微積分のような数学(日本で言えば数学2B以上と私は解釈するが。。。)を学んでも、ほとんどの市民はその数学的教育を実生活で活かすことが出来ない。しかし、確率と統計を学ぶことは、実生活の上でずっと役に立つはずだ、というのである。

私は至極共感する。市民的教養として求められている数学は、微積分やベクトル・三角関数などではない。そういった数学は実生活でほとんど不要だからである。これに対して、確率や統計の基礎的リテラシー能力は絶えず求められる。たとえば、保険に加入するとき、偏差値の意味を理解するとき、ギャンブルや勝負事をするときを考えてみればよい。

詳しくはTEDの番組を見てもらいたい。和訳はないが、英語のスクリプトならば簡単に入手可能だ。もちろん英語でプレゼンを聞いてもらっても良い。


さて、さらに興味深いのは、Arthur Benjaminのような見解は、日本ではともかく、より多くの人に共有されているということだった。2012年7月28日付のNew York TimesにはIs Algebra Necessary? というOpinion(In the Opinion Pages Andrew Hacker writes, “Making mathematics mandatory prevents us from discovering and developing young talent.”)が出ていて、大いに注目されている。この意見記事を読むと、アメリカでは、数学が必修になっているために、あまりにも多くの生徒がドロップアウトしてしまうようだ。それは才能のむだ使いではないかと筆写は考えている。また、TEDのArthur Benjamin同様に、この書き手Andrew Hackerも、統計学のほうが重要だと説いている。

実に興味深いではないか。おそらく他にも同調者がいるはずだ。ちょっと調べたくなってくる。また、日本人としても、この問題を考えてみたいではないか。




A TYPICAL American school day finds some six million high school students and two million college freshmen struggling with algebra. In both high school and college, all too many students are expected to fail. Why do we subject American students to this ordeal? I’ve found myself moving toward the strong view that we shouldn’t.
My question extends beyond algebra and applies more broadly to the usual mathematics sequence, from geometry through calculus. State regents and legislators ― and much of the public ― take it as self-evident that every young person should be made to master polynomial functions and parametric equations.
There are many defenses of algebra and the virtue of learning it. Most of them sound reasonable on first hearing; many of them I once accepted. But the more I examine them, the clearer it seems that they are largely or wholly wrong ― unsupported by research or evidence, or based on wishful logic. (I’m not talking about quantitative skills, critical for informed citizenship and personal finance, but a very different ballgame.)
This debate matters. Making mathematics mandatory prevents us from discovering and developing young talent. In the interest of maintaining rigor, we’re actually depleting our pool of brainpower. I say this as a writer and social scientist whose work relies heavily on the use of numbers. My aim is not to spare students from a difficult subject, but to call attention to the real problems we are causing by misdirecting precious resources.
The toll mathematics takes begins early. To our nation’s shame, one in four ninth graders fail to finish high school. In South Carolina, 34 percent fell away in 2008-9, according to national data released last year; for Nevada, it was 45 percent. Most of the educators I’ve talked with cite algebra as the major academic reason.
Shirley Bagwell, a longtime Tennessee teacher, warns that “to expect all students to master algebra will cause more students to drop out.” For those who stay in school, there are often “exit exams,” almost all of which contain an algebra component. In Oklahoma, 33 percent failed to pass last year, as did 35 percent in West Virginia.
Algebra is an onerous stumbling block for all kinds of students: disadvantaged and affluent, black and white. In New Mexico, 43 percent of white students fell below “proficient,” along with 39 percent in Tennessee. Even well-endowed schools have otherwise talented students who are impeded by algebra, to say nothing of calculus and trigonometry.
California’s two university systems, for instance, consider applications only from students who have taken three years of mathematics and in that way exclude many applicants who might excel in fields like art or history. Community college students face an equally prohibitive mathematics wall. A study of two-year schools found that fewer than a quarter of their entrants passed the algebra classes they were required to take.
“There are students taking these courses three, four, five times,” says Barbara Bonham of Appalachian State University. While some ultimately pass, she adds, “many drop out.”
Another dropout statistic should cause equal chagrin. Of all who embark on higher education, only 58 percent end up with bachelor’s degrees. The main impediment to graduation: freshman math. The City University of New York, where I have taught since 1971, found that 57 percent of its students didn’t pass its mandated algebra course. The depressing conclusion of a faculty report: “failing math at all levels affects retention more than any other academic factor.” A national sample of transcripts found mathematics had twice as many F’s and D’s compared as other subjects.
Nor will just passing grades suffice. Many colleges seek to raise their status by setting a high mathematics bar. Hence, they look for 700 on the math section of the SAT, a height attained in 2009 by only 9 percent of men and 4 percent of women. And it’s not just Ivy League colleges that do this: at schools like Vanderbilt, Rice and Washington University in St. Louis, applicants had best be legacies or athletes if they have scored less than 700 on their math SATs.
It’s true that students in Finland, South Korea and Canada score better on mathematics tests. But it’s their perseverance, not their classroom algebra, that fits them for demanding jobs.
Nor is it clear that the math we learn in the classroom has any relation to the quantitative reasoning we need on the job. John P. Smith III, an educational psychologist at Michigan State University who has studied math education, has found that “mathematical reasoning in workplaces differs markedly from the algorithms taught in school.” Even in jobs that rely on so-called STEM credentials ― science, technology, engineering, math ― considerable training occurs after hiring, including the kinds of computations that will be required. Toyota, for example, recently chose to locate a plant in a remote Mississippi county, even though its schools are far from stellar. It works with a nearby community college, which has tailored classes in “machine tool mathematics.”
That sort of collaboration has long undergirded German apprenticeship programs. I fully concur that high-tech knowledge is needed to sustain an advanced industrial economy. But we’re deluding ourselves if we believe the solution is largely academic.
A skeptic might argue that, even if our current mathematics education discourages large numbers of students, math itself isn’t to blame. Isn’t this discipline a critical part of education, providing quantitative tools and honing conceptual abilities that are indispensable ― especially in our high tech age? In fact, we hear it argued that we have a shortage of graduates with STEM credentials.
Of course, people should learn basic numerical skills: decimals, ratios and estimating, sharpened by a good grounding in arithmetic. But a definitive analysis by the Georgetown Center on Education and the Workforce forecasts that in the decade ahead a mere 5 percent of entry-level workers will need to be proficient in algebra or above. And if there is a shortage of STEM graduates, an equally crucial issue is how many available positions there are for men and women with these skills. A January 2012 analysis from the Georgetown center found 7.5 percent unemployment for engineering graduates and 8.2 percent among computer scientists.
Peter Braunfeld of the University of Illinois tells his students, “Our civilization would collapse without mathematics.” He’s absolutely right.
Algebraic algorithms underpin animated movies, investment strategies and airline ticket prices. And we need people to understand how those things work and to advance our frontiers.
Quantitative literacy clearly is useful in weighing all manner of public policies, from the Affordable Care Act, to the costs and benefits of environmental regulation, to the impact of climate change. Being able to detect and identify ideology at work behind the numbers is of obvious use. Ours is fast becoming a statistical age, which raises the bar for informed citizenship. What is needed is not textbook formulas but greater understanding of where various numbers come from, and what they actually convey.
What of the claim that mathematics sharpens our minds and makes us more intellectually adept as individuals and a citizen body? It’s true that mathematics requires mental exertion. But there’s no evidence that being able to prove (x² + y²)² = (x² - y²)² + (2xy)² leads to more credible political opinions or social analysis.
Many of those who struggled through a traditional math regimen feel that doing so annealed their character. This may or may not speak to the fact that institutions and occupations often install prerequisites just to look rigorous ― hardly a rational justification for maintaining so many mathematics mandates. Certification programs for veterinary technicians require algebra, although none of the graduates I’ve met have ever used it in diagnosing or treating their patients. Medical schools like Harvard and Johns Hopkins demand calculus of all their applicants, even if it doesn’t figure in the clinical curriculum, let alone in subsequent practice. Mathematics is used as a hoop, a badge, a totem to impress outsiders and elevate a profession’s status.
It’s not hard to understand why Caltech and M.I.T. want everyone to be proficient in mathematics. But it’s not easy to see why potential poets and philosophers face a lofty mathematics bar. Demanding algebra across the board actually skews a student body, not necessarily for the better.
I WANT to end on a positive note. Mathematics, both pure and applied, is integral to our civilization, whether the realm is aesthetic or electronic. But for most adults, it is more feared or revered than understood. It’s clear that requiring algebra for everyone has not increased our appreciation of a calling someone once called “the poetry of the universe.” (How many college graduates remember what Fermat’s dilemma was all about?)
Instead of investing so much of our academic energy in a subject that blocks further attainment for much of our population, I propose that we start thinking about alternatives. Thus mathematics teachers at every level could create exciting courses in what I call “citizen statistics.” This would not be a backdoor version of algebra, as in the Advanced Placement syllabus. Nor would it focus on equations used by scholars when they write for one another. Instead, it would familiarize students with the kinds of numbers that describe and delineate our personal and public lives.
It could, for example, teach students how the Consumer Price Index is computed, what is included and how each item in the index is weighted ― and include discussion about which items should be included and what weights they should be given.
This need not involve dumbing down. Researching the reliability of numbers can be as demanding as geometry. More and more colleges are requiring courses in “quantitative reasoning.” In fact, we should be starting that in kindergarten.
I hope that mathematics departments can also create courses in the history and philosophy of their discipline, as well as its applications in early cultures. Why not mathematics in art and music ― even poetry ― along with its role in assorted sciences? The aim would be to treat mathematics as a liberal art, making it as accessible and welcoming as sculpture or ballet. If we rethink how the discipline is conceived, word will get around and math enrollments are bound to rise. It can only help. Of the 1.7 million bachelor’s degrees awarded in 2010, only 15,396 ― less than 1 percent ― were in mathematics.
I’ve observed a host of high school and college classes, from Michigan to Mississippi, and have been impressed by conscientious teaching and dutiful students. I’ll grant that with an outpouring of resources, we could reclaim many dropouts and help them get through quadratic equations. But that would misuse teaching talent and student effort. It would be far better to reduce, not expand, the mathematics we ask young people to imbibe. (That said, I do not advocate vocational tracks for students considered, almost always unfairly, as less studious.)
Yes, young people should learn to read and write and do long division, whether they want to or not. But there is no reason to force them to grasp vectorial angles and discontinuous functions. Think of math as a huge boulder we make everyone pull, without assessing what all this pain achieves. So why require it, without alternatives or exceptions? Thus far I haven’t found a compelling answer.
Andrew Hacker is an emeritus professor of political science at Queens College, City University of New York, and a co-author of “Higher Education? How Colleges Are Wasting Our Money and Failing Our Kids ― and What We Can Do About It.”


NHK英語講座の音声ソフト2012年度版 (高梨IT製作所)

2012年06月29日 | 教養英語
以前、NHK英語講座の音声を無料でダウンロードできるソフトの紹介をしたことがある。基礎英語やビジネス英語などのNHKのラジオ講座の音声をmp3にしてパソコンにダウンロードものだ。(ただし一週間遅れで取り込むことになる)。


高梨IT製作所が提供しているNHKラジオ語学番組キャプチャーツールである。

実はしばらくNHK講座のことを離れていて私は知らなかったのであるが、2012年度版が改訂されて発表されていた。これがないと2012年のラジオ講座をダウンロードできないので緊急に紹介しておく。

一応無料でダウンロードして使用することが出来るが、やはり高梨IT製作所にお金を払って使うべきだろう。


再度紹介の機会を設けたいが、今日はここまで。

日本の報道バイアス、たとえばギリシャ&ユーロ問題についてのクルーグマンの意見(NYT)

2012年06月19日 | 教養英語
先日(2012年6月17日.日曜日)テレビをつけてみると、池上彰が芸能人相手にニュース解説をしている。どのようなテーマが選ばれ、どのようなテーマが選ばれないのかといったことはさておき、日本の中では比較的客観的で中立の立場に立とうとする番組なのでしょう。しかし、ギリシャの選挙の問題となると、一方的なギリシャ国民バッシングになってしまう。借金をして良い思いをしたクセに、借金返済に努力しないですまそうという国民がいるとは何事だ、今回のギリシャ選挙では「まともな奴(緊縮財政派)」が勝利しなければならない、そうでなければ「真面目な」日本人の迷惑にもなってしまうじゃないか! そんな感じに興奮してしまうような報道解説であった。

池上彰の番組だけがギリシャを非難しているわけではない。私の知る限り、どの日本語版でもギリシャ人が不真面目であると言っているものばかりである。

そう言いたい気持ちもわからない。しかし、ギリシャというのはヨーロッパの中では発展途上国だ。それなのにユーロ圏に組み込んでしまったことにドイツのような先進諸国に責任はないのか。私は素朴に疑問に思う。

Facebook でニューヨーク・タイムズを見ていると、著名な経済学者 Krugmanが「犠牲者としてのギリシャ」という意見記事を書いている。日本語以外の言語情報に接触する重要性というのは、こういう記事を読むことではないかと思う。

Greece as Victim
By PAUL KRUGMAN
Published: June 17, 2012 398 Comments

Ever since Greece hit the skids, we’ve heard a lot about what’s wrong with everything Greek. Some of the accusations are true, some are false ― but all of them are beside the point. Yes, there are big failings in Greece’s economy, its politics and no doubt its society. But those failings aren’t what caused the crisis that is tearing Greece apart, and threatens to spread across Europe.

So, about those Greek failings: Greece does indeed have a lot of corruption and a lot of tax evasion, and the Greek government has had a habit of living beyond its means. Beyond that, Greek labor productivity is low by European standards ― about 25 percent below the European Union average. It’s worth noting, however, that labor productivity in, say, Mississippi is similarly low by American standards ― and by about the same margin.

On the other hand, many things you hear about Greece just aren’t true. The Greeks aren’t lazy ― on the contrary, they work longer hours than almost anyone else in Europe, and much longer hours than the Germans in particular. Nor does Greece have a runaway welfare state, as conservatives like to claim; social expenditure as a percentage of G.D.P., the standard measure of the size of the welfare state, is substantially lower in Greece than in, say, Sweden or Germany, countries that have so far weathered the European crisis pretty well.

So how did Greece get into so much trouble? Blame the euro.

ギリシャには確かに問題があるが、ギリシャの危機をもたらしたのはユーロの方である。

Fifteen years ago Greece was no paradise, but it wasn’t in crisis either. Unemployment was high but not catastrophic, and the nation more or less paid its way on world markets, earning enough from exports, tourism, shipping and other sources to more or less pay for its imports.

ユーロに加わる前、ギリシャは決して天国では無かったが、壊滅的な状況では無かった。

Then Greece joined the euro, and a terrible thing happened: people started believing that it was a safe place to invest. Foreign money poured into Greece, some but not all of it financing government deficits; the economy boomed; inflation rose; and Greece became increasingly uncompetitive. To be sure, the Greeks squandered much if not most of the money that came flooding in, but then so did everyone else who got caught up in the euro bubble.

And then the bubble burst, at which point the fundamental flaws in the whole euro system became all too apparent.

ユーロに加わったので、ギリシャにはヨーロッパの金が過剰に流入しバブルになると、経済は競争力を失ってしまった。だが、バブルがはじけしまうと、大問題が明らかになる。

Ask yourself, why does the dollar area ― also known as the United States of America ― more or less work, without the kind of severe regional crises now afflicting Europe? The answer is that we have a strong central government, and the activities of this government in effect provide automatic bailouts to states that get in trouble.

Consider, for example, what would be happening to Florida right now, in the aftermath of its huge housing bubble, if the state had to come up with the money for Social Security and Medicare out of its own suddenly reduced revenues. Luckily for Florida, Washington rather than Tallahassee is picking up the tab, which means that Florida is in effect receiving a bailout on a scale no European nation could dream of.

Or consider an older example, the savings and loan crisis of the 1980s, which was largely a Texas affair. Taxpayers ended up paying a huge sum to clean up the mess ― but the vast majority of those taxpayers were in states other than Texas. Again, the state received an automatic bailout on a scale inconceivable in modern Europe.

アメリカ合衆国の場合には貧しい南部の州があるが、ワシントンには強力な中央政府が存在する。これはEUにはないモノである。 (以下略)

So Greece, although not without sin, is mainly in trouble thanks to the arrogance of European officials, mostly from richer countries, who convinced themselves that they could make a single currency work without a single government. And these same officials have made the situation even worse by insisting, in the teeth of the evidence, that all the currency’s troubles were caused by irresponsible behavior on the part of those Southern Europeans, and that everything would work out if only people were willing to suffer some more.

Which brings us to Sunday’s Greek election, which ended up settling nothing. The governing coalition may have managed to stay in power, although even that’s not clear (the junior partner in the coalition is threatening to defect). But the Greeks can’t solve this crisis anyway.

The only way the euro might ― might ― be saved is if the Germans and the European Central Bank realize that they’re the ones who need to change their behavior, spending more and, yes, accepting higher inflation. If not ― well, Greece will basically go down in history as the victim of other people’s hubris.

A version of this op-ed appeared in print on June 18, 2012, on page A23 of the New York edition with the headline: Greece As Victim.

StarWalk(Ipadソフトでお勉強)で金環日食の予習をする

2012年05月20日 | 教養英語
明日、2012年5月21日(月曜日)の朝は、いよいよ日食である。私どもの住む相模原南部は、金環日食を正面から見据えることが出来るようだ。午前7時35分前後の数分が金環日食なので、ぜひとも見ておきたいものだ。

しかし、明日は曇りが予想されている。ぼんやりとしていると、日食シーンは一瞬しか見られないかもしれない。

そこで、見逃してしまわないように、iPadのソフトのStar Walkで予習をしておいた。日時を設定すると、日食もしっかりと画面に出てくるのである。

まずは日の出である。このあたりは、私は判断できないのだが、StarWalkでは日の出の4:40くらいからすでに日食が始まっている。(別の情報だと6時20分くらいからなのだが。。。。)。


ついで5:30くらいになると、太陽は高度を上げ東北東の位置に至る。


一時間後の6:30には、太陽はかなり月によって覆われている。(とはいっても辺りが暗くなると言うわけではなさそうだ)。



この画像は30分後の午前7:00と7:30。いずれも、太陽は完全に月に覆われているようにも見える。






小さな画面では面白くないので午前7時の段階の画面を拡大してみる。すると次のようだった。ということは、7時の段階ではまだ太陽は完全には月に覆われてはいないのだろう。


しかし7:30になると、拡大図でも以下のように完全に覆われてしまっていることがわかる。


太陽が反対側から顔を出してくるのが、午前7時40分の下の図である。

以上、StarWalkで簡単な予習をしてみた。

金環日食はわずか数分かも知れないが、日食時間はもっと長い。(ある情報によれば6時20分にはじまり9時くらいまで続くようである)。だから、仮に曇ったとしても、日食をつかまえるチャンスはあるはずだ。皆さん、東の空を見守っていきましょう。

英文法教育と甲野善紀の「稽古」論

2012年03月23日 | 教養英語
昨年、慶應大学の大津教授(小学校英語反対派)が、北海道新聞に英語教育についての意見文「日本の学校英語教育ーー文法定着へ演習強化へ」を寄稿していた。 基本的には、いまもこの文章の考えを支持している。だが、突っ込みどころが無いわけではない。

大津教授はいままでの文法訳読方式がまずかったのは、学習英文法の不整備と演習不足であると述べる。前者はともあれ、後者はどうであろうか? 私は、演習強化を重視する氏の姿勢を根本的に否定するものではない。だが、いままでの演習の方法に何の問題もないのかといえば、ちょっと違うようには思う。演習強化しようという筋トレ的な発想だけでは「英語を使える日本人」は産まれないのではないかという気がするのだ。

ところでさきほどマックで珈琲を飲みながら、以前古本屋で購入した甲野善紀の本をながめてみた。すると、かなり興味深い文章があったので紹介したい。
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探求的な練習に意義がある(148-152頁)からちょっと抜き書きしよう。

桐朋高校のバスケットボール部の金田監督も、私と出会ってから押しつけるような教え方ではなく、みんなに考えさせるような方法に練習方法を切り替えたそうです。そうしてみるとその方が実際楽で、生徒もやる気になって、人生観も変わったと言われていました。(148-149)

初めから2時間やると決めて、義務感で稽古を続けたとしても、それはむしろ感覚を鈍らせることにしかなりません。素晴らしい芸術作品を作った画家が、自分にノルマを課してやろうとしたでしょうか。(中略)それは単なる繰り返しではないはずです。おそらく自分の中の「これだ」というイメージに合うものを必死で探していった結果そうなったのでしょう。(151)

私が武術の稽古の中で、「基本が大事だ」と言って何度も繰り返し反復稽古することに疑問を抱いているのはそのためです。だいたい基本の重要性というのは、かなり使えるようになってからでないとわからないものです。それが実感されたときは、もはやノルマとしての基本ではありません。毎回毎回が反復ではなく、探求になっていて
(後略)(151)


甲野の稽古論は一種のアートの追求であり、英語教育などとはちょっと質やレベルが異なってはいるとは思う。だが、私たちの教育方法の矛盾を根本的に指摘している文章にも読める。そして、英語の基本例文を何度も何度も音読させ暗唱させ、即座に和文英訳できるように準備させるという私たちのやり口が必ずしも最善ではないかもしれないとも思わせる。

学習者の独りひとりがもっている普遍的な文法意識を触発し、表現したい、コミュニケーションしたい、読んでみたいという気持ちにさせるような文法練習があれば良いのだが。

甲野の議論は、私立中堅校の生徒の学力再建にはあまり参考にはならないかもしれないだろう。英語を必要としない生徒には、英語を無理強いさせないほうが良いという処方箋が与えられることが予想できるからだ。しかし、私立上位校の生徒に対する英語教育を考えるとき、示唆するモノがあるように思う。「演習強化」といったありきたりの結論ではなく、もっと自由で伸びやかな方向で英語学習を解放したいものである。多種多様な興味深い英文を、大いなる知的興奮で読み解いていく生徒を育てたいものだ。