今日の女王サマ

映画、本、音楽、お出かけ、思ったことなどズラズラ書き連ねています。

県庁の星

2006年03月15日 | 映画&本&音楽&TV

次は邦画『県庁の星』。昨年末、図書館に原作本をリクエストしたけど、まだ順番が回ってきていません。映画の方を先に観ちゃいました。

 県庁のエリート青年、野村聡クンは県政の目玉である、民間企業との人事交流研修のメンバー7人のうちの1人に選ばれます。

研修先は今にもつぶれそうな三流スーパー満天堂。教育係の二宮あきは自分より年下のパート店員。とりあえず半年の研修期間をやり抜こうと気持ちを新たに頑張るのですが、役人のスキルがまったく通用しない。野村が「マニュアルはないのか」と聞くと、二宮から「そんなものなくても回っていきますから。民間は!」と言われグゥの音も出ません。

野村は、細かい点をいちいち指摘(「手を洗て」の標語の横に小さい「つ」を書き入れたり)したり、高級弁当の企画をブチ上げ、さっぱり売れなかったりとスーパーの中では浮きまくりです。

時々は県庁にも顔を出すのですが、展望室のエスプレッソは贅沢に飲み放題。マシンの横に「県民の税金によってまかなわれております」と書かれているのに誰もそんなこと気にかけない。
そんな展望室で、研修に出された7人のうち6人が呼び戻されることを聞き愕然とします。研修から戻ったら「特別養護老人ホーム」建設プロジェクトに関われるはずが、自分だけ外されていることを知るのです。婚約者である社長令嬢にもフラれ、失意のどん底に。

同じ頃、満天堂はGメンの査察を受け、改善されないときは“閉店”の最後通告を受けます。
二宮は反発し合っていた野村に助けを求めます。口惜しいけど野村の打ち出した改善策が全部正しいとわかったからです。目的をなくしていた野村にもこれが立ち直るきっかけになりました。

研修期間が明け、県庁に戻った野村は自ら生活福祉課への異動を希望し、県民の側に立った改善策を打ち出すのです。そして二宮と野村の関係は・・・。

たとえパートでも10年近く働いていれば職場の隅々まで知っている。職場に足を踏み入れるときの「いらっしゃいませ」は、剣道や柔道をやる人が道場に入るとき一礼するのと同じ。ウラ店長とも呼ばれる二宮が頼もしいです。

織田裕二のエリート県庁職員はハマリ役でした。ネクタイがどれも素敵だったんですけど、映画のエンドロールに「田屋」を見つけました。銀座三越横の田屋でしょう。ここは個性的なネクタイが多いんですけど、映画ではエリートらしくカチッとしたものが多かったですね。

製作に亀山千広の名前がありました。この人の名前を見ると「面白そうな作品だな」と思ってしまいます。

◎公式サイト ⇒ 『県庁の星』


『SYRIANA - シリアナ』

2006年03月15日 | 映画&本&音楽&TV

今日は2本観ました。 まず1本目の『シリアナ』からです。

 石油採油権をめぐる陰謀を描いた非常に複雑な映画。私に理解できるかどうか不安を抱きながら観ました。

映画化のきっかけとなったのは、元CIA工作員ロバート・ベアの「CIAは何をしていた?」というノンフィクションだそうで、ロバートという名前から『シリアナ』の主役の1人(アカデミー賞では助演男優賞・ジョージ・クルーニー=上の写真一番手前)、ボブは作者自身のことかと思ってしまいました。しかし映画の中のボブは爆発に巻き込まれて死んでしまうから違うんでしょうね。

(1)話の中心にあるのは中東の某国。第一王子と第二王子は父から王位を譲られる日は近いと感じています。第一王子は新しい考えを持っていて、自国でパイプラインを作り、中国へ石油を売りたい。第二王子は目障りな兄に取って代わって自分が王になり、ちやほやしてくれるアメリカに石油を売りたい。
  ↓
◆アメリカは第一王子が目障り → CIAは第一王子の暗殺をボブに命令 → 失敗してボブは失脚(CIAはボブを切り捨て)

(2)第一王子は中国に目が向いているので、それまでの契約会社である米国のコネックス社との契約を突然打ち切ります。最初に首を切られるのは下級労働者たち。その中にパキスタンから出稼ぎに来ているワシーム父子がいました。
  ↓
◆ワシームは言葉が分からないため次の職につけない → 失望と疎外感から原理主義グループに加わる

(3)一方、契約を突然打ち切られたコネックス社は新たな利権を求め、キリーン社という新興石油会社との合併に乗り出します。コネックス社の弁護士は合併が有利に働くように、キリーン社の過去に不正がないか調べ始めます。
  ↓
◆司法省がからんでくるのですが、このエピソードの結末だけは今もってよくわかりません。

(4)エネルギーアナリストのブライアンは、自分の会社と父王とのコンサルタント契約を結びたい。王の別荘で催すパーティに、妻と2人の息子と共に招待されるが、プールで息子が溺死するという事故が起きる。第一王子は責任を感じ、ブライアン個人を自分のコンサルタントに取り立て、もう1人の幼い息子には1億ドルを出そうと提案する。ブライアンは条件を飲み、仕事に打ち込むが妻との間には溝が深まる。
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◆失脚したボブはCIAの裏をかこうと移動中の第一王子に危険を知らせようとする → CIAの発射したミサイルによって王子の家族ともども爆死。コンサルタントのブライアンは妻のもとへ戻ります。

原理主義の集団にいたワシームは自爆テロへの道を進みます。最後に父のもとを訪れ、バス代を貸してもらい、何も言わず父親を抱きしめる。かの国の若者はこうして死んで行くのですね。
酒を飲まず、厳格な風紀規制を守り、姦通を行わず、「純粋な心で死に、あの世で本当の命を得る。来世こそが真実だ」の言葉を残し。信仰というのは、それを信じる人にとっては最強なのですね。

ほかの米国の強欲は私にとってはどうでもよい。富を独占する王族と、ものすごく貧しい人々。自爆テロを美しいとは言わない。何も知らず、これが最良と思って死んで行く若者が哀れです。

◎公式サイト ⇒ 『シリアナ』