今日の女王サマ

映画、本、音楽、お出かけ、思ったことなどズラズラ書き連ねています。

涙が出ちゃう、遠い記憶

2014年09月17日 | Weblog
子どもの貧困率が過去最悪(讀賣新聞、夕刊による)なのだそうだ。

私には思い出すと今でも涙が出てどうしようもない記憶があるのです。20年ぐらい前に住んでいた都内の某所。朝、出勤するとき、中学生の男子と道が一緒でした。その中学生男子は大通りに出るまで何度も振り返るのです。振り返るそこには古ぼけたアパートがあり、階段からジッと彼を見守る母親の姿がありました。

お父さんを見たことがなかったので恐らく母子家庭だったと思います。大通りへ出るちょっと前に彼は必ず母親に手を振っていました。母親を嫌がる年齢になりつつあるのに仲がいいなぁと微笑ましく思い、すごく羨ましかったです。私は夫と別れ、子どもたちは夫の元にいましたから。

ある日の午後、私は制服姿ではないその男子を見かけました。あのアパートの前です。雪が降ったあとで、彼はズボンのポケットに片手を入れ、チリトリで雪をすくって遊んでいました。セーターは五分袖かと思うほど短く、何度も洗ったように目が詰まっていました。

お母さんは今、仕事にでているんだなと思いました。友達のほとんどはきっと塾へ行っていて、遊び相手がいないのでしょう。

何年か経って、彼を見かけなくなりました。進学したのか就職したのか。私の息子は高校へ進学していました。そしてある日曜日、私は寿司職人や板前さんが着るような白衣を着た彼を見ました。あぁ、就職したんだなと分かりました。

彼の家庭は貧しかったんだろうな。新しいセーターもテレビゲームもなく、進学もできなかった。
私はその彼に自分の息子を重ねていました。あれが自分の息子だったらと思うから涙を禁じえないのです。

新聞によると、非正規労働者も増えているし、母子家庭も増えている。あの中学生男子が中学生だったころより悪くなっているということなんでしょうか。
私の息子は大学を出て、就職し、結婚し、家も買い、子どもも生まれた。あのチリトリで遊んでいた彼とそのお母さんはどうしているだろう。今は人一倍、幸せになっているさと思いたい。

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