今日の女王サマ

映画、本、音楽、お出かけ、思ったことなどズラズラ書き連ねています。

『SYRIANA - シリアナ』

2006年03月15日 | 映画&本&音楽&TV

今日は2本観ました。 まず1本目の『シリアナ』からです。

 石油採油権をめぐる陰謀を描いた非常に複雑な映画。私に理解できるかどうか不安を抱きながら観ました。

映画化のきっかけとなったのは、元CIA工作員ロバート・ベアの「CIAは何をしていた?」というノンフィクションだそうで、ロバートという名前から『シリアナ』の主役の1人(アカデミー賞では助演男優賞・ジョージ・クルーニー=上の写真一番手前)、ボブは作者自身のことかと思ってしまいました。しかし映画の中のボブは爆発に巻き込まれて死んでしまうから違うんでしょうね。

(1)話の中心にあるのは中東の某国。第一王子と第二王子は父から王位を譲られる日は近いと感じています。第一王子は新しい考えを持っていて、自国でパイプラインを作り、中国へ石油を売りたい。第二王子は目障りな兄に取って代わって自分が王になり、ちやほやしてくれるアメリカに石油を売りたい。
  ↓
◆アメリカは第一王子が目障り → CIAは第一王子の暗殺をボブに命令 → 失敗してボブは失脚(CIAはボブを切り捨て)

(2)第一王子は中国に目が向いているので、それまでの契約会社である米国のコネックス社との契約を突然打ち切ります。最初に首を切られるのは下級労働者たち。その中にパキスタンから出稼ぎに来ているワシーム父子がいました。
  ↓
◆ワシームは言葉が分からないため次の職につけない → 失望と疎外感から原理主義グループに加わる

(3)一方、契約を突然打ち切られたコネックス社は新たな利権を求め、キリーン社という新興石油会社との合併に乗り出します。コネックス社の弁護士は合併が有利に働くように、キリーン社の過去に不正がないか調べ始めます。
  ↓
◆司法省がからんでくるのですが、このエピソードの結末だけは今もってよくわかりません。

(4)エネルギーアナリストのブライアンは、自分の会社と父王とのコンサルタント契約を結びたい。王の別荘で催すパーティに、妻と2人の息子と共に招待されるが、プールで息子が溺死するという事故が起きる。第一王子は責任を感じ、ブライアン個人を自分のコンサルタントに取り立て、もう1人の幼い息子には1億ドルを出そうと提案する。ブライアンは条件を飲み、仕事に打ち込むが妻との間には溝が深まる。
  ↓
◆失脚したボブはCIAの裏をかこうと移動中の第一王子に危険を知らせようとする → CIAの発射したミサイルによって王子の家族ともども爆死。コンサルタントのブライアンは妻のもとへ戻ります。

原理主義の集団にいたワシームは自爆テロへの道を進みます。最後に父のもとを訪れ、バス代を貸してもらい、何も言わず父親を抱きしめる。かの国の若者はこうして死んで行くのですね。
酒を飲まず、厳格な風紀規制を守り、姦通を行わず、「純粋な心で死に、あの世で本当の命を得る。来世こそが真実だ」の言葉を残し。信仰というのは、それを信じる人にとっては最強なのですね。

ほかの米国の強欲は私にとってはどうでもよい。富を独占する王族と、ものすごく貧しい人々。自爆テロを美しいとは言わない。何も知らず、これが最良と思って死んで行く若者が哀れです。

◎公式サイト ⇒ 『シリアナ』 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿