ほぼ2日おきに通院して、コゲちゃんは生理食塩水の点滴を
受けた。
1回に点滴する量は120CCほどだ。
それを肩の柔らかい皮膚の下にいれるので、肩先が
こぶのように盛り上がる。時間が経つにつれて、生理食塩水は
二の腕当たりに移動し、やがてゆっくりを体内に吸収される
そうだ。
病院に行くのを嫌がって、コゲちゃんはニャアニャア鳴いた。
病院に着いてからは、キャリーバッグから出るのを抵抗し、
診察台に上がったら心臓はドキドキして、小刻みに震え、肉球は
汗でしっとりしていた。
病院の先生は優しく声をかけるのだが、所詮気休めだ。
診察が終わってキャリーバッグを開けると、コゲちゃんは
自主的にバッグの中に逃げ込む。
薬を飲ませるときは、口を無理矢理開けて、錠剤を放り込むが、
それも嫌いなので、薬をしまってある引き出しを開けただけで
部屋の中を逃げ回るようになった。
それでも、何日か経って、薬が効いたのか、オシッコが普通に
出るようになった。
クロちゃんは、病院から帰ってきたコゲちゃんにパンチを喰らわ
せたり、ものすごい形相でケンカを仕掛ける。
他の動物の匂いがするのがお気に召さないのか?
猫を病院に連れて行く、ということを自分がするようになるとは
思わなかった。思わぬ出費だったが、これも「室内飼い」の
責任と思って納得する。
涼しくなって、一緒に寝るようになって、猫を飼っている
醍醐味が増してきたこの頃だ。