振り出しに戻る「落陽日記」

旅や日々の生活の一コマ。60代半ば、落陽期を迎えながら気持ちは再び振り出しに戻りたいと焦る日々です。

チェンマイ市内を散歩がてらに(5)ワットクータオの境内から聞こえる音は四連の妙鉢【動画あり】

2023-02-10 17:39:45 | チェンマイステイ
市営競技場まで散歩に行った帰り、ワットクータオの裏側を歩いていると、ジャンジャンジャンジャンと金属性の音で、何か弦を叩いているような音が聞こえてきた。音が鳴っているだけで、僧侶が唱えるお経や声明のような声は聞こえてこない。

なんだろうと気になってきたので正門に回って境内に入った。



このお寺は何度も来ているが、この日は食べモノを売る屋台が数軒、境内に出店している。また、一般の人が占いを受けているような光景もあり、何かの祭事か仏事がなのかも知れない。



ジャンジャンと音のする境内の奥の方へ進むと、音の正体はこれだった。





田舎に住んでいた小学生の頃、近所の人が亡くなって野辺の送りの際、棺を運ぶ隊列に旗竿や笹ザオを持たされて並んだ。隊列には鐘と太鼓とシンバルがあって、順番にチーン・ドーン・ジャララーンと鳴らしながら墓場や火葬場に進んだものだ。

調べてみるとジャララーンと鳴るシンバルを仏教では妙鉢(みょうばち)と呼んでいる。仏教を信奉する国や地域では広く使われているらしい。

境内で見た四連の妙鉢は、本来4人の奏者が必要な場面を1人でできるように工夫したものだと思う。以前に葬儀の隊列を見たことがあるが、飾り付けを施したピックアップトラックなどが連なり、結構派手な印象だった。四連の妙鉢なら荷台に積んで鳴らしながら走ることもできそうだ。実際に見た訳ではなくて勝手な想像だが、その光景が目に浮かぶようだ。

練習?も終盤だったようで、動画は一回撮っただけで倉庫に運ばれて行った。出来ればもっと見ていたかった。





このワットクータオは16世紀から18世紀後半までチェンマイがビルマの支配下に置かれた時代の1613年建てられた、雲南様式の寺院。仏塔(チェディ)は中央が丸く造られているのが特徴で、上の方にはキラキラと輝くたくさんの石が埋め込まれている。





ミャンマーと国境を接するタイの北部はシャン族など、ミャンマーにルーツを持つ人たちも住んでいるので、ここはその支えとなるお寺なのかも知れない。





このお寺のお坊さんの僧衣は赤っぽいエンジ色だか、タイの一般的なお坊さんの僧衣は黄色またはオレンジ色。








 

宿から近いこともあってこのお寺には散歩がてら週一くらいで足を運んでいる。葬儀をやっていたり、子供にとっての節句なのか貸衣装屋が子供に着付けをしていたり、あのジャンジャンと鳴る妙鉢も何かの行事のためだったのだろう。

緑も多く、木陰のベンチに座って来山する人たちの動きを見ていても飽きない。



旧市街の北門、チャーンプアック門から大通りを北へ歩いても15分。大通りを右折する角には下画像のように案内表示がある。