ラックストーン・レコード雑記帳 - アート・和菓子・音楽

ラックストーン・レコード主人、山口'Gucci'佳宏がアート、和菓子、音楽などなど、徒然なるまま書き綴る、まさに雑記帳。

今日の美術展 [平成二十年十一月七日]

2008年11月07日 | fine arts
雨上がりの後は良い秋晴れの陽気となりましたね。 今日は時間があったので早起きして上野を廻りました。東京国立博物館庭園の池では鴨達 (写真) が温かい日差しの中、気持ち良さそうでしたよ。


大琳派展 継承と変奏 (再訪) 於: 東京国立博物館 平成館
10/15にも訪れた「大琳派展」、多くの展示替えが行われていたので、もう一度、訪れました。今回の目玉は琳派歴代の四大名絵師による「風神雷神図屏風」が一堂に会して展示されていることですが、以前、宗達氏・光琳氏・抱一氏による三点は出光美術館でまとめて見たことがありました。そして、鈴木其一氏の作品も合わせて改めて見直してみたら、やはり琳派の祖、俵屋宗達氏の「風神雷神図屏風」がオリヂナルだけあって渋く圧巻でしたね。 今回、この展示を再び、じっくり見て琳派の粋、モダン、ポップさ、を感じました。琳派が造り上げた美は本当に現在のアートに引き継がれ、息づいていると思います。この「大琳派展」、とにかく素晴らしい企画展でした。皆さん、お見逃しない様に。

↓ 東京国立博物館 ↓
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=X00/processId=00


童画の世界 – 絵雑誌とその画家達 於: 国立国会図書館 国際子ども図書館
国立国会図書館の分館、国際子ども図書館では「童画」にスポットを当てた展示を行っているので見に行きました。今から約100年前に、どのページにも絵が掲載された児童雑誌が刊行され、それらに載った絵が「童画」と呼ばれる様になり、数々の名童画作家が登場しました。この展示では児童書、童画の流れ、そして各作家を多くの資料と共に紹介しています。 童謡や童画が大好きな自分にとっては、堪えられない楽しい展示でした。子供向けの絵は本当に良いですね。たとえ、それが社会性を含んだ絵であっても、あくまでもポジティヴに楽しいこととして描かれ、後ろ向きな要素はありませんから。そして人として大事なこと、無くてはならないものが描かれていますし、本当に和やかな気分になります。今回、今まで、あまり知らなかった童画家の方々や当時の児童書の出版に関することなども分かり、興味深い展示でもありました。

↓ 国立国会図書館 国際子ども図書館 ↓
http://www.kodomo.go.jp/index.jsp

増村紀一郎漆芸展 漆の美と技 於: 東京藝術大学大学美術館 陳列館
東京藝術大学へ廻り、人間国宝でもある教授、増村紀一郎氏の退任を記念して行われている作品展を訪れました。もちろんだと思いますが、まさに匠の技と言える美しい作品の数々が並んでいて、魅了されましたね。漆塗りの技術はさることながら、作品全体の造形の美、フォルムと塗りの調和が凄いです。特に縄目が施された漆塗りの技術による作品は味わい深く、とても気に入りました。増村紀一郎氏の技はきっと藝大の氏の教え子達に受け継がれて行くのでしょう。伝統の技と創造、素晴らしいです。

↓ 東京藝術大学大学美術館 ↓
http://www.geidai.ac.jp/museum/

SUMI – WASHIの協奏 池崎義男・中野嘉之展 於: 新宿靍島屋10階美術画廊
仕事の後、お馴染みの新宿靍島屋美術画廊へ。今回は 池崎義男氏による和紙を用いたオブジェ作品と中野嘉之氏による墨絵の展示で。先ず池崎義男氏のご自身で漉いた和紙を何十枚も重ねて変形させた彩色した一見、何なのか分からない様な奇妙 (?!) なオブジェです。グロテスクなものの様にも見えますが、皺に覆われたその存在自体には崇高なイメージも感じました。中野嘉之氏による墨絵もかなり独特な感じで、濤を描いた作品などは黒と白の色と線がダイナミックに渦巻く画面で迫力があります。両作家の作品共、大きな力強さを感じる渋いものでした。

↓ 新宿靍島屋 ↓
http://www.takashimaya.co.jp/shinjuku/index.html