今日は多少、寒さも治まった気持ちの良い冬晴れの中、紀尾井町~浅草~深川~豊洲~品川と江戸の街を巡りました。途中、向島で言問団子を食したり、なかなか充実の一日でした。
新春展 於: ニューオータニ美術館
先ずは紀尾井町へ。新春らしい当美術館収蔵作品の数々を展示していました。西洋画、日本画、そして肉筆浮世絵、良い作品ばかりでしたね。中でも自分はベルナール・ビュフェ氏の「二羽の鶴」と花の絵2点、そして近代日本画の大家3人の共作、菱田春草氏が「亀」、横山大観氏が「寿老人」、下村観山氏が「鶴」を描いた三幅対の軸物が気に入りました。素晴らしい作品です。肉筆浮世絵も新春に相応しい華やかなものでした。
↓ ニューオータニ美術館 ↓
http://www.newotani.co.jp/group/museum/index.html
心ふれあう憩いの広場 - 下町と銭湯の物語 於: テプコ浅草館
お次は浅草へ。ここは東京電力が運営する浅草の今昔を紹介する施設で、初めて訪れました。浅草下町の街並みを再現した常設展示もなかなか面白い処です。今回は台東区を中心に銭湯に関する様々な事柄を紹介した展示を開催していました。銭湯の歴史や台東区内の銭湯を写真で紹介し変遷も分ります。そして銭湯の建物の解説や湯桶やホーロー看板、昔の銭湯を再現したミニチュア模型の展示などなど、かなり興味深いものが多い楽しい展示でした。
↓ テプコ浅草館 ↓
http://www.asakusa-kan.com/
隅田川七福神展 於: すみだ郷土文化資料館
ここに移動する途中で「言問団子」にてひと休み。久しぶりに食した言問団子は美味でした。で、展示の方は隅田川七福神をテーマにしたものです。七福神の由来、七福神を描いたおめでたくて楽しい浮世絵、そして隅田川七福神を祀る各寺社を紹介しています。隅田川七福神巡りは町人、佐原鞠塢氏が交流のあった文人達に働きかけ梅樹約360本を得て文化元 (1804) 年頃に向島百花園を開園したことによって向島の名所ブームと江戸後期の文人文化とが結び付いて始まったそうです。ちなみに百花園の名は琳派の巨匠画家、酒井抱一氏が「梅は百花のさきがけ」と言ったことに由来します。なかなか興味深い展示で機会があれば自分も隅田川七福神巡りをしてみたいですね。せっかくなので、隅田川七福神を祀る寺社を挙げておきます。皆さんも是非、隅田川七福神巡りをしてみては!
三囲神社 - 恵比寿神・大黒天
弘福寺 - 布袋尊
長命寺 - 弁財天
白鬚神社 - 寿老神
多聞寺 - 毘沙門天
向島百花園 - 福禄寿
↓ すみだ郷土文化資料館 ↓
http://www.city.sumida.lg.jp/sisetu_info/siryou/kyoudobunka/index.html
伝統をになう・のれん展 - 豊田コレクションの世界 於: 深川江戸資料館
浅草から三ツ目通りを下り、深川へ。浴衣、手拭いなどの染め加工に携わっていらっしゃる豊田満夫氏が集められた暖簾の数々の展示です。今まで暖簾を気を付けて見たことがなかったので、今回、沢山のいろいろな暖簾を一挙に見ることができて、かなり惹かれる展示でしたね。特に数々の凝った意匠は印象的でした。そして、その用途が一般的に知られる店舗の入口に掛けられるものばかりではなく、嫁入り道具のひとつとしての内のれん (花嫁のれん) や家の中で使用される外のれん (いずれも加賀のれん) があり、また形も様々で、それにはちゃんとした意味があるのも興味深いことでした。中でも色の違ったガラス玉を使用した珠のれん (写真: どちらも戦前の品) が珍しかったです。とても面白い企画展でした。
↓ 深川江戸資料館 ↓
http://www.kcf.or.jp/fukagawa/index.html
浮世絵に描かれた大奥 - 楊洲周延の「千代田之大奥」 於: UKIYO-e TOKYO
そのまま三ツ目通りをさらに下り、ららぽーと豊洲内の毎度お馴染み"UKIYO-e TOKYO"へ。今回は元幕臣の浮世絵師であった楊洲周延氏による「千代田之大奥 [明治27~29 (1894~96) 年]」と「江戸錦 [明治3536 (1902・03) 年]」の揃物、江戸時代の大奥の様を描いた浮世絵の展示でした。江戸時代はもちろん隠されていた大奥の姿が明治時代に入り、江戸時代を懐かしむ風潮と相俟って描かれる様になったそうです。「千代田之大奥」は大判三枚続の華麗な揃物浮世絵でとても見応えのある作品、気品のある艶やかな色使いで見事でした。特に女性達の着物の柄や色彩、から摺りを多用してとても美しく、そして遠くのものを淡い色合いで描いた技法も素晴らしいです。大奥での華やかな様々な行事の様子が垣間見れて印象的な浮世絵の数々でした。
↓ UKIYO-e TOKYO ↓
http://homepage3.nifty.com/ukiyoe-tokyo/index.html
女が変わる、男も変わる 第1部 女性の時代を拓いた小さな印刷物 於: 女性と仕事の未来館
最後は品川方面へ、ちょっと変わった処を訪れました。働く女性の為の財団法人・女性労働教会が運営する会館です。1947年、労働省に婦人少年局が設けられ60年が経って現在の雇用均等・児童家庭局になり、その軌跡の中で女性の労働に関して発行された印刷物を紹介した展示です。日本の社会に於ける働く女性の様々な事柄が分り興味深いもので、並びにそれら印刷物のデザインにも惹かれました。ここの働く女性の歴史を紹介した常設展示も充実していて見応えありです。ここも初めて訪れましたが、いろいろな資料館や施設が各地にあるものですね。
↓ 女性と仕事の未来館 ↓
http://www.miraikan.go.jp/