ラックストーン・レコード雑記帳 - アート・和菓子・音楽

ラックストーン・レコード主人、山口'Gucci'佳宏がアート、和菓子、音楽などなど、徒然なるまま書き綴る、まさに雑記帳。

今日の美術展 [平成二十年十一月二十一日]

2008年11月21日 | fine arts
良い冬空です。冬は空気が澄んでいて景色が綺麗に見えますね。夜景も素敵です。

小林孝亘 遠い光 於: 西村画廊
バンコクと東京で創作活動をする作家、小林孝亘氏の新作展です。ほんわかした雰囲気のある作品の数々,多くの部分に使用されている緑色がとてもきれいで目にやさしいペインティングでした。静けさ、淡い光のイメージ、不思議に思える奥行き感、何だかその絵の中に自分が佇んでいる様な気分になります。見ていて良い心地となるポップ・アートでした。

↓ 西村画廊 ↓
http://www.nishimura-gallery.com/

野又穫展 – 遠景 SKY GLOW 於: 日本橋靍島屋6階美術画廊X
野又穫展 – 光景 SKY GLOW 於: 新宿靍島屋10階美術画廊

空想上の建築物を描く作家、野又穫氏の新作展が百貨店、靍島屋の日本橋店・新宿店の画廊に於いて同時開催されています。その二箇所を続けて見てきました。以前、オペラシティアートギャラリーで多くの作品を見て以来、野又穫氏はちょっと気になる作家ではありました。先ず日本橋の方では「遠景」と言うタイトル通り、空想上の風景、ランドスケープが描かれた数々の作品、巨大な建築物は画面にはなく、湖か沼の様なものが描かれた広大な風景など、今までの建築物の絵画とはまた違った様相の作品が並んでいます。今までの野又氏が描いてきた作品は「静かさ」を思わせるものでしたが、俯瞰する様な視点で描かれたこの「遠景」では、どの作品にも何処となく「動き」を感じる気がしました。新宿では「光景」と題し、光を放つ空想上の建築物が描かれた作品が展示されています。光が見えると言うことは夜の風景で、こちらも今までにない画風の作品の数々で、とても興味深いものでした。どれも描かれた光の様子が綺麗で良い雰囲気の絵画ばかり、緻密に描いた作品はもちろんですが、雰囲気を前面に出しているこんな野又氏の作品もイイですね。今回の展示は野又氏の新境地かもしれません。

↓ 靍島屋 ↓
http://www.takashimaya.co.jp/

シェル美術賞展2008 於: 代官山 ヒルサイドフォーラム
去年もこの時期に訪れた若手作家を紹介する公募展です。昨日、CASHIに於いて見たサガキケイタ氏も出展しています。今回はグランプリの該当作品はなし、準グランプリが2名ですが、自分はその2名の作品はともかく審査員賞の中嶋威仁氏「山火事」、渡邊順子女史「循」がとても気になりました。どちらも何処か自分の琴線に引っ掛かるエネルギーを持ったペインティングです。他の作品では西尾真代女史の天上と照明を真下から見上げた視点で描かれた着眼点の面白い「室内風景天井」、絹本を用い、その作品を台紙には貼らず枠に浮かせて展示した安藤陽子女史の作品「portrait」、ポップでほんわかした画風の松下英樹氏「真夏の光」などが興味深かったですね。もちろん、サガキケイタ氏の大作も良かったです。どの作品も勢いを感じる作品ばかりで、最近のペインティングの傾向として技術力は元より、パッと見の印象が強いものが多いと改めて感じました。

↓ ヒルサイドテラス ↓
http://www.hillsideterrace.com/