ラックストーン・レコード雑記帳 - アート・和菓子・音楽

ラックストーン・レコード主人、山口'Gucci'佳宏がアート、和菓子、音楽などなど、徒然なるまま書き綴る、まさに雑記帳。

今日の美術展 [平成二十年七月三十一日]

2008年07月31日 | fine arts
今日は爽やかな夏の日でしたね。暑くても湿度が低くカラッとした陽気だと気持ちがイイです。写真は照り付ける太陽のもと、光り輝くメゾンエルメス・ビル。イタリアを代表するレンゾ・ピアノ氏の設計による壁にガラス・ブロックを用いたとても美しいビルヂングです。

町田久美 Snow Day 於: 西村画廊
今をときめく大人気日本画家 (?!)、町田久美女史の新作展です。正統派の日本画が好みの自分にとっては、もはや町田久美女史の絵画は日本画ではなく、日本画の手法を用いたポップ・アートです。その様に考えて作品を見ると、とても面白く興味深いものだと思いました。高い技巧力で描かれた曲線の美しさ、それは自分にミッキー・マウスを想い起こさせ、それはきっと視覚的に同じ曲線なのでしょう。そしてシムプルな画面構成、余白の妙です。とても完成されたアートだと感じました。あと、描かれているものの不安定さ、薄い不気味さ、居心地の悪さ、まさに現代的です。町田久美女史の作品が人気があるのも分る気がします。自分は質感がイイ雰囲気のキャンバスに描かれた小作品に惹かれました。現在、高崎市タワー美術館で行われている展覧会にも遠方ですが訪れてみようと考えています。

↓ 西村画廊 ↓
http://www.nishimura-gallery.com

レフトオーバーズ N.S.ハーシャ展 於: メゾンエルメス 8階フォーラム
高級ブランド、エルメス、銀座のメゾンエルメス内にある展示スペースへ。インドの現代アート作家、N.S.ハーシャ氏の作品展です。床に列を為してインドの食事 (大きな葉の上に食物を載せて手で食べるスタイル) を型取ったものと紙に写した足型がずらっと並べられたインスタレーション作品です。その並んだ食事と足型はひとつとして同じものはなく、食事の食べかけや食べ残しの姿をリアルに型取って再現しています。それらを見て自分が思ったのは、人の生活の営み、人の「生」でした。人間にとって最も大事な「食」、それも様々な個々の「食」を示すことによって、人が生きることを表現していると感じます。自然光が射すスペースに作品が並んでいる様は不思議で、とても静かな雰囲気なのに人の「生」を大きく感じました。とても興味深いインスタレーション作品でしたね。

↓ エルメス ↓
http://www.hermes.com/

今日の美術展 [平成二十年七月三十日]

2008年07月30日 | fine arts
今日もイイ天気でした。そんなに暑くもなく。暑い所為もあって、最近、かなりの早起きです。早起きすると一日が長く感じて得した気分です。寒いよりは暑い方が何かと調子イイ感じですね。写真はその早起きした空で、もくもくと流れる雲が印象的でした。

2008 ADC展 会員作品 於: ギンザ・グラフィック・ギャラリー
2008 ADC展 一般作品 於: クリエイションギャラリーG8

2007年5月から2008年4月までの間に発表・使用されたポスター、新聞・雑誌広告、テレビ・コマーシャル、エディトリアル・デザイン、パッケージ、ロゴ・タイプ、ディスプレイなどの媒体から、日本を代表するアート・ディレクター、84名で構成される東京アートディレクターズクラブが選び、優れた作品に贈る「ADC賞」、2008年度の受賞作品展です。自分が今までに、いろいろな展示に於いて見た著名なアート・ディレクターやグラフィック・デザイナーが手懸けた作品が並んでいました。もちろん良い作品ばかりなのですが、まぁ、自分が感じたのは「魅せるグラフィック・デザインには金がかかっている。」と言うこと。印刷法や素材、かなり凝っているものばかり、やはり制作するにはコストが掛かっているでしょう。元より、金を掛ければ良いものが出来る訳ではないですが、金が掛かっているなぁ~、と言う意識が先に立ち、ちょっとデザイン自体がぼやけてしまう様な気がします。やはり自分はタイポやマーク、色等に力のあるグラフィック・デザインが好きですね。今回の中では、どれもしっかりとしたコンセプトが伝わってくる資生堂の作品の数々に惹かれました。

↓ DNPギャラリー (ギンザ・グラフィック・ギャラリー) ↓
http://www.dnp.co.jp/gallery/index.html

↓ リクルート2つのギャラリー (クリエイションギャラリーG8) ↓
http://rcc.recruit.co.jp/

谷川泰宏展 - 創造へのまなざし 於: 新宿靍島屋10階 美術画廊
とてもポップなイラスト的な絵画の数々でした。その絵画は多分、アクリル絵具を使用しているのだと思いますが、緻密な筆致、きらびやかな色彩、そして金箔を使用し独自の手法で描かれた画面は美しく、またエジプトや星座を題材としたり、日本画的なアプローチの作品もあってヴァラエティに富んだものでした。自分は、金箔やプラチナ箔が大きなアクセントになっている技巧に、とても興味を覚えました。

↓ 新宿靍島屋 ↓
http://www.takashimaya.co.jp/shinjuku/index.html

今日の美術展 [平成二十年七月二十九日]

2008年07月29日 | fine arts
午後からリハ・スタに入る前にサクッと観に行ってきました。今日の雷雨も凄まじかったですね。あと15分帰宅が遅かったら、悲惨な目に遭う処でした。まぁ、天災でありながら人災です。地球を壊している報いです。

建築がうまれるとき ペーター・メルクリと青木淳 於: 東京都国立近代美術館 ギャラリー4
スイス・チューリヒのペーター・メルクリ氏、東京の青木淳氏、ふたりの建築家、直接の接点はふたりにないものの趣向的に似ているそうです。ふたり各々のドローイングやスタディ模型が並び、ふたりがどの様に考えて建物の設計を構築しているかが分る興味深い展示でした。ペーター・メルクリ氏のかわいらしいイラストの様な多くのドローイング、そして青木淳氏がひとつの住宅を設計する際に作成した沢山のスタディ模型、なかなか見ることの出来ない建築の過程が紹介されています。ふたりによる実際の建築物は今回の展示では紹介されていなかったので、どの様な建物を設計しているのか分らなかったのが、自分には残念でしたが、建築の最も初期の段階、まさに展示タイトルの様に「建築がうまれるとき」、建築設計がどの様に始められるか、を知り得る面白い企画の建築展だと思いました。

↓ 東京都国立近代美術館 ↓
http://www.momat.go.jp/index-jpn.html

太郎千恵藏展 二つのタワー ビルディングの幻と山水 於: 第一生命南ギャラリー
日本のアップ・トゥ・デイトな現代アートに於ける名作家のひとりである太郎千恵藏氏の作品展です。太郎千恵藏氏の作品もまた大胆なペインティングによるポップ・アートで迫力がありパワーを感じました。北斎氏や雪舟氏にインスパイアを受けて描かれた作品は面白く、また、2001年9月11日、ニューヨークのツイン・タワーに航空機が突入するのを500mの至近距離で目撃したのを元に描いた3点の大作は圧巻でした。特に、その中の「未来は幽霊のもとに」は画面中央に大きく「眼」が描かれており、この展示を見る前に東京都国立近代美術館で、やはり「眼」が描かれた靉光氏の「眼のある風景」を見てきただけに、とても感慨深い想いでした。人の感情は、とてつもない力になり、その力が込められた作品です。最近、世の中は痛ましい事件が連続して起こっていますが、その様に人の感情の力、この力は時に負の方向へ向く時があります。でも、その力を陽の向きに変えることも出来る筈。太郎千恵藏氏の作品を見ていて改めて、そう感じました。太郎千恵藏氏の作品展がこの後、トーキョーワンダーサイト本郷でも行われるので、是非、観に行こうと思っています。
さて、太郎千恵藏氏も1998年のVOCA展で受賞した作家ですが、ここ第一生命ではVOCA展の受賞作品を買い上げ、支援しています。ロビーには他のVOCA展受賞作品が多く展示されています。

生誕100年 脇田和 版画展 1931-1989 第1期 於: 第一生命北ギャラリー
ここ第一生命日比谷本社ビルにある反対側、もうひとつのギャラリーへ。名画家、脇田和氏の初期から晩年までの版画作品を紹介しています。作風は変化しつつも常に幻想的で温かみのある作品の数々、見ていて、とても和やかな気持ちになりました。特にほんわかしながらも深みのある色彩が素敵です。脇田氏の版画ではない作品もじっくりと見てみたいと思いました。

↓ 第一生命ギャラリー ↓
http://www.dai-ichi-life.co.jp/company/activity/culture/gallery/schedule.html

最近の読書 [平成二十年七月二十八日]

2008年07月28日 | books
今日は溜まっていたことをちょこちょことこなしていたら、アッと言う間に夕方になってしまったので、美術展へ出向くのは見送りました。なので、今日は最近読んだ小説を挙げておきます。最近は晴れた日が続いているお蔭で原チャリ移動なので、電車移動の機会が少く、いまイチ、読書の進みが遅いですね。

ドグロ・マ=グロ 梶尾真治 新潮社刊
前に紹介した映画化もされた「黄泉がえり」と同じ作者の、やはりSF+人間ドラマを描いたハートフルな小説です。

血の味 沢木耕太郎 新潮社刊
人間の深層心理を描いた、これまた考えさせられる興味深い内容の小説でした。

↓ 新潮社 ↓
http://www.shinchosha.co.jp/

今日の美術展 [平成二十年七月二十七日]

2008年07月27日 | fine arts
何だかバタバタで出掛けました。写真は市田邸。ホント、良い佇まいです。

写世術/photo project vol.2 Dwelling 勝又邦彦 於: 世田谷美術館区民ギャラリー+生活工房ギャラリー
世田谷在住の若手写真家を紹介するシリーズ展示「写生術/photo project」の第二回目、勝又邦彦氏の作品展です。前回と同様に世田谷美術館と三軒茶屋の生活工房ファクトリーで併催されていました。第一回目の萱原里砂女史の作品も良いものでしたが、今回の勝又邦彦氏による写真の数々も素晴らしい作品でした。特に街並みの地平線と空の両方を撮影した「Skyline」シリーズには感激しました。空を眺めるのが好きな自分にとって、とても共感できる空の一大パノラマ写真です。いろいろな場所、その時の様々な空の表情、とても美しいです。他の街を撮った「Dwelling」もとても変わった風景写真で面白い作品でした。勝又邦彦氏はユニークな視点、奇想天外な発想を持った写真家の方だと思います。注目です。

↓ 世田谷美術館 ↓
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/

↓ 生活工房 ↓
http://www.setagaya-ac.or.jp/ldc/

「続・続」展 於: 市田邸
打合せを挟んで、雲行きが怪しい中、上野へ。実は昨日、訪れたのですが、体験教室を行っていて観ることが出来なかったので再訪しました。東京藝術大学近くの古い日本家屋、市田邸を会場にした大平龍一氏と森一朗氏の彫刻作品展です。とは言っても、申し訳ないのですが自分の目的は市田邸を観ることでした。市田邸は101年の歴史を持つとても良い佇まいの日本家屋です。縁側、床の間、庭、そして蔵、まさに日本の昔ながらの木造家屋、良いですね。落ち着くし和めます。特に縁側には憧れます。縁側で夕涼みをしたいですよ。現在、ここ市田邸はたいとう歴史都市研究会が管理をしていますが、是非、今後もこの様な良い建物を残していって頂きたいものです。で、彫刻作品展の方は....、でした。すいません。

↓ 「続・続」展 ↓
http://www.zoku-zoku.com

↓ たいとう歴史都市研究会 ↓
http://www.taireki.com/

澁谷動物園/Shibuya Zoo 澁谷忠臣 於: hpgrp GALLERY 東京
この後、観に行くライヴがあって、間に合うかな? と思ったのですが、時間があったので、この展示にも立ち寄りました。澁谷忠臣氏の作品は動物や昆虫を角々の直線で再構成して描いたアクリル画で、グラフィティ、イラスト的な絵画です。動物や昆虫がメカニカルな感じ、とても不思議で面白く見えます。澁谷氏がどの様に描いてらっしゃるのか分りませんが、もしパソコンとかを使わずに角々の画面を描いているとしたら凄いと思いますね。

↓ hpgrp GALLERY 東京 ↓
http://www.artdiv-hpf.com/tokyo

今日の美術展 [平成二十年七月二十六日]

2008年07月26日 | fine arts
今日は先ず世田谷の静嘉堂文庫美術館へ行き、そこから一気に馬喰町へ。そこから画廊を5軒見て廻りました。原チャリ、すっかり快調です。

静嘉堂の名刀 - 伝えられたもののふの心 於: 静嘉堂文庫美術館
当館が収蔵する名刀の数々が並んでいて凛とした涼しげな展示でした。自分は刀剣を観るのは好きなのですが、まぁ、良くは分りません。でも、名刀と言われているものは、輝き、姿、刃文、どれもがひたすら美しいと思います。地鉄を鍛えて鋼にし、そして鋭い刃にする名工達の匠の技の素晴らしさが伝わって来る様です。精緻な細工が施された鐔、小柄、笄、目貫、鞘と言った刀装具の数々も見応えがありました。贅を尽した粋です。目に見えない処にこだわるのが真のお洒落、刀装具はまさにそうですね。刀剣は武器であり、また美しい日本の誇る工芸品だと思いました。

↓ 静嘉堂文庫美術館 ↓
http://www.seikado.or.jp/menu.htm

藤芳あい flower under flower 於: ラディウム-レントゲンヴェルケ
若手作家、藤芳あい女史の個展です。植物の根をモチーフとした作品の数々、とても不思議な感じを覚えました。見ていると植物を描いたり、造作した作品なのに何故か人の神経細胞体やシナプスを連想させます。面白いです。それは、きっと植物も人間ももとは同じと言うことなのかもしれませんね。何だかホッとする良い展示でした。

↓ ラディウム-レントゲンヴェルケ ↓
http://roentgenwerke.com/index.html

帆苅祥太郎「Behind the Sun」 於: CASHI
ラディウム-レントゲンヴェルケの隣りに出来た新しい画廊へスライド移動。「karuma」と題された黒豹を想わせる様な大きな立体作品がドンと置かれた帆苅祥太郎氏の個展です。作品を見て、また展示のタイからも、人間の闇の部分を表現しているかの様に思いました。漆黒の「karuma」はまさに「業」を背負っている様であり、溶けて抱きあう人の様な作品「twins」は人の弱さが表されている様に感じました。

↓ CASHI ↓
http://www.cashi.jp

清水香展 村松画廊
日本橋へ移動。「生 - Life」と題された磁器と鉄のフレームで造られている作品が床に並んでいました。案内状は暗いスペースで作品を光で照らした写真を使用していて、今回は白い壁の会場、光の中で展示されていたので、思っていたイメージと大分、印象が違っていました。ですが、これはこれで良いなと。作家の清水香女史にお話を聞いた処、当初のイメージは今回の様に明るい処で見せるつもりで造ったそうです。清水香女史の体験や意識に基づいて造られた「生 - Life」と言う作品、自分には鉄のフレームが人自身、乳白色のドロッと流れ出したかの様に形成されたセラミックは人が持つ負の意識、その「澱」の様に思えました。とても興味深い作品でしたね。清水香女史の他の作品も見てみたいです。

↓ 村松画廊 ↓
http://www.muramatsugallery.co.jp/

下條智恵子 変わらないカメレオン 於: art project frantic
下條智恵子女史も最近、注目の若手作家。ダイナミックな筆致の作品が並んでいました。ちょっと思うに、最近の若手作家に、この手の大胆な筆致の作品を描く方が多いのではないでしょうか? 現代アートの風潮なのでしょうか? さて、下條智恵子女史の作品は人の欲望をかなりエグく描いている様に感じました。かなりグイグイくる画面です。何故か自分は観ていて、しりあがり寿氏の漫画を連想しました。作品にナンセンス感があるからかもしれませんね。

↓ art project frantic↓
http://www.frantic.jp/

工藤春香 個展 ~川の中の山と山の中の川 於: unseal contemporary art
同じビル階下の画廊へ。こちらも若手現代アート作家、工藤春香女史の作品もダイナミックな筆致による作品でした。鮮やかな色彩で描かれた絵画は自然的であり、人の感情を表したかの様です。景色の様で、そうも見えない不思議な感覚の絵画、興味深いです。パッと見て良く分らない現代アートでも、そこに作家のパワーを感じることの出来る作品には好感、そして興味を持つことが出来ますね。

↓ unseal contemporary art ↓
http://www.unseal.jp

画廊廻りも楽しいものです。この後、近所の日本橋靍島屋に寄って美術品をサクッと観て、仕事をしに事務所へ。

今日の美術展 [平成二十年七月二十五日]

2008年07月25日 | fine arts
今日の東京は今年初の猛暑日だったらしいですが、まぁ、しょうがないッスね。ほとんど人災ですから。日本が亜熱帯圏になるのも近い将来のことかもしれません。で、暑いのはともかく、湿度が高いのと風がないのには自宅でノン・エアコン生活を送っている自分にとっては閉します。せめても風だけでも吹けば....。写真は慶応義塾大学三田キャンパス内に在る「慶応義塾図書館」の建物。明治45年4月に竣工された重要文化財に指定されている歴史的建造物です。

そうそう、平日の木曜日にも拘らず昨日の「スパム・ナイト」へ来て頂いた皆様、感謝です。なかなか盛況でもあり、イヴェントの存続が決定!! 日程は未定ですが、またやります。web のサイトをまめにチェックして下さい。次回も皆様、お待ちしております。

↓ 三宿 web ↓
http://www.m-web.tv/index2.html

江戸文化爛熟期の浮世絵展 (前) 於: 礫川浮世絵美術館
江戸文化爛熟期、1800年代の初期、1820年代までに於ける浮世絵の展示です。浮世絵の質・技が極まったのは、この後の時代ですが、江戸の文化自体の華やかさが頂点に達したこの時期の浮世絵もその栄華が描かれていて、とても美しいものばかりでした。特に女性を描いた作品は、表情、なり、色気、着物や小物に至るまで、描写の全てがとても細やかできれいで完成されていると感じました。あと、凝った摺物が目を惹きました。今回、展示されている浮世絵には江戸の栄華、天下泰平の世が反映され描かれていると思います。後期展も楽しみですね。

↓ 礫川浮世絵美術館↓
http://homepage2.nifty.com/3bijin/

1968 肉体の叛乱とその時代 於: 慶応義塾大学三田キャンパス東館展示スペース
慶応義塾大学が収蔵している資料のアーカイヴ展示です。ベトナム戦争の最中、日本では安保闘争があり、学生運動が盛んな時期、そして高度経済成長期の1968年。この年に行われた舞踏家、土方巽氏の公演「肉体の叛乱」を基に1968年と言う年、時代が紹介されていました。慶応義塾大学の様子を撮った写真、瀧口修造氏と油井正一氏に関する資料、「肉体の叛乱」の映像や資料など、かなり興味深い内容の企画展でした。この展示を通してやはり感じたのが時代や大衆の勢いで、前衛的な芸術や政治への過激な関与が全て良いとは言えませんが、現在の社会、そして現代人には希薄ないろいろな物事に対する前向きな大きな意識、何かを造り出そう、やり遂げようと言う衝動があったと思います。まぁ、その時代と同じことをするのは意味がないので、こう言うことがあって今があることを認識して現代の人々は前向きに生活するべきです。歴史は大切な人類の財産なのですから。ただやはり、この時代の大衆の意識を現代の若者がヘンは方向で捉えて欲しくはないですね。生産的で建設的な前向きの意識を望みます。

↓ 慶応義塾大学 アート・センター ↓
http://www.art-c.keio.ac.jp/