ラックストーン・レコード雑記帳 - アート・和菓子・音楽

ラックストーン・レコード主人、山口'Gucci'佳宏がアート、和菓子、音楽などなど、徒然なるまま書き綴る、まさに雑記帳。

今日の美術展 [平成二十年九月三十日]

2008年09月30日 | fine arts
雨で寒い日々が続いています。このまま、秋から冬に向かってしまうのでしょうか?! 寒いのはイヤですね。今日は久しぶりに美術展へ訪れることが出来たのに体調不良で、あまりトキメクことが出来ずに残念でした。体調を整えることは何事に対して大切ですね。今日は、痛感しました。

現代美術の視点6 エモーショナル・ドローイング 於: 東京国立近代美術館
現在活躍中の世界の現代アート作家達によるドローイング作品の展示です。力を感じる作品ばかりで見ていて面白かったのですが、何だか気持ち的にノリ切れませんでした。自分の体調が悪かったことにも起因しているかもしれませんが.....。ですが、中で興味を惹いたのが、鉛筆 (たぶん) で描かれたドローイングを使用して作られた辻直之氏によるふたつの映像作品。何処か不気味さ、そして反面、可愛らしさやファンタジー的なものを感じさせる不思議な雰囲気を持った映像です。高いメッセージ性もあり、かなりシニカルさを感じました。この美術展、全体の展示の見せ方がとても凝っていて良いと思いましたね。

壁と大地の際で 於: 東京国立近代美術館ギャラリー4
こちらの小展示、自分は展示の主旨をあまり汲み取ることが出来ませんでした。すいません。体調が不調だったからでしょうか、頭がうまく回転しないで読解力が働かず、自分でもまいりました....。個々の作品では鳥海青児氏等の良い作品が多々、あったのですが、テーマに結び付けることが出来ず仕舞いに終り、残念。

↓ 東京国立近代美術館 ↓
http://www.momat.go.jp/

最近の読書 [平成二十年九月二十九日]

2008年09月29日 | books
今日も結局、美術展へ行けず仕舞いでした。致し方ないのですが、まぁ、ちょっとフラストレーションが溜まりますね。今日も一軒、見たい展示終わってしまいました....、トホホ。なので、最近の読書です。

奇跡の人 真保裕一 新潮文庫刊
事故により過去の記憶を失った男の「自分探し」の話ですが、ただの記憶喪失とは違うシチュエーションによるストーリー展開のミステリー小説です。物語の設定が結構、変わっていて引き込まれました。多くの小説には、いつも人 (自分) の人生、生き方を考えさせられること頻りですが、この話にもいろいろと思う処がありましたね。

↓ 新潮社 ↓
http://www.shinchosha.co.jp/

美ジャケ#33

2008年09月28日 | musics
昨日の朝方から急に寒くなりましたね。一気に秋の雰囲気です。今日は夕方から渋谷のグロリア・レコードでレコードをプレイしながら販売する「かけ売り」なるものをして、夜はスカタライツやリコ・ロドリゲスが出演する ”CLUB SKA” 20周年記念イヴェントへ。ナベさん、おめでとうございます。いつもお世話になってます。で、往年のジャマイカン名アーティスト達によるプレイ、最高でしたね。味があります。やっぱりジャマイカン・ミュージックはイイです。そんな訳で今日も美術展へは寄れず仕舞い。バタバタと見たい展示が終わって行くので、歯痒くかなり悲しいのですが、行けない分、他に有意義なことをしているので致し方ないです。なので今日も美ジャケ紹介を。今日は折角、ジャマイカン・ヴィンテージ・アーティストを見たので、ジャマイカン60'sのアルバムを紹介します。

ジャマイカのビール・メーカー “Red Stripe” がスポンサーとなって作られたコムピレイション・アルバム。”BYRON LEE and the DRAGONAIRES”、”CARLOS MALCOM'S AFRO-JAMAICAN RHYTHMS”、”KES CHIN and the SOUVENIRS”、”THE CARIBS”、当時、活躍していたビッグ・バンド系四楽団が収録されています。ジャケット写真の様に紳士淑女の社交場、ダンス・ホールでプレイされていたであろうスカ・ミュージックからラテン、ムード、タンゴ調のヴォーカル曲まで、ゴキゲンなダンス・ナムバー満載、お洒落でナイス、楽しい内容の名盤。旧き良き時代を想い起こさせる雰囲気のあるアルバム・カヴァーも素敵です。

Let's have a Red Stripe party / Various Artists (Premiere/no number)

さて、明日は美術展へ行けるかな?!

美ジャケ#32

2008年09月27日 | musics
昼からのスタヂオ作業前に美術展へ寄ろうと思ったのですが、イヴェントで今日の早朝まで皿廻しをしていた為、さすがに身体が動かず、断念してスタヂオへ向かいました。なので、美ジャケ紹介を。

この前で初期”TICO”レーベルもののジャケットが終わったので、何を紹介しようかと思いましたが、続いてラテン洋物縛りと考えて、このアルバムにしました。米コロムビア・レコード、1954年リリースのビッグ・バンド・ラテン・アルバム。バンド名やジャケット写真の様にアフロっぽい雰囲気があると思いきや、お洒落でモダンなサウンドのラテン・ナムバー満載のゴキゲンな内容のアルバムです。どんなバンドなのかは分かりませんが、当時、活躍していた数多い楽団のひとつでしょう。きっと白人で構成されたホテルの箱バンの様なビック・バンドに違いありません。ジャケット、内容共にグッドな一枚ですね。

MAMBO AT MIDNIGHT / BELMONTE AND HIS AFRO-AMERICAN MUSIC (COLUMBIA/CL598)

今日の美術展 [平成二十年九月二十六日]

2008年09月26日 | fine arts
何だかバタバタ続きで、本当は美術展へ行っているのもままならい程ですが、これだけは見逃すまいと思うものだけでも無理矢理、時間をやりくりして見に行ってます。写真ネタを拾う時間がなくて今日も写真なしです。あしからず。

乙女のイコン展 ~大正・昭和の雑誌に見る少女画のイコノグラフィー 於: 弥生美術館
ここの展示はやはり見逃せませんね。展示期間終了間際、ギリギリで行って来ました。イコンとはキリスト教に於ける聖画像のことですが、この展示はイコンのマリア像の様に乙女の間で聖化された大正・昭和期の挿絵画家達の乙女をモチーフとした少女画の展示です。竹久夢二氏、高畠華宵氏、蕗谷虹児氏、加藤まさを氏、松本かつぢ氏、中原淳一氏、内藤ルネ氏、藤田ミラノ女史等、その時代に人気を博した挿絵画家による少女画のショウケース的に沢山の作品を見ることが出来ました。どの作家の作品も繊細に少女を描がかれていて叙情を感じ、それぞれに良いですが、自分は高畠華宵氏、蕗谷虹児氏、中原淳一氏、藤田ミラノ女史の画風が好きですね。いろいろな作家による少女を描いた挿絵を、こんなに一度に見れてとても有意義な展示でした。
そして、併催の中原淳一氏「没後25年展 私の好きな少女」の特集小展示で展示されていた「ひまわり」、「ジュニアそれいゆ」などの原画がとても素晴らしいものでした。

竹久夢二 子どもの世界展 於: 竹久夢二美術館
竹久夢二美術館の方では竹久夢二氏が子供を題材に描いた作品の数々が並んでいました。子供が描かれた絵はどれもそうですが、特に夢二氏の作品は可愛らしいし、ほのぼのとしていて、ホントに和みますね。そしてシムプルながらきれいな色彩が印象的な絵が多いです。自分としては多くの作品の中では童謡・唱歌楽譜の表紙絵、挿絵が特に気に入りました。あと、動物を描いた挿絵も可愛くて良かったです。夢二氏の子供に対する慈愛が感じられました。

↓ 弥生美術館 ・竹久夢二美術館 ↓
http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/

今日の美術展 [平成二十年九月二十五日]

2008年09月25日 | fine arts
兎角、バタバタしておりますが、隙を突いて一軒、行って来ました。今日も写真なしですいません。

帝室技芸員と1900年パリ万国博覧会 第2期 於: 宮内庁三の丸尚蔵館
1900 (明治33) 年にパリで開催された万国博覧会へ皇室及び宮内庁が関わって日本から出品された絵画や工芸品の数々が並んだ8/19に訪れた展示の第2期です。今回も当時の日本に於ける美術工芸の粋、素晴らしい品々が展示されていました。見ていて思わず感嘆の為、唸ること頻りでしたね。今回の展示品の中では佐々木清七氏による「大太鼓図織物壁掛」が縦十尺、横六尺ほどの大きな織物にも拘らず、その織りの技巧が素晴らしく、大柄な意匠なのですが細部まで緻密に織られていて凄いです。また、迫力のある橋本雅邦氏の「龍虎図」、並河靖之氏によるとても美しい七宝の「四季花鳥図花瓶」などが印象に残りました。あと2回の展示も楽しみです。

↓ 宮内庁三の丸尚蔵館 ↓
http://www.kunaicho.go.jp/11/d11-05.html

今日の美術展 [平成二十年九月二十四日]

2008年09月24日 | fine arts
本当に大分、秋めいて来ましたね。晩は結構、涼しいです。ところで今日、仕事で日テレへ行く用事があったのですが、エントランス・ロビーに横山大観氏による巨大な霊峰富士図があり、その雄大な画面に圧倒されました。素晴らしい作品でしたね。

広告青春時代 昭和の広告展 [II] – 昭和20年~45年 於: アド・ミュージアム東京
日テレからの帰りがけ、広告代理店・電通の広告専門展示館、アド・ミュージアム東京へ寄りました。終戦から昭和45年に至るまでの日本に於ける広告を紹介する展示です。まさに戦後復興から高度経済成長期にかけて、最も日本国民が一丸となって世の中をより良くしようと心掛け、前進していた時期です。展示されていた広告、ポスターや商品、テレビCMなど、やはりどれにも勢いが感じられました。そして、かなり実験的、斬新な手法をどんどんと打ち出しています。何事に於いても現在より規制がゆるかった (例えばタバコのパッケージとか) 故、自由に行うことが出来た広告手法もありますが、とにかくいろいろなことを試行錯誤しながら行っていましたね。また、この当時、広告に携わっていた新進気鋭の方々が現在は大御所となって活躍されているわけで、この頃、日本の広告が確立されたと言えるでしょう。今回の展示では当時のテレビCMを多数見ることが出来たのと、今では少数となったネオン管を使用した野外広告、看板を写した映像が興味深いものでした。凝ったネオン管の点灯による看板はポップできれいです。今となっては消費電力などを考えるとネオン管の使用もままならないのでしょうが....、今はその代わりに大型ヴィジョンですね。

↓ アド・ミュージアム東京 ↓
http://www.admt.jp/

パラレル・ワールド もうひとつの世界 於: 東京都現代美術館
フランス人アーティスト、ユーグ・レプ氏が日仏10人のアーティストと共にパラレル・ワールドを作り出しています。作家や作品を個々にはどうのこうのと言うより、全体を通して幻想的で可愛らしく楽しい雰囲気の良い展示でした。ユーグ・レプ氏の私蔵品と展示されていましたが、ジュール・ベルヌ氏の著作「月世界旅行」やそれを映画化したジョルジュ・メリエス氏の作品を連想しました。展示作品の中ではユーグ・レプ氏の独自の世界観によって造られた全てのもの、そして緑色に着色された春雨を使い造られたミシュエル・ブラシー氏による巨大な毛虫、曽根弘氏の雪の結晶をモチーフとした一連の作品が目を惹きました。本当に現世界と並列 (パラレル) して展示された作品に展開されている様な世界が存在しているのかもしれませんね? そう考えると楽しいです。

↓ 東京都現代美術館 ↓
http://www.mot-art-museum.jp/

今日の美術展 [平成二十年九月二十三日]

2008年09月23日 | fine arts
初秋の穏やかな陽気の秋分の日でした。夕闇迫る空 (写真) が綺麗でしたね。

狩野芳崖 悲母観音への軌跡 於: 東京藝術大学大学美術館
これは見逃すまいと最終日に滑り込みで行ってきました。江戸時代の御用絵師の家系、狩野派に生まれ幕末の長州藩の御用絵師であり、近代日本画の基礎を築いた狩野芳崖氏の画業を紹介した展示です。幼少期の作品から氏の絶筆であり、最高傑作と言える「悲母観音」に至るまで、数々の名作が並んでしました。古来からの伝統的な技法を踏襲した上に西洋画法を取り入れた独自の作風は何か迫ってくるものがあります。特にフェノロサ氏がもたらした西洋顔料を用いた作品の鮮明な色彩は斬新で惹かれました。そして、「悲母観音」はやはり氏の画業の粋と言える完成された素晴らしい作品です。見ていると本当に穏やか気分になりますね。「悲母観音」に影響を受けた作家が描いた作品も興味深いものでした。この展示、見逃さずことなく良かったです。

台東区コレクション展 日本絵画の源流、敦煌莫高窟壁画模写 於: 東京藝術大学大学美術館3階展示室3
中国、敦煌の石山をくり貫いて造られた岩窟寺院、古代遺跡である敦煌莫高窟に於ける壁画を藝大大学院修了者が模写した作品の展示でした。模写の技術力は素晴らしいもので、本物の壁画の雰囲気を伝えています。色とりどりに描かれた数々の仏の姿は圧巻ですね。現存物はそれは見事なもので、さらに描かれた当初はさぞやきらびやかで美しかったことでしょう。この模写の様な試みは古代の人々の功績の素晴らしさを認識出来る良い事業だと思います。

ichikenten 2008 東京藝術大学日本画第一研究室発表展 於: 東京藝術大学大学美術館 陳列館・正木記念館
藝大日本画第一研究室の学生・教員の方々による作品・研究発表展です。独自のアプローチをした日本画の数々、現代に於ける進行形の日本画の姿を垣間見ることが出来た様に思います。印象に残る作品も数点あり、作家の方々の今後の活躍が期待されるところ。中でも自分の気を惹いたのが中村恭子女史の作品。ご本人とちょっとお話したのですが、大学院博士課程の2年生だそうです。ランをモチーフに描かれたシリーズ作品「生殖の線」、本来の日本画と言う感じはありませんが、日本画の技法を駆使し高い技術力で描かれています。ハンス・ベルメール氏の画風を連想させる様 (特に素描画) な繊細な筆致とエロティシズムを感じる画面、独特な雰囲気があります。
「生殖の線」と言うタイトルからも感じられる様に中村恭子女史はランを通して生き物の「生 (性) の本質」を描いているのでないでしょうか?! 中村恭子女史、今後、注目したい作家さんです。この展示、全体的には自分んとしてはもっと古典的な作品があったらなぁ~、と少し思いましたね。

↓ 東京藝術大学大学美術館 ↓
http://www.geidai.ac.jp/museum/

美ジャケ#31

2008年09月22日 | musics
今日も雨にヤラれましたね。何かと建て込んでいることがある上に足を奪われて、結局、美術展へは寄れず仕舞いでした。また行きたい美術展が終わってしまいます.....、トホホ。なので、今日はまた美ジャケの紹介を。

今回で初期"TICO"レーベルのジャケットを紹介するのも最後となります。前回までにレコード番号1001から1040までの内、自分の所有している29枚を紹介しました。40番までで抜けている11枚は、また入手する機会があれば紹介します。で、今回のアルバムは1001番より古い10インチ・アルバムです。自分は初期"TICO"レーベルの10インチ・アルバムはこの1枚しか所有しておりませんが、全部で10枚程がリリースされている様です。本アルバムはラテン・ピアニストの大御所、ジョー・ロコ氏とベース、パーカッション、トリオ編成の演奏によるお洒落なラテン・サウンド。ジャジーな雰囲気もたっぷりです。2色刷りながらアルバム・カヴァーも良い雰囲気が出ていますね。
さて、次回から美ジャケ紹介は何にしようかな?!

MAMBO BY JOE LOCO AND HIS TRIO (L.P. 109)

↓ TICO RECORDS ↓
http://www.spectropop.com/tico/index.htm

今日の美術展 [平成二十年九月二十一日]

2008年09月21日 | fine arts
今日の雨も激しかったですね。午前中に原チャリで出掛けようとした矢先に雨が振り出し、美術展へ行くのを断念、スケジュールを変更しました。先日のPC周りのトラブルと空模様でかなり行くことが出来ずに終了してしまった美術展が結構あって残念です....。

万華鏡展 – 光と影のシンフォニー 於: Bunkamura Gallery
前述の様に雨天の為、予定変更を余儀なくされたので仕事の前に近場のギャラリーに寄りました。世界の万華鏡作家の作品の展示・即売です。万華鏡にもいろいろなものがあって、かなり驚きましたね。覗いた中が美しいのは言うまでもありませんが、外見からとても凝っているものや中の見せ方が工夫されているものなど様々で、結構、興味を惹かれました。内面のそのヴィジュアルは幻想的で、とても魅せられます。こんなに綺麗な万華鏡、きっとコレクターの方も多々、いらっしゃるかと思いますが、自分もちょっと集めてみたくなりました。今以上に蒐集物を増やせないので実際には集めませんがね....。

↓ Bunkamura ↓
http://www.bunkamura.co.jp/gallery/index.html