[長谷川櫂選]
(藤岡市・飯塚柚香)
〇 ハンサムな夏木にひとり雨宿り
〔返〕 ハンサムな夏八木勲は慶応出
ハンサムな夏木陽介明大出
ハンサムな男殺しの夏木マリ
(岸和田市・小林凛)
〇 迷い来て野鳥も授業受ける夏
〔返〕 迷い来てツバメ廊下を貫けり
迷い気に残り西瓜に手を出せり
迷い無く授業プランを立てにけり
(仙台市・松岡三男)
〇 室生寺に夏の楓のありにけり
〔返〕 室生寺の五重塔の修復成る
カエルデの短縮形がカエデなり
柿の木も今は無くなり法隆寺
(神戸市・涌羅由美)
〇 汗まみれ涙まみれの迷子かな
〔返〕 汗まみれいばり塗れの捨て子かな
汗まみれ川内優輝のゴールイン
汗まみれ血まみれ相撲の大砂嵐
(鹿児島市・青野迦葉)
〇 鹿児島や涼しき夏を重ねつつ
〔返〕 鹿児島や錦江湾に虹が立つ
鹿児島の土産カルカン旨く無し
鹿児島は桜島から灰が降る
(糸島市・白仁野火人)
〇 白地着て白き褌も思ひ立つ
〔返〕 紺絣姿婀娜なる若女将
白地着て白きふんどし黒き魔羅
白地着て黒き日傘を差しにけり
(東京都・三浦民男)
〇 ステッキも同じ花柄夏帽子
〔返〕 ステッキは仕込み杖とか伝右衛門
花柄の夏帽子など在るもんか
ステッキを突けば紳士の大正期
(朝霞市・小島雨花)
〇 まだ若き夏愛したり白い雲
〔返〕 まだ若き芸者小夏の愛しけれ
初夏を若き夏とは謂ひ得たり
黒雲のむくむく湧いた晩夏かな
(城陽市・山仲勉)
〇 知らぬ間に紅付けらるる鬼百合に
〔返〕 鬼百合と呼ばれし程のじゃじゃ馬さ
鬼百合はユリ科ユリ属の植物だ
鬼百合はユリ科ユリ属<葉は互生>
(霧島市・久野茂樹)
〇 蟻のごと草臥れはてし日本人
〔返〕 この夏の暑さ厳しく氷水
蟻ほどは働かないぞ日本人
草臥れて句評止めたり鳥羽省三
(藤岡市・飯塚柚香)
〇 ハンサムな夏木にひとり雨宿り
〔返〕 ハンサムな夏八木勲は慶応出
ハンサムな夏木陽介明大出
ハンサムな男殺しの夏木マリ
(岸和田市・小林凛)
〇 迷い来て野鳥も授業受ける夏
〔返〕 迷い来てツバメ廊下を貫けり
迷い気に残り西瓜に手を出せり
迷い無く授業プランを立てにけり
(仙台市・松岡三男)
〇 室生寺に夏の楓のありにけり
〔返〕 室生寺の五重塔の修復成る
カエルデの短縮形がカエデなり
柿の木も今は無くなり法隆寺
(神戸市・涌羅由美)
〇 汗まみれ涙まみれの迷子かな
〔返〕 汗まみれいばり塗れの捨て子かな
汗まみれ川内優輝のゴールイン
汗まみれ血まみれ相撲の大砂嵐
(鹿児島市・青野迦葉)
〇 鹿児島や涼しき夏を重ねつつ
〔返〕 鹿児島や錦江湾に虹が立つ
鹿児島の土産カルカン旨く無し
鹿児島は桜島から灰が降る
(糸島市・白仁野火人)
〇 白地着て白き褌も思ひ立つ
〔返〕 紺絣姿婀娜なる若女将
白地着て白きふんどし黒き魔羅
白地着て黒き日傘を差しにけり
(東京都・三浦民男)
〇 ステッキも同じ花柄夏帽子
〔返〕 ステッキは仕込み杖とか伝右衛門
花柄の夏帽子など在るもんか
ステッキを突けば紳士の大正期
(朝霞市・小島雨花)
〇 まだ若き夏愛したり白い雲
〔返〕 まだ若き芸者小夏の愛しけれ
初夏を若き夏とは謂ひ得たり
黒雲のむくむく湧いた晩夏かな
(城陽市・山仲勉)
〇 知らぬ間に紅付けらるる鬼百合に
〔返〕 鬼百合と呼ばれし程のじゃじゃ馬さ
鬼百合はユリ科ユリ属の植物だ
鬼百合はユリ科ユリ属<葉は互生>
(霧島市・久野茂樹)
〇 蟻のごと草臥れはてし日本人
〔返〕 この夏の暑さ厳しく氷水
蟻ほどは働かないぞ日本人
草臥れて句評止めたり鳥羽省三