葉牡丹 青田伸夫(歩道)
○ 暮れ方の欅並木の下ゆけばわれに触りつつ散る落葉あり
○ あかあかと沈む夕日を見送りて冬の間近になりしを思ふ
○ 爛熟の時代に生きる一人にてデジタルの語にいまだ戸惑ふ
○ 梯子車のその先端に人立ちて銀杏の木末伐りはらひ居り
○ 宇宙より還りし人が地を踏みて重力感ずと言ひし一言
○ 初飛行終へし国産ジェット機をテレビに見つつ心晴れくる
○ 突風に吹き煽られし林より立ちし鴉ら宙にさまよふ
○ 公園の一角見えて吹く風に立ち騒ぐ木々狂ほしくみゆ
○ 歌ごころ閉ざせるままに暮れし日よ憐れむごとく地震ゆりくる
○ 捨つるべく廊下に積みし雑誌類不意にみづから崩るる音す
○ あるかなし存在示すごとくにて林檎の種が床に落ちゐる
○ 鉢植ゑの葉牡丹ならぶ店先にしばし佇み感傷はらふ
○ 暮れ方の欅並木の下ゆけばわれに触りつつ散る落葉あり
○ あかあかと沈む夕日を見送りて冬の間近になりしを思ふ
○ 爛熟の時代に生きる一人にてデジタルの語にいまだ戸惑ふ
○ 梯子車のその先端に人立ちて銀杏の木末伐りはらひ居り
○ 宇宙より還りし人が地を踏みて重力感ずと言ひし一言
○ 初飛行終へし国産ジェット機をテレビに見つつ心晴れくる
○ 突風に吹き煽られし林より立ちし鴉ら宙にさまよふ
○ 公園の一角見えて吹く風に立ち騒ぐ木々狂ほしくみゆ
○ 歌ごころ閉ざせるままに暮れし日よ憐れむごとく地震ゆりくる
○ 捨つるべく廊下に積みし雑誌類不意にみづから崩るる音す
○ あるかなし存在示すごとくにて林檎の種が床に落ちゐる
○ 鉢植ゑの葉牡丹ならぶ店先にしばし佇み感傷はらふ