○ボールト指揮ロンドン・フィル(LYRITA)1973/11/13・CD
映画音楽のしかも典型的な葬送音楽で特に言うことは何もないオーダメイド臭ふんぷんの曲で、あきらかにラヴェルやプロコから剽窃してきたような楽想・和声の巧く組み合わされた感じに僅かにウォルトンらしい妙な装飾音を織り交ぜた強い旋律によって突き通された悲劇的な曲だが(綺麗は綺麗である)、ボールトはそれほどウォルトンを得意としていないせいかどうも透明感がなく、いやこれはこれで完全にハムレットの悲劇的シーンを描ききった名演と言えるが、ウォルトンを聴いている感じがしないのである。とにかくコノ曲では評価のしようがないが、ボールトにそもそもウォルトンの根幹に流れるシニシズムを表現する気もないわけで、まあ、これは小曲を表現できる範囲で表現した、といった感じか。○。
映画音楽のしかも典型的な葬送音楽で特に言うことは何もないオーダメイド臭ふんぷんの曲で、あきらかにラヴェルやプロコから剽窃してきたような楽想・和声の巧く組み合わされた感じに僅かにウォルトンらしい妙な装飾音を織り交ぜた強い旋律によって突き通された悲劇的な曲だが(綺麗は綺麗である)、ボールトはそれほどウォルトンを得意としていないせいかどうも透明感がなく、いやこれはこれで完全にハムレットの悲劇的シーンを描ききった名演と言えるが、ウォルトンを聴いている感じがしないのである。とにかくコノ曲では評価のしようがないが、ボールトにそもそもウォルトンの根幹に流れるシニシズムを表現する気もないわけで、まあ、これは小曲を表現できる範囲で表現した、といった感じか。○。