湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ジョリヴェ:フルートと打楽器のための協奏曲(フルート協奏曲第2番)

2018年04月10日 | Weblog
作曲家指揮小出(fl)他(towerrecords)CD

来日時のセッション録音をタワレコ独自に復刻したもの。呪術的なフルートもこの時期にはかなり抽象化され無調のように哲学的に響く。極度に単純化された野蛮主義は打楽器以外の存在を否定し、1、2楽章は暗く音少なく、ジョリヴェらしからぬ無機質さを感じさせる。往年の現代音楽の如き3楽章は打楽器の派手さに聞くものがあるが、基本的に端的で、連続した流れは形作らない。フルートのみが息苦しくのたうち回る。4楽章はふたたび、空疎な闇に戻る。狂えるフルートはひたすら吹き通し、打楽器は3楽章同様、もっと音少なに端的に合いの手を入れるのみである。楽曲は終わりの場所がわからないほど唐突にこと切れる。呪術的な雰囲気がなく無機質な感もあるがフルーティストはじつに達者。この曲はフルーティストさえしっかりしていればパーカスはあまり見せ場がない。音が少ないから巧拙はわからないが、録音は最上級のステレオでジョリヴェ自作自演の中でも貴重だろう。
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