○ベルティーニ指揮ケルン放送交響楽団(capriccio)1989/11/11LIVE・CD
この楽団はけっして技術的精度のもともと高い楽団ではないのである。この演奏でも技術的限界を感じさせる部分はソロ部に若干ある。しかし、ごく細部まで神経質に整えられ音量バランスが注意深く保たれ、完璧に彫刻されたアンサンブルからは全く瑕疵のようなものは聞こえてこない。スコアを完璧にうつすという意味では(音響の整え方がドイツ的で重心が低いきらいがあるが)ベルティーニがマーラーより得意としたと言われているラヴェルとは相性がいい、というのは納得がいく。ボリュームや甘さを排した表現にははっきりドイツ様式があらわれているが楽団のほうの性格の反映かもしれない。とにかく、凄い指揮者だったことはわかる。個性的かというと往年の名指揮者と比べるべくもないところもあるが。
この楽団はけっして技術的精度のもともと高い楽団ではないのである。この演奏でも技術的限界を感じさせる部分はソロ部に若干ある。しかし、ごく細部まで神経質に整えられ音量バランスが注意深く保たれ、完璧に彫刻されたアンサンブルからは全く瑕疵のようなものは聞こえてこない。スコアを完璧にうつすという意味では(音響の整え方がドイツ的で重心が低いきらいがあるが)ベルティーニがマーラーより得意としたと言われているラヴェルとは相性がいい、というのは納得がいく。ボリュームや甘さを排した表現にははっきりドイツ様式があらわれているが楽団のほうの性格の反映かもしれない。とにかく、凄い指揮者だったことはわかる。個性的かというと往年の名指揮者と比べるべくもないところもあるが。