湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ドビュッシー:三つの交響的エスキース「海」

2017年11月22日 | Weblog
プレートル指揮フィレンツェ五月祭管弦楽団(MAGGIO)1992/10/31ヴェルディ劇場フィレンツェlive・CD

1楽章は明るくゆったりとした音楽になっているが時折奇矯なことをやって耳を引く。作為が見えてしまい居心地が悪く思えるところもある。2楽章は動きが加わるが1楽章でもかんじられたオケの弱さが気になる。ライヴだからこそ弦楽器の乱れがよくきこえてしまう。90年代前半の演奏なのでまだプレートルも壮年の輝きをはなち弱音の美麗さ、末尾のハープとかさなる楽器のリタルダンドまで美しい。3楽章の不穏なはじまりは明るい雰囲気をちゃんと曲想にあわせて変えてきている。オケに配慮が行き届いている。きちっと激しいところは鋭くやっている。ただメロディ楽器の音符の最後に瞬間テンポルバートをかけ引き延ばしてディミヌエンドさせおさめるなど後年まで続くやわらかい処理は顔を出す。緩急がよくついており、それはよくあるデジタルな変化ではなくやわらかい自然なもので物語性を一貫して演じさせ印象深い。楽想変化もすこぶるあざやかだがすべらかでわかりやすい演出がほどこされる。丁寧で、性急に終わるに向かうことはしない。力づくで叩きつけるのではなく雄大な波のうねる表現はなかなかだ。終わり方も丁寧。少し作為的だが良演だと思う。拍手はふつう。
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