フレイタス・ブランコ指揮スイス・ロマンド管弦楽団(forgottenrecords)1959/04/17ジュネーヴlive放送
録音状態は放送エアチェックレベルで3楽章からはノイジーで聴きづらいところもある。モノラル。これは一楽章冒頭から超高速インテンポで度肝を抜かれる。ボレロとは真逆、音に全くこだわりなく心のない即物的解釈。こんな極端なのは逆にブランコの個性だろう。ただ設計の通りらしいのは展開部から中低音域に重みが出てきて、それらしい「音楽」になってくるところで、再現部に頂点を持ってくるよう意図されているのだ。中間楽章はまともだし瞬間的には恣意的なルバートもかかるし、何より四楽章で一楽章主題の再現は盛大なフォルテにより盛り上げている。緩急の緩が意図的に暗くせず流されているのはブランコならではだが、変な思い入れのある演奏「にすべきではない」曲という考えもあるのかもしれない。ラストの軽快な版の選択も当然で、客席は大ブラヴォ(この日のメインプロである、恐らくアンコールを除くコンサート全曲がこの盤におさめられている)。独特のライヴを聴きたいならお薦め。frの発掘音源でブランコをシリーズで復刻している。スイス・ロマンドはアンセルメに鍛えられた技術、透明で明るい色調へのこだわりを良い方向に持って行っている。曲のローカル色を廃しフランス的な音響配置によりむしろブランコとの相性がよくなっている。
録音状態は放送エアチェックレベルで3楽章からはノイジーで聴きづらいところもある。モノラル。これは一楽章冒頭から超高速インテンポで度肝を抜かれる。ボレロとは真逆、音に全くこだわりなく心のない即物的解釈。こんな極端なのは逆にブランコの個性だろう。ただ設計の通りらしいのは展開部から中低音域に重みが出てきて、それらしい「音楽」になってくるところで、再現部に頂点を持ってくるよう意図されているのだ。中間楽章はまともだし瞬間的には恣意的なルバートもかかるし、何より四楽章で一楽章主題の再現は盛大なフォルテにより盛り上げている。緩急の緩が意図的に暗くせず流されているのはブランコならではだが、変な思い入れのある演奏「にすべきではない」曲という考えもあるのかもしれない。ラストの軽快な版の選択も当然で、客席は大ブラヴォ(この日のメインプロである、恐らくアンコールを除くコンサート全曲がこの盤におさめられている)。独特のライヴを聴きたいならお薦め。frの発掘音源でブランコをシリーズで復刻している。スイス・ロマンドはアンセルメに鍛えられた技術、透明で明るい色調へのこだわりを良い方向に持って行っている。曲のローカル色を廃しフランス的な音響配置によりむしろブランコとの相性がよくなっている。