湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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バルトーク:管弦楽のための協奏曲

2012年11月13日 | 北欧・東欧
○コンドラシン指揮ACO(aulide:CD-R)1977/11/17live

バルトークは極めてファンの多い作曲家だが私には掴みどころのない作曲家に見える。ドビュッシーの影響下から始まり民族要素を前衛的手法によって換骨奪胎させた独自の書法を展開し、一時期はまったく人好きのしない演奏家好きしかしないような作品を生み出していたが、晩年渡米後は困窮の末その腕をいかした隙のない緻密な書法を売りとする娯楽作品を世に出した、くらいの文学部的な知識しかない。この作品は「国家的作曲家」ショスタコのレニングラード1楽章戦争の主題を揶揄した「中断された間奏曲」で知られるが、まあ、ショスタコの態度については賛否ありバルトークが批判する態度にも賛否あるだろう、そういうことは抜きにして、管弦楽によるアンサンブルというものの素晴らしさを改めて認識させるような名作であり、他曲とくらべそれほどぬきんでた旋律というものは無いものの、聴かせる力は十分にある。オケの力試しという側面も強いこの作品にあって、ショスタコを得意としたコンドラシンが振る、それだけでもちょっと面白いのだが、コンドラシンのギチギチの指揮は曲の性向とマッチしている。ただ、ブラスが弱い。録音バランスのせいかもしれないがいずれも高音が伸びず音が暗い。弦楽合奏と木管とパーカスだけでも楽しめる曲だが、そのバランスは気になった。○。

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