湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ドビュッシー:カンタータ「放蕩息子」

2011年03月01日 | ドビュッシー
◎ジャニーヌ・マショー(Sp)ミシェル・セネシャル(T)ピエール・モレ(B)クリュイタンス指揮トリノRAI交響楽団(ARTS他)1962/5/4live・CD

皆さん書かれていることだが、よくぞこの高音質で残してくれたという音盤で、同曲の骨董録音中最もリリカルで美しい演奏記録だと思う。オリエンタルな旋律線を初期ドビュッシー特有の軽い響きに乗せて思いいれたっぷりに紡いでゆくさま、更に細部まで明瞭に聴き取れるゆえにドビュッシーの先進性、特有の音響が如実。歌唱もいずれもクリュイタンスの注意深い棒と調和した表現を崩さず、管弦楽が先行し過ぎてドラマが置いてきぼりになることもない。クリュイタンスのいずれの録音にも言えることだが感情が比較的出やすいのにもかかわらず精度が保たれ、とくに踏み外したりミスしたりしがちなこのオケの弦楽器が滑らかに磨かれ、音色的な面で個性が抑えられてしまっている面もあるけれども、クリュイタンスのドビュッシーとしては問題ない。◎。ハープがいい!

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