湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

マーラー:交響曲「大地の歌」

2017年10月30日 | Weblog
ヘフリガー(T)メリマン(Msp)クレツキ指揮ORTF(ina配信)1964/5/7放送live

比較的良好なステレオ。マーラー歌いとしてヨッフム盤では同じタッグで取り組んだヘフリガーとメリマンの余裕安定の歌唱に対し、クレツキは交響的でダイナミックな指揮でオケを盛り上げる。これは交響曲的演奏であり連作歌曲集的な繋ぎ合わせ感、あくまでバックオケとしての薄い響きのアンサンブルという観点はない。ちょっと音色が一本調子で中間楽章のニュアンス(アイロニカルな色とでも言おう)に欠けるところがあり、音楽の起伏のわりにすんなり聞けてしまう点は長大な告別でも変わらない。静かな終わり方の曲なのでブラヴォも後から少しずつ増える感じだが、これらがあくまでソリストに向けてのものであることはかんじとれ、クレツキもこの弱いオケをよく引っ張ったのに、と思うところもある。マーラーをやるにしてはやはりちょっと弱い、音色的にも。
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マーラー:交響曲第1番「巨人」

2017年10月30日 | Weblog
クレツキ指揮ORTF(ina配信)1970/6/24放送live

これは安心して聴いていられる。マーラー前期に合っているのだろう。ブラヴォこそ困惑混じりの感もあるがラストのカットのせいだろう、このカットは他でも稀に聴かれるもので、肝心のクライマックスで足をすくわれるが、それでも全体として起伏も激しくしかし均整は失わずに音響的には素晴らしく調和し和声変化が明確でカラフルだ。タイタンのスタンダードと言ってもいい〜ラストのカットと、オケの非力を除けば。三楽章はしっかり弾く方をとっている。クレツキらしい。
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プロコフィエフ:交響曲第5番

2017年10月30日 | Weblog
クレツキ指揮ORTF(ina配信)1965/12/9放送live

壮麗。力任せの猪突猛進ではないプロコフィエフの「娯楽作」を聞かせてくれるが、イメージ的に透明感や構築性を旨とした演奏をするクレツキが、ここではさすがに機を見て隈取濃く激しくやっている(四楽章は弦楽器がついてけないほどドライヴしてる)のを聴いて、そういえばこういう演奏もしていた、と思い出した。客席大ブラヴォ。音は放送レベルのまずまずのステレオ。クレツキは微細なルバートをひんぱんに掛けさせて、ソロが乱れてるように感じさせるところがあり、よく聞くと構造重視でいながらけっこう個性的なのです。和声は美しいが明確な描き分けはここでは無い。
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