湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

☆マリピエロ:弦楽四重奏曲第2番「ストルネッロとバッラータ」

2017年05月01日 | その他ラテン諸国
◎ポルトロニエリ弦楽四重奏団(NGS)1928/3・SP

この時代の録音演奏者にしては巧い。スペンサー・ダイクとは比較にならない。安心してオールドスタイルのなめらかなボウイングに艶っぽいポルタメントを楽しむことができる演奏である。曲がカゼッラを巧緻に構成しなおしたように明るくわかりやすく、変則的で短いものの歌曲的発想を背景としたものであることも歌謡的な演奏向きの団体のスタイルにあっている。この長生の作曲家は外れは無い、この曲では特にフランス派が好きな向きは、踏み外さない前衛性とミニアチュール志向を込みで楽しめよう。同団体及びファーストのアルベルト・ポルトロニエリは古典演奏を中心とした活動を行ったが(古楽ではない)、同SP期にカゼッラとボヌッチでブラームスのトリオ二番を録音している。マリピエロもイタリア復古主義の中で古典志向に変遷した作曲家だった。オルフェウスQが全集を出している(8番まで、殆どが表題付き)。

ネット配信中

オルフェウス弦楽四重奏団の全集;今や1133円・・・
Malipiero: Complete String Quartets / Orpheus String Quartet
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆サルマノフ:交響曲第3番

2017年05月01日 | ロシア・ソヴィエト
○ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィル(DREAMLIFE他)1965/11/24live・CD

一つ言えることは、この作曲家の曲の録音のほとんどがムラヴィンスキーによるということだ。私情をはさんでいると言ったら言い過ぎかもしれないが、親友ではあった。作風はまったくこの時代の「歪んだソヴィエト音楽」そのものであり、ショスタコやミャスコフスキーなど(ボリス・チャイコフスキー寄りかもしれない)同時代の腹に一物持つ交響曲作曲家のくらーい作品に似通ったかんじで、旋律があっても美しく聞こえず畸形化し、終楽章も死ぬように終わる。唯一聴けるのが3楽章のスケルツォで打楽器系の特殊な響きとリズムが面白いし独特の民族性を煽る。ムラヴィンにしてはそんなに巧いと言うほどの演奏ではない気もする普通の演奏。曲的に3楽章だけを評価して○、マイナスがないという点で○。よって○。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする