茶々日和~まったりしましょ~

愛犬茶々(Mダックス・メス)とのまったりした暮らしと、趣味の観劇記です。よろしくお願いします。

夏の読書『屍鬼』

2019-07-27 22:00:16 | 読書・映画
記事にしない読書もちゃんとしていますが、夢中になれた本をご紹介。

7月の初めごろから、通勤電車の中で少しずつ読み継いだのが、小野不由美さんの『屍鬼』。
図書館で5巻まとめて借り出したのですが、第1巻は5回貸し出されていたのですが、第2巻以降は一度も貸し出されていませんでした。
第1巻の、村の成り立ちや村の地理・風習・住人情報、といった基本設定で脱落してしまったようです。
確かに、樅の木に囲まれた外場の描写や様々な登場人物が入れ替わり立ち替わり紹介される第1巻は、物語もまだ(表面的には)進まず、裏紙に地図を書いたり、人間関係を確認するために何度も本をひっくり返したりで、なかなか先に進めませんでした。
現実の時間軸の中に挟み込まれる僧侶の静信の書く小説も、観念的すぎてさっぱり頭に入って来ず、しかも、この後どう繋がるのか分からないので読み飛ばすわけにも行かず、苦労しました。
ギブ・アップ率が高いのも、宜なるかな。
でも、惜しい!もったいない。
おもしろいんですよ、このあとの展開が。
第2巻に入ると、第1巻で静かに進行していた村人の謎の連続死を巡る、新型の伝染病?との戦いの様相を呈し、医療ドラマというか、推理小説とのようになり、第3巻で「屍鬼」の存在が明らかになり、彼らの侵略が始まると、もう、止まりません。
第1巻のなんでもない描写や会話が、ちゃんと伏線になっているのに気づいて、なるほどとうなったり、屍鬼には屍鬼の事情や悩みもあるんだと思ったり。
生きるために人を狩る屍鬼は呪われた存在であるけれど、それを悪と決めつけることは危険だ。
屍鬼を狩る人間の姿は残酷で浅ましい。
けれども、その浅ましさから逃げ出さず、屍鬼を狩る敏夫の方が、屍鬼の側に立つ静信よりも人間らしく感じたり。
第5巻は、一気に読み終えました。
これは、ホラーなのか推理小説なのか、伝奇ものなのか、パニックものなのか?
どれもあてはまるけれど、結局これは一つの村が消滅していく物語で、その中で、極限状況に置かれた人々の生と死とが描かれた人間?ドラマなんだと思いました。
夏休みのように、まとまった時間に一気に読むのがおすすめです。




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