三沢空港から無料バス・ぐるっとに乗り、三沢観光が始まりました。
この「ぐるっと」、だいたいの見学時間を盛りこんで時刻表が組んであるらしく、観光の足として、なかなか役に立ってくれました。
まず、出かけたのが、こちら、寺山修司博物館です。
寺山修司さんといえば、短歌やエッセーから前衛演劇まで、マルチな才能に恵まれた芸術家といった印象でしょうか?
戯曲は何本か読んだことがあるのですが、その言葉の美しさとは裏腹の、毒々しいまでのエログロにはついていけないなあと思ったものです。
さて、その寺山修司博物館は、三沢市の小川原湖(おがはらこ)を望む、三沢市市民の森公園内にあります。
ほぼ四半世紀たった博物館は、老朽化が進んでいますが、その個性的でアバンギャルドな外観は、いかにも寺山修司といった趣きがあります。
左半分が常設展示室。右半分が、事務所や企画展、物販や休憩スペースになっています。
打ちっぱなしのコンクリートの外壁には、寺山作品のレリーフが嵌め込まれていて、ものすごく、前衛っぽい雰囲気です。
常設展示室の部分は円形でテントを思わせるドーム型の明かり取りのある屋根を載せています。
こちらの外壁には、大きなピエロの仮面。
右半分の猥雑なイメージと比べると、すっきりした印象。
常設展示室には、寺山修司の遺品が展示されていますが、その展示方法がまた、ユニークなのです。
まず、中央の大きなドームの明かり取りの下に、劇団天井桟敷の舞台が繰り広げられています。
この、祝祭が行われている舞台の下に、寺山修司の遺品が収められた机が並んでいます。
この、古めかしい机の上には、スタンドと、懐中電灯が置かれています。
この、古めかしい机の上には、スタンドと、懐中電灯が置かれています。
(この机にはラジオも置いてあります。)
この机の引き出しの中に遺品が入っていて、それを懐中電灯をつけて見ていくのですが…
なんと、懐中電灯がスイッチになっていて、その遺品と関連する映像が机の上に映写され、音楽やインタビュー音声などが流れてくるという趣向なのです。
なんと、懐中電灯がスイッチになっていて、その遺品と関連する映像が机の上に映写され、音楽やインタビュー音声などが流れてくるという趣向なのです。
この引き出しの中には、カルメン・マキの「時には母のない子のように」のレコードや「さよならの城」の詩画集がはいってました。
開けて、懐中電灯をつけると、机の上に、歌詞とイメージ映像が投影され、カルメン・マキさんの歌声が流れてきました。
な、懐かしすぎる。
ひとつひとつの机の引き出しをじっくり見ようとしたら、時間はいくらあっても足りません。
円形のテントの中には、マルチな才人だった寺山ワールドがいっばいに広がっていました。
さて、博物館の裏手には、雑木林を縫って散歩道ができています。
歌碑が道案内をしてくれます。
野鳥の囀りを聞きながら、春を告げる花を眺めながら、15分くらいの散歩道です。
この道は、どこに続く?
この道は、どこに続く?
正面に、小河原湖の風景が広がっていました。
そこから左に折れてぐるっと歩くと、眼下には小田内沼が見えてきます。
しじみ漁の船がみえます。
この、沼を見下ろ展望台には、平成元年に建てられた文学碑があります。
本の形をした文学碑には、短歌が刻まれています。
本の形をした文学碑には、短歌が刻まれています。
君のため一つの声とわれならん失ひし日を歌わんために
一粒の向日葵の種まきしのみに荒野をわれ処女地と呼びき
マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや
歌碑の前には、ビクターの犬?
こんなフキの葉っぱも群生していて、なんだか、コロポックルが隠れていそうな雰囲気。
この周囲は、自然観察のトラッキングルートにもなっているようです。
たっぷり1時間見学し、さあ、次はどこだ?