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学校基本調査:不登校5年ぶり増加…「受け皿校」拡大

2007年08月09日 | スクラップ

 不登校の小中学生が5年ぶりに増加に転じた。9日公表された文部科学省の学校基本調査。フリースクール関係者からは「ここ数年の締め付け策の限界が露呈した」「いじめが多発する場所に子どもは行かない」と厳しい声が聞かれる。こうした現状を反映して、不登校のまま卒業した中学生向けに、毎日通学しなくても単位が取れる通信制高校やサポート校が大幅に増え、学校に代わる学びの場となっている。【山本紀子】


◇きめ細かい対応

 「のびのび学べる」をうたう通信制高校は、90年度には全国で84校だったが、07年度には192校に。通信制での高校卒業資格取得を支援する「サポート校」と呼ばれる私塾も乱立し、300校に達したとされる。

 サポート校「東京国際学園高等部」(東京都渋谷区)は紺のジャケットに赤いネクタイ・リボンが制服。昼過ぎに現れる生徒もいるが、スタッフは「よく来たね」と温かく迎える。生徒約400人のうち8割が不登校体験者で、中学時代に不登校になった生徒もかなりの数に上る。学園にはマンガ家や声優の養成コースのほか、文化祭や体育祭もあり、友達とかかわりながら社会性が身につくよう工夫されている。

 荒井裕司学園長は「励ましが次のエネルギーになる。出席が義務ではないので、普通の高校とは異なり自分のペースで通学できる」と説明する。不登校の現状について「医師や弁護士、教員などを親に持つ生徒に不登校が多く、親の圧力がつまずきの一因。教師も生徒に向き合う余裕がなく、不登校が増えるのは当然」と話す。

 NPO法人「不登校情報センター」(葛飾区)の松田武己理事長は「通信制高校やサポート校は、対人関係を築くのが苦手な不登校の子どもに目線を合わせて、きめ細かい対応をしている。文科省や教委は、なぜ子どもが学校に通えなくなるのか考えるべきだ。学校を改革せず復学だけを求めても根本的な解決にはならない」と指摘した。



◇登校圧力、政策の限界…「登校拒否を考える全国ネットワーク」の奥地圭子代表の話

 各地の教育委員会は近年、不登校の数値削減にやっきになり、休みがちな子への登校圧力を強めていた。そうした政策の限界が5年ぶりの増加になったと思う。昨年頻発したいじめ自殺で「無理せず休む」ことの重要性が認識され始めたことも背景にある。ゆとり教育が見直され全国学力テストも始まり、子どものストレス度は高まっている。国は、学校復帰だけをゴールにせず、保健室やフリースクールとも無縁で孤立し苦しむ子の対策に真剣に取り組んでほしい。



 ◇「全入時代」は数年先…文科省「景気回復、志願率伸び」

 学校基本調査速報では、07年度に到来すると予測されていた大学・短大への全志願者数と全入学者数が同じになる「大学全入時代」が到来していないことも判明。文科省は「景気回復で志願率が伸びた」としている。全入時代の到来は数年先になりそうだ。

 調査によると、07年度の大学・短大への全志願者は約77万2000人で、全入学者は約69万8000人。志願者に対する入学者の割合(収容率)は、前年度比1.5ポイント増の90.5%にとどまった。同省は新たな到来時期について「予測しない」としているものの「定員数の微増と少子化の傾向に変わりはなく、近い将来訪れる」としている。

 また、中学校の生徒数(361万5000人)は21年ぶりに増加。小学校の児童数(713万3000人)は26年連続減、小学校数(2万2693校)も23年連続で減少した。【高山純二】




毎日新聞 2007年8月9日 21時33分 (最終更新時間 8月9日 22時01分)
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