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私のスタイル:KDDI総務部CSR推進室長・青沼真美さん

2007年08月23日 | スクラップ
◆小さな貢献、広げる責務

 

◇重要なのはアイデア、楽しく仕事しようと考えてばかり

 05年10月に発足したKDDIのCSR(企業の社会的責任)推進室の初代室長に任命された。会社、社員一人一人が社会に対して何ができるか。アイデアを出し合い、実践していく部署だ。「環境対策やコンプライアンス(法令順守)は、やって当然のことで、専門の部署もあります。それ以外に何ができるかを考えたい。重要なのは意識の問題です」と強調する。

 営業や海外の通信事情の調査の仕事に携わってきた。CSRとは関係ない部署ばかりだったので、任命された時は驚いた。しかし、KDD(現在のKDDI)に入社を希望した理由は「インフラ産業であり、社会に役立てるから」。初代室長という重圧もあったが、「自分のやりたいことができる機会。やってやろう」という気持ちの方が強かった。

 現在は「+α(プラスアルファ)キャンペーン」に力を入れている。日常生活の中で、何か一つでも無理せず社会の役に立てることを、「+α」として実行するように呼びかける社員参加型の社会貢献活動だ。趣旨に賛同しメンバーに登録した社員は、「近所の掃除をする」「レジ袋をもらわない」など、自分の行った「小さな貢献」を報告する。内容によって10~100ポイントがつく。メンバーが積み上げたポイントを1ポイント=100円で換算し、合計金額をKDDIが会社として慈善寄付するものだ。

 「大上段に構えてしまうと、続けるのは難しい。小さくてもいいので、自分で本当に必要だと思うことをやってもらいたい。それが広がってくれれば大きな貢献につながる」。メンバーはまだ約1000人だが、今年度中に全社員1万人の登録を目指している。

 社内募金のやり方も変えた。従来は推進室のメンバーが会社の出入り口に並んで募金箱を持ち、募金を呼びかけるだけだったが、他人の目を気にする社員もいる。このため、寄付をしやすいようにと、社内ネットを利用した募金を始めた。社員が自分の席のパソコンで1回クリックする度に、500円ずつ給料から天引きされて寄付に回る仕組み。「目標を設定して押し付けるのではなく、寄付などをしやすい環境を作っていくことが大切だ」という思いからだ。

 新しいCSRのあり方を考えるために最も重要なものは、アイデアだ。アイデアはリフレッシュしないと浮かんでこない。だから、「休みのときはしっかり休む」と決めている。

 週末は夫と二人でよく出かける。共働きで平日はゆっくり話ができないため、貴重な時間だ。書店にいることが大好きだ。偶然に面白い本に出合うことがあるし、「書名を見ているだけで、世の中にはいろんな考え方があることが分かり、新しいアイデアにもつながる気がします」。

 仕事と休みにメリハリをつけるからこそ、仕事にも力が入り、楽しくもできる。「プライベートも仕事も楽しく、心地よく」が信条。「肩ひじ張らないで、楽しく仕事をしようとばかり考えていてもいいでしょ?」と笑った。【野原大輔】



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 ■人物略歴
 ◇あおぬま・まみ
 慶応大卒。89年国際電信電話(現KDDI)に入社。KDDI総研の主任研究員として海外通信政策や携帯電話市場の調査研究を担当。05年10月より現職。盛岡市出身。40歳。




毎日新聞 2007年8月20日 東京朝刊
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